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「急な出費になるな…」ポストに市からの見慣れない紙…中古戸建てを買って3年の40代男性に届いた“判定”

  • 2026.11.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。中古の戸建て住宅を探す際、室内の間取りや設備は細かく見ても、敷地を囲むブロック塀まで意識する方は少ないのではないでしょうか。

今回は、購入時からあった塀が市の点検で基準を満たしていないと分かり、撤去してフェンスを新設する工事を行うことになったエピソードを紹介します。

通学路の点検でポストに届いた「不適合」の結果票

会社員のAさん(42歳)は3年前、妻、小学生の子ども2人と暮らすため、築25年の中古戸建てを購入しました。家は角地にあり、小学校の通学路に面して高さ1.8mのブロック塀が建っています。

この塀は購入時から設置されていたもので、道路からの視線を遮る目隠しとして役立っていました。傾きなども見られなかったため、Aさんは安全性について意識することがないまま過ごしていたのです。

ところが去年の10月、帰宅したAさんがポストを開けると、見慣れない「点検結果票」が入っていました。市の職員が、通学路沿いのブロック塀を点検した結果を知らせる通知です。

Aさんが紙面に目を落とすと、控え壁の欄とひび割れの欄に「不適合」と記されていました。控え壁とは、塀の転倒を防ぐため、本体の裏側から直角に張り出して支える補助の壁を指します。

「控え壁がありませんね」市の指摘と妻のひと言

翌日、Aさんが市の窓口へ電話をかけると、担当の職員から「点検の記録では、控え壁がありませんね」と告げられました。続けて職員は、高さ1.2mを超える塀には、3.4m以内ごとに控え壁が必要だと説明します。

撤去や造り替えには市の補助があり、受付の件数に限りがあることもあわせて案内されました。ブロック塀の安全基準は、建築基準法で細かく決められています。

もし基準を満たさない塀が地震などで倒れて通行人がけがをすれば、所有者が管理責任を問われる事態になりかねません。とはいえ改修にはお金がかかるため、Aさんは「急な出費になるな……」と腕を組んで迷いました。

そんな夫に、妻が「子どもたちが毎日通る道だから、市の補助が出るうちに直そうよ」と声をかけます。小学生たちが毎朝すぐ脇を歩いて登下校する姿を思い浮かべ、Aさんは改修を決断しました。

既存のブロック塀を撤去し、見通しのよいアルミ製のフェンスを新しく建てる工事を業者へ依頼します。工事費は60万円かかりましたが、市の補助金20万円を差し引いて、自己負担は40万円です。

目隠しだった塀がなくなったため、Aさん夫妻はその後、庭の縁に常緑樹を植え足して外からの視線を和らげています。

中古戸建ての購入時と入居後に確認したい塀の基準

買ったときからある塀は、建物ほど注意して見る機会がありません。Aさんの家のように、基準に合っていない塀がそのまま建っていることもあります。これから道路沿いにブロック塀がある中古戸建てを検討する際は、国土交通省が公開しているチェックポイントで、塀の高さや控え壁の有無を確かめておきましょう。

基準に適合していない場合は、購入後の撤去や造り替えにかかる費用も資金計画に組み込んでおく必要があります。また、現在お住まいの家で塀の不適合が判明したときは、自治体の建築を担当する窓口へ相談してみてください。

撤去や改修の補助金は、受付期間や件数に上限が設けられているケースもあるため、条件とあわせて早めに確認することをおすすめします。

参考:
ブロック塀等の点検のチェックポイント(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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