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「どういうことですか!」子ども名義の口座に“300万円”貯めた40代母→18年後、銀行窓口で直面した“想定外の事態”【銀行員は見た】

  • 2026.11.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

お子さまのいらっしゃる家庭では、将来の教育費などに備えて「子供名義の口座」を作り、そこにお年玉や児童手当をコツコツ貯金している方も多いのではないでしょうか?

親御さんの愛情が詰まった素晴らしい習慣ですが、実は、良かれと思って続けていたその口座管理が、いざという時に思わぬトラブルを招くケースがあるのです。

今回は、大学進学を控えたお子さまのために、長年貯め続けたお金を引き出そうとして、銀行窓口で想定外の事態に直面してしまった40代主婦のエピソードをご紹介します。

「子供のために」が裏目に?窓口で引き出せない教育資金

銀行の窓口では、親御さんがお子さま名義の口座からお金を引き出そうとして、手続きがストップしてしまう光景をしばしば目にします。ご自身が貯めたお金なのに、なぜ突然引き出せなくなってしまうのでしょうか。

ある春の日、40代の主婦であるAさんが、ご長男の大学入学金を振り込むために銀行窓口へいらっしゃいました。

Aさんはご長男が生まれた時から、お年玉や児童手当、毎月の生活費のやりくりで浮いたお金を「長男名義の口座」にコツコツと貯金し続けていました。その額は18年間で約300万円。

「これでやっと入学金を払ってあげられる」と安心しきっていたAさんですが、窓口の担当者から思いがけない言葉を告げられます。

「申し訳ございません。こちらのご口座は、名義人である息子様ご本人の同意がないとお引き出しができません」

Aさんは「えっ!?私がずっと貯めてきたお金ですよ?親の私がおろせないってどういうことですか!」と絶句してしまいました。

なぜ引き出せない?知っておきたい「成年年齢」と「名義預金」の壁

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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

Aさんのように、子供のために親が管理している口座が引き起こす問題には、大きく分けて「銀行の実務的なルール」と「税務上のリスク」の2つが絡んでいます。

現在、民法改正により成年年齢は18歳に引き下げられています。そのため、18歳に達したお子さまの口座は「成人した個人の口座」として扱われます。

たとえ親子であっても、ご本人の来店や、ご本人が作成した委任状などがなければ、原則として親が勝手にお金を引き出すことはできません。Aさんのご長男もちょうど18歳になっていたため、このルールに引っかかってしまったのです。

さらに厄介なのが「名義預金」という税務上の問題です。

口座の名義はお子さまでも、実際にお金を出したのが親であり、通帳や印鑑も親が管理している状態の口座を「名義預金」と呼びます。

この場合、実質的な持ち主は親であると税務署にみなされる可能性が高くなります。親が亡くなったときには、子ども名義の口座であっても親の遺産として相続税の計算に含める必要があり、申告から漏れていると、後から相続税に加えて加算税や延滞税を求められることがあります。また、まとまった金額をお子さまに渡したタイミングで、贈与税がかかる場合もあります。

なお、入学金や授業料のように、必要なときに親が直接支払う教育費には贈与税はかかりません。

大切な教育資金を守るために!今日からできる正しい口座管理

それでは、Aさんのような事態を未然に防ぎ、子供のための資金をスムーズに活用するには、どうすればよかったのでしょうか。具体的な解決策と注意点をお伝えします。

まずは「親名義の口座」で貯めるのが最も確実で安全です。親名義の口座を「生活費用」と「教育資金用」に分けて管理すれば、お子さまが18歳になっても親の意思でいつでも引き出しや振り込みが可能です。

今回のAさんの例では、最初から親名義の口座で教育資金として貯めておくべきでした。

もし、すでに子ども名義の口座でお金を貯めてしまっている場合は、扱いに注意が必要です。通帳と印鑑をご本人に渡して管理を任せると、その時点で口座の残高をまとめて贈与したとみなされます。たとえば残高が300万円なら、基礎控除の110万円を差し引いた190万円に贈与税がかかり、税額は19万円です。翌年の2月1日から3月15日までに、申告と納付も必要になります。

残高が110万円を超えている場合は、渡す前に税務署や税理士に相談しておくと安心です。入学金や授業料など、必要なときにその都度教育費として支払う使い方であれば、贈与税はかかりません。

子供の将来を想う親心は、何にも代えがたい尊いものです。その愛情と努力を無駄にせず、必要な時にしっかりとお子さまのために使えるよう、ご家庭での口座管理の方法を今一度見直してみてくださいね。皆さまの大切な資産が、お子さまの輝かしい未来にまっすぐ繋がることを願っております。


執筆者:加藤隆二

現役銀行員ライター。FP2級(個人資産相談業務)。
銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。

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