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「高値がつくはず」“K18のネックレス”を買取に出した60代男性→鑑定士「申し上げづらいのですが…」直後、“驚きの一言”に呆然

  • 2026.11.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役鑑定士のSです。

アクセサリーの裏や留め具に刻まれた「K18」の文字。「金でできている印」として、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

ところが、この刻印を見て「金だ」と思い込んでいたものが、査定でまったく違う結果になることがあります。今回は、亡くなったお母様の遺品を持ってきたお客様の、少し意外なエピソードを紹介します。

数十点のアクセサリーと、1本のネックレス

1年半ほど前、私が働く買取店に、60代の男性・Fさんがいらっしゃいました。

カウンターに並んだのは、ネックレスや指輪、ブローチ、イヤリングなど、数十点のアクセサリーです。色がくすんだもの、石が取れたもの、留め具が壊れたものも混ざっています。

「母が亡くなって、家を片付けていたら出てきたんです。ほとんどガラクタだと思うんですけど、まとめて見てもらえますか」

Fさんは、査定にはあまり期待していない様子でした。ただ、1本のネックレスだけは別だったようです。

「これだけは、K18って書いてあるから高値がつくはずだと思うんですよ」

Fさんはそう言って、留め具のあたりを指さしました。

細いチェーンの、金色のネックレスです。ほかのアクセサリーは、お母様の引き出しにあったものを、まとめて袋に入れてきたそうです。

「お母様は、こういったアクセサリーがお好きだったんですか」

「いや、そんなに好きな人じゃなかったんですよ。つけているところも、あんまり見たことがないんだよね」

ルーペでのぞいた留め具

まずは、Fさんが期待していたネックレスから見ていきます。

金のアクセサリーは、刻印と重さを確かめてから、その日の相場で金額を出すのが基本です。

Fさんも、カウンター越しに身を乗り出すようにして、手元を見ていました。

ルーペ(宝石や金属を見るための拡大鏡)で留め具をのぞくと、たしかに「K18」の刻印がありました。ただ、そのすぐ後ろに、小さく2文字が続いています。「GP」です。

「大変申し上げづらいのですが、こちらは金メッキになりますね」

GPは「ゴールドプレーテッド」の略で、金メッキのこと。中身は別の金属で、表面にだけ薄く金がついています。「K18GP」は、18金の色に仕上げたメッキという意味です。

Fさんは少し呆然としたあと、苦笑いしました。

「そうか、金じゃなかったか。まあ、あんまり高い物を買う人じゃなかったからね。そりゃそうか」

「ガラクタ」の中から出てきたもの

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが、話はここで終わりませんでした。

残りのアクセサリーを1点ずつ見ていくと、飾りのない地味な指輪が2つ混ざっていたのです。

内側には小さく「K18」と「Pt900」の刻印。こちらは後ろに何も続かない、本物の金とプラチナでした。

はかりに載せると、18金の指輪が約3.5グラム、プラチナの指輪が約3グラム。当時の買取価格(1グラムあたり)は、18金が約1万500円、Pt900が約3,500円です。

「こちらの指輪2つで、4万7,000円ほどになります」

「え、そっちが? 全然気にしてなかったな」

数十点のうち、値段がついたのはこの2点だけ。Fさんは、指輪2つを売っていかれました。

刻印は「最後の文字」まで読む

刻印の数字やアルファベットには、それぞれ意味があります。

「K18」は金が75%、「Pt900」はプラチナが90%ふくまれているという印です。ところが、その後ろに次のような文字が続くと、意味が変わります。

  • GP:金メッキ。表面に薄く金をつけたもの
  • GF:金張り(きんばり)。メッキより厚い金の層を、熱と圧力で張りつけたもの

どちらも中身は金ではなく、金としての値段はほとんどつきません。GPのネックレスは昔から多く出回っていて、買取の現場でもよく見かけます。

帰り際、Fさんはこう話していました。

「捨てなくてよかったよ。まとめて持ってきてよかった」

手元に気になるアクセサリーがあれば、捨てたり仕分けしたりする前に、スマホのカメラで刻印を拡大して、最後の文字まで読んでみてください。読めないものや迷うものは、そのまままとめて見てもらえば大丈夫です。


執筆:現役鑑定士S
現役の宝石・貴金属鑑定士。買取の現場で、これまで数千点の宝石・貴金属を査定してきた。

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