1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「国債は元本保証だから安心」は危険だった。お金のプロが明かす、買って後悔しないために知るべき「3つの注意点」とは?

「国債は元本保証だから安心」は危険だった。お金のプロが明かす、買って後悔しないために知るべき「3つの注意点」とは?

  • 2026.11.6
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「元本が保証されていて安心」というイメージが強い個人向け国債ですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔してしまうケースがあることをご存知でしょうか?

金利や物価の変動、換金のタイミングなど、一見安全に見える国債にも事前に知っておくべき注意点が存在します。

今回は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の石坂貴史さんに、国債で後悔する理由や購入前に確認しておくべきポイントについて詳しく解説していただきました。

国債を購入して「後悔」する理由は?金利や物価変動の影響とは

---「元本割れしない」とされる国債ですが、購入後に後悔してしまうのはなぜでしょうか?

石坂貴史さん:

「国債を購入して後悔する理由として、購入後の金利上昇や物価の値上がりが挙げられます。

例えば、年1%の金利がつく固定金利型の個人向け国債を100万円分購入した場合、1年間に受け取れる利子は税引前で1万円です。しかし、その後に金利が上昇し、新しく発行される国債の金利が年2%になれば、同じ100万円でも受け取れる利子に差が生まれます。

こうした違いを知らずに購入すると、後から『もう少し待てばよかった』と感じるかもしれません。

また、物価の上昇にも注意が必要です。仮に物価が年間3%上昇し、生活費も同じ割合で増えた場合、毎月20万円かかっていた生活費は20万6,000円になります。その状態が1年間続けば、年間7万2,000円の負担増です。

国債で利子を受け取っていても、物価の上昇に追いつかなければ、お金の実質的な価値は目減りしてしまいます。

国債を検討する際に大切なのは、元本が減らないという安心感だけで判断しないことです。

特に、将来の生活費や老後資金として購入するのであれば、受け取れる利子だけでなく、物価が上がった場合の影響も考えておきたいところです。

国債は資産を守るための選択肢になりますが、購入する時期や金利の種類によっても結果は変わるため、目的に合っているかをまず確認してみましょう。」

必要なときにすぐ現金化できない?途中換金の注意点

---購入後にお金が必要になった場合、国債はすぐに換金できるのでしょうか?注意点があれば教えてください。

石坂貴史さん:

「個人向け国債で特に注意していただきたいのは、必要なときにすぐ現金に戻せるとは限らないことです。

個人向け国債は、原則として発行から1年間は途中で換金できません。そのため、急な病気や家電の買い替えなどでお金が必要になっても、すぐに使えない可能性があります。

半年後にまとまった支払いを予定している場合などは、金利よりも、必要なときに引き出せることを優先したいところです。

また、1年が経過してから換金する場合も、原則として直近2回分の利子(税引後)に相当する金額が差し引かれます。

個人向け国債は途中で換金しても元本割れしない仕組みですが、予定していた利子を十分に受け取れないことは理解しておきましょう。

なお、国債にはいくつか種類がありますが、個人向け国債とは異なり、市場で売買される一般的な国債は、満期前に売却すると購入価格より安くなり、損失が生じる場合もあります。

私としては、国債を購入する前に『このお金は途中で必要にならないか』を一度考えていただきたいです。

特に、生活費や急な出費に備えるお金まで国債に回すことは、慎重に判断する必要があります。

元本保証という言葉だけで安心せず、お金を使う時期と換金条件を確認することが、購入後の後悔を防ぐために重要だと考えます。」

後悔しないために!国債選びで意識したい3つのポイント

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---これから国債の購入を検討している初心者は、どのような点に気をつけて選べばよいでしょうか?

石坂貴史さん:

「国債の購入を考えている方に、まず実践していただきたいのは『そのお金をいつ使う予定なのか』を整理することです。

金利の高さに注目する方も多いと思いますが、私はそれ以上に、お金を使う時期と国債の条件が合っているかを確認することが大切だと考えています。

そのうえで、初心者の方には3つのポイントを意識していただきたいです。

1つ目は、近いうちに使う予定のないお金で購入することです。例えば、半年後に使う予定の教育費や、急な出費に備えるお金は、すぐに引き出せる預貯金で確保しておくことをおすすめします。

2つ目は、金利の種類を比較することです。個人向け国債には『変動10年』『固定5年』『固定3年』があります。変動型は半年ごとに金利が見直され、受け取れる利子が増減します。一方、固定型は購入時の金利が満期まで変わりません。自分の考え方に合うものを選ぶことがポイントです。

3つ目は、途中で換金する場合の条件を確認することです。いつから換金できるのか、利子がどの程度差し引かれるのかを購入前に理解しておきましょう。

個人向け国債は1万円から購入できるため、最初からまとまった金額を投じる必要はありません。

FPの視点から、国債だけですべての資産を管理しようとするのではなく、預貯金などと組み合わせ、それぞれの役割を分けることをおすすめしたいですね。

押さえておきたいのは、金利の高さだけで選ばず、自分の生活や将来の予定に合った金額で無理なく活用することです。」

「安心感」だけで選ばず、目的や使用時期に合わせた活用を

「元本が減らない」という安心感がある国債ですが、購入後の金利上昇や物価の上昇、さらには「1年間は原則中途換金できない」といった条件を把握していないと、後から後悔することになりかねません。

国債を検討する際は、まず「そのお金をいつ使うのか」を整理し、急な出費に備える資金はすぐに引き出せる預貯金で確保しておくことが大切です。そのうえで金利タイプや中途換金条件を確認し、預貯金と役割を分担させながら無理のない金額で活用していきましょう。


監修者:石坂貴史
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、日本証券アナリスト協会認定資産形成コンサルタント、AFP、NISA取引アドバイザー、マネーシップス代表。累計1,300件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融、経済、不動産、保険、相続、税制」が専門。各種メディアにて金・プラチナ市況の解説を担当中。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートします。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ