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私大に合格した息子→「奨学金より安心」300万の教育ローンを組むが…4年後、50代父に届いた“1通の通知”に血の気が引いたワケ

  • 2026.11.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

お子様の進学は喜ばしいことですが、「学費をどう工面するか」という悩みがつきまといますよね。貯蓄で足りない時、奨学金を利用すべきか、親が教育ローンを借りるべきか、迷う方は非常に多いものです。

「可愛い子供に借金は背負わせたくない。親である私が銀行で借りて払ってあげよう」

そうした親心から教育ローンを選ぶ方もいますが、仕組みを正しく理解していないと、後になって大きな後悔を抱えることもあります。今回は、大学入学時に教育ローンを利用し、思わぬ落とし穴にはまった50代男性のエピソードをご紹介します。

「奨学金より安心」と教育ローンを選んだ父親

子供を思う親心は尊いものですが、金融商品の選択においては、その優しさが冷静な判断を鈍らせてしまうことがあります。

銀行の融資窓口で、50代の男性Aさんがご相談に見えました。Aさんの一人息子は私立大学に合格しましたが、入学金などを合わせると手元の資金だけでは心許ない状態でした。

「奨学金もありますが、子供が社会に出てから何百万円もの借金を背負うのは可哀想で……。私が銀行の教育ローンで300万円を借りて、親の責任として払ってやりたいんです」

Aさんはそう力強く語りました。奨学金は「学生本人が借りて本人が返す」ものですが、銀行の教育ローンは「親が借りて親が返す」ものです。Aさんは「自分が頑張って返すから大丈夫」とご納得され、無事に融資が実行されました。

「これなら余裕」と信じた4年後、届いた通知に血の気が引いたワケ

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

銀行の教育ローンには、在学中の返済負担を軽くする「元金据置(がんきんすえおき)」という制度があります。しかし、これが後々大きな負担となることもあるのです。

Aさんは契約時、「在学中の4年間は仕送りもあって大変だから、元金(借りた元本)の返済は待ってもらい、利息だけを払う」という『元金据置』を選択しました。支払いは毎月数千円の利息のみ。「これなら余裕だ、やっぱり奨学金より銀行ローンにして正解だった」と安心しきっていました。

しかし4年後、息子さんが大学を卒業した直後、Aさんのもとに銀行から「据置期間終了後の新しい返済予定表」が届きました。それを見たAさんは血の気を失いました。

「来月から毎月5万円以上の返済!? しかも、私が65歳で定年退職した後まで支払いが続くのか……」

「卒業後から払えばいい」と軽く考えていたAさん。奨学金であれば卒業後に『息子さん本人』が月々1万〜2万円ずつ、十数年かけて返済するのが一般的です。対してAさんの教育ローンは、300万円の元金を残りの短い期間で『Aさん自身』が返済しなければならず、月々の負担が跳ね上がってしまったのです。ご自身の老後資金を貯めるべき50代後半という時期に重い返済がのしかかり、家計は火の車となってしまいました。

親の愛情とお金のリアルは分けて考える

子供の学費問題は、親子でしっかりと話し合い、お互いの将来を見据えた計画を立てることが何よりも大切です。

この例のように、「子供に借金を背負わせたくない」という親心だけで決めると、結果的に親自身の老後破綻(ろうごはたん)を招くリスクがあります。もし親が経済的に立ち行かなくなれば、結局は子供に援助を頼むことになり、かえって迷惑をかけてしまいます。

一般的に民間教育ローンの平均適用金利は年2〜4%前後ですが、JASSOの貸与型奨学金(第二種)は年1%未満と低く設定されます。また奨学金の返還期間は最長20年と長く月々の負担を抑えやすいのに対し、銀行教育ローンは通常10年程度で完済するため、元金据置を使うと返済期間が圧縮され負担が急増します。

こういった場合は、すべて親が背負うのではなく、奨学金と教育ローンを併用するのも一つの解決策です。例えば「入学金は親が教育ローンで用意し、毎月の授業料は子供が奨学金を借りる」と分担すれば、お互いの負担は半減します。日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金は、卒業後に収入が少ない場合に返還を猶予・減額できる救済措置も整っています。

その後、Aさんは息子さんと正直に話し合い、月々の返済の一部を援助してもらうことで何とか家計の破綻を免れました。

Aさんのように定年間際で焦らないためにも、教育ローンを検討する際は『据置期間が終わった後の毎月返済額』が定年後の家計に収まるかを返済試算表で必ず確認することから始めてみてください。


執筆者:加藤隆二

現役銀行員ライター。保有資格:FP2級(個人資産相談業務)

銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。

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