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「元本割れしない」銀行員の勧めで“1,000万円”を個人向け国債に入れるが…→3年後、50代女性を待ち受けていた“想定外の誤算”

  • 2026.11.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

皆さんは「絶対に損をしない安全な資産運用」と聞いて、何を思い浮かべますか?

銀行窓口で勧められることが多いのが「個人向け国債」です。しかし、どんなに安全と言われる金融商品でも、仕組みを理解していないと思わぬ落とし穴にはまることがあります。

今回は、「元本割れしない」という安心感からまとまった資金を一気に投資したお客様が、数年後に直面した「まさかの事態」についてのお話です。

「安全確実」な国債に全額投資したAさんの誤算

私が以前の支店で窓口の責任者をしていた数年前のことです。

慌てた様子でご来店されたAさんが、「金利がいいし元本割れしないと勧められて買った国債を、すぐに解約したい!」とお申し出になりました。

お話を伺うと、Aさんは3年前に手持ちの資金1,000万円をすべて「個人向け国債(変動10年)」に投資されていました。ところが、ご家族の急な入院が重なり、まとまった現金が今すぐ必要になったのです。

「元本割れしないと聞いていたから、1,000万円そのまま戻ってきますよね?今日すぐ現金で引き出したいのですが」

そう尋ねるAさんに、担当者が中途解約のルールをお見せすると、Aさんは絶句してしまいました。

窓口で提示された計算書の「盲点」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

個人向け国債は、原則として発行から1年間は中途解約ができません。1年を経過すればいつでも解約して換金可能ですが、一定のルールが存在します。 

まずAさんが絶句した1つ目の理由は、「即日での現金化ができない」という点です。個人向け国債を中途解約する場合、換金代金が手元に入るのは、原則として中途解約申込日から「3営業日後」となります。土日を挟めばお金を受け取れる日がさらに先送りになるため、「今すぐ現金が必要」というご要望にはお応えできなかったのです。これを「流動性リスク」と呼びます。

2つ目の理由は、「中途解約調整金」というルールです。途中で解約する場合、「直前2回分(約1年分)の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれます。
投資した1,000万円の元本そのものが減ることはなく、全額確実に戻ってきます。しかし、直近で受け取った約1年分の利息相当額がペナルティとして差し引かれてしまうため、「3年間運用したのに、手元に残る利益が大きく削られてしまった」という事実がAさんを落胆させました。

資産を守るための「3つのバランス」と備え

このような状態になったら、いったいどうすればよかったのでしょうか。

実は、個人向け国債の中途解約は「1万円単位」で行うことができます。全額解約する必要は全くありません。
Aさんは担当者からこの説明を受け、冷静さを取り戻しました。最終的に、今すぐ必要な入院費用のために「200万円」だけを一部解約し、3営業日後に受け取る手続きを済ませました。残りの800万円はそのまま運用を継続され、「全額解約して利息を無駄にせずに済んでよかった。数日ならなんとか立て替えられそうです」と安堵されていました。 

この例から学べるのは、手持ち資金の全額を一度に長期の金融商品につぎ込まないことの重要性です。
金融商品を選ぶ際は、「安全性」「収益性」「流動性」の3つのバランスを見極めることが非常に大切です。「いくらから解約できるのか」「何日で現金化できるか」も合わせて必ず確認してください。 

皆さんの大切な資産を守る第一歩として、運用を始める前に、まずは「生活費の半年分(例:月30万円なら180万円)を、いつでも引き出せる普通預金に残しているか」を必ず確認するというアクションから始めてみてください。


執筆者:加藤隆二
現役銀行員ライター。保有資格:FP2級(個人資産相談業務)
銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。

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