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「はい、外れています」と条件外の人を紹介し続けた私。面談シートの余白に書いていた一言

  • 2026.10.31
ハウコレ

担当会員の希望条件から外れた男性を、私は3人続けて紹介しました。入会の日に面談シートの余白へ書き留めた一言を、いつ本人に見せるべきか迷いながら。

面談シートの希望条件の欄に、彼女は迷わずペンを走らせていました。年齢は、年下の人。結婚相談所の担当として、その条件を向かいの席から読んでいました。その日の面談で気になったのは、条件そのものではありません。

条件を話すときと、旅行を話すとき

条件の理由を聞くと、彼女は「年下のほうが気楽そうなので」と答えました。言葉ははっきりしているのに、声の調子は書類を読み上げるときとあまり変わりません。

様子が変わったのは、休日の過ごし方を聞いたときです。友人との旅行では、いつも彼女が行き先や宿を決めているのだそう。見つけた小さな食堂の話になると、身を乗り出して、スマホの地図まで見せてくれました。

旅行の計画を立てた話を、彼女は面談の中でいちばん楽しそうに話していました。彼女の言う気楽さは、年齢より、自分で選べることにあるのかもしれない。私はシートの余白に、そのことを短く書き留めました。

条件外だと分かっていても

年下でなくてもかまわない。彼女が選んだ場所を、一緒に楽しめる人を探そうと決めました。紹介したのは、会員面談で「相手の行きたい場所に行くのが好き」と話していた、同い年や年上の男性たちです。

1人目は同い年の男性。報告の面談で彼女は、年下ではないことが引っかかると言いました。

2人目のシートを渡したときです。

「この方、条件外ですよね?」

彼女はシートを指で押さえたまま、こちらを見ました。私はうなずいて答えました。

「はい、外れています」

そう認めてから、私は続けました。

「それでも、一度会ってみてもらえませんか」

理由を話すことも考えました。ただ、会う前に私の見立てを伝えれば、彼女は相手ではなく、私の言葉が正しいかを確かめに行くことになる。だから、何も足しませんでした。

2人目のあとの報告で、彼女ははっきり言いました。

「次は、条件どおりの方でお願いします」

「考えておきますね」

そう答えたものの、3人目に選んだのは彼女より5つ上の男性でした。年下という条件だけで探せば、あの日の楽しそうな顔から遠ざかる気がしたのです。

余白に書いていた一言

3人目と会ったあと、面談の予約が入りました。席に着くなり、彼女は言いました。

「担当を替えていただけませんか」

不信感を持たせたのは、何も説明しなかった私です。ファイルから入会の日の面談シートを取り出し、テーブルに置きました。

「その前に、最初の面談の日のこと、覚えていますか」

彼女はしばらく黙ってシートを見ていました。余白の文字は、彼女の側からは逆さまです。読めなければ、あの日の話をするつもりでした。

そして...

先に口を開いたのは、彼女のほうでした。

「そういえば、3人とも行きたいところを私に聞いてくれました」

彼女は少し考えてから、こう続けました。

「担当の件は、取り下げさせてください」

3人目の男性に、もう一度会ってみるそうです。私は何も説明しないまま、シートをファイルに戻しました。余白には「気楽さは、自分で選べること?」の一言。選ぶのが好きな彼女には、私が渡す答えより、自分で見つけた答えのほうがきっと合っています。

(40代女性・結婚相談所カウンセラー)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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