1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「どうしよう、困ったな…」旅行先で現金を下ろそうとした30代女性、ATMで犯した“痛恨のミス”に頭が真っ白になったワケ

「どうしよう、困ったな…」旅行先で現金を下ろそうとした30代女性、ATMで犯した“痛恨のミス”に頭が真っ白になったワケ

  • 2026.11.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

旅行や出張など、いつもと違う場所へ出かけると、なんだか開放的な気分になりますよね。美味しいものを食べたり、素敵な景色を見たり、ついついお財布の紐も緩みがちになるのではないでしょうか?

しかし、そんな楽しい非日常の場面で、思わぬお金のトラブルに見舞われてしまう方も少なくありません。普段使っていないサブの銀行口座のキャッシュカードを久しぶりに持ち出した結果、ある「うっかり」が原因で一文無しになってしまった……。

今回は、旅行先のATMの前で頭を抱えることになってしまった30代女性のエピソードと、皆さんが同じ目に遭わないための具体的な対策についてお話しします。

楽しい旅行先での大誤算!久しぶりのカードで起きた悲劇

旅先での急な出費。いざというときのために用意していたカードが、まさかのトラブルを引き起こすことがあります。

30代前半の会社員、Aさんは、友人たちとの国内旅行を心から楽しんでいました。ご当地グルメや温泉を満喫し、予定よりも少しお金を使いすぎてしまったAさん。「念のため」とお財布に入れておいた、普段あまり使わないサブ口座のキャッシュカードで現金を引き出そうと、旅行先のコンビニATMへと向かいました。

ATMの画面に向かい、暗証番号を入力しようとしたAさんですが、ふと指が止まります。「あれ、このカードの暗証番号、何番だったかな……」。普段メインで使っているカードとは違うため、記憶が曖昧になっていたのです。「たしか、自分の誕生日の組み合わせだったはず」と、心当たりのある4桁の数字を入力しました。しかし、画面には『暗証番号が間違っています』の文字があるだけでした。

「それなら、あっちの番号かも」と、2回目、3回目と続けて別の番号を入力してしまいました。その瞬間、ATMからカードが返却され、『お取扱できません』というメッセージが表示されてしまったのです。

「どうしよう、困ったな…」頭が真っ白になってしまったAさん様子のAさん。

実は、銀行のキャッシュカードは防犯上の理由から、暗証番号を連続して(一般的には3回)間違えると、強制的にカードにロックがかかる仕組みになっています。Aさんのカードは完全に使えない状態となり、旅行先で現金を引き出す手段を失ってしまいました。

なぜカードは使えなくなったのか?銀行員が教える暗証番号のルール

キャッシュカードの暗証番号間違いは、実は銀行窓口でも非常にご相談の多いトラブルの一つです。焦って何度も入力してしまう前に、知っておいていただきたいルールがあります。

私自身、長年銀行の窓口業務やご相談対応をしてきましたが、「暗証番号を忘れてロックがかかってしまった」と青ざめたお顔でご来店されるお客様は本当に多くいらっしゃいます。

キャッシュカードのロック機能は、万が一カードを紛失したり盗難に遭ったりした際に、第三者にお金を引き出されないための重要なセキュリティ対策です。そのため、一度暗証番号相違によるロックがかかってしまうと、ATMの操作だけで解除することは原則としてできません。「明日になればまた試せるかも」と思われる方もいらっしゃいますが、日にちを跨いでもリセットされることはないのです。

Aさんはこの事実を知らず、軽い気持ちで「数回試せば当たるだろう」と考えてしまったことが、旅行先での絶望的な状況を招いてしまいました。

このような状態になったら?旅行先でもできる解決策と事前の備え

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

もし、Aさんのように旅行先でキャッシュカードにロックがかかってしまったら、どうすればよいのでしょうか。具体的な解決策と、今後のための教訓をお伝えします。

もしこのような状態になったら、まずはカードの裏面にある銀行の連絡先や公式サイトで、手続きの方法を確認しましょう。手続きは銀行によって異なります。窓口でその場で暗証番号を登録し直せる銀行もあれば、カードの再発行となり、新しいカードが郵送で届くまで1〜2週間ほどかかる銀行もあります。アプリやWebで手続きできる場合もあります。

窓口に行く場合は、ロックがかかったキャッシュカード、ご本人様であることを確認できる身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)、その口座の届出印を持参します。ただし、ここで注意すべき点があります。

それは「銀行の営業時間内(平日15時までが多い)に行かなければならない」ということ、そして「旅行先にその銀行の支店があるとは限らない」ということです。特に地方銀行や信用金庫などの場合、旅行先に店舗がなく、帰宅するまで一切お金が下ろせないという事態にもなりかねません。

この例では、Aさんは旅行に持っていく前に、事前に近所のATMで残高照会などを行い、暗証番号が正しく使えるかを確認しておくべきでした。

また、こういった不測の事態には、現金を下ろす以外の決済手段を複数用意しておくことに注意すべきです。予備のクレジットカードをもう1枚持っておく、あるいはスマートフォンにチャージして使えるQRコード決済アプリや電子マネーを設定しておくことで、現金が手に入らなくても旅行を乗り切ることができます。

暗証番号は、ご自身の財産を守る大切な鍵です。忘れないように管理することはもちろんですが、どこかにメモを残す場合は、カードとは絶対に別々の場所(スマートフォン内のセキュリティ対策されたアプリなど)に保管するようにしましょう。

お金に余裕を持った準備で、安心の旅行を

旅のトラブルは誰にでも起こり得るものです。しかし、事前のちょっとした準備で、最悪の事態は回避できます。

皆さんも、久しぶりに使うカードを旅行や出張に持っていく際は、「暗証番号は大丈夫かな?」と一度立ち止まって確認してみてください。

銀行員としてたくさんのお客様のお金にまつわるトラブルに伴走してきましたが、ほんの少しの確認不足が大きな後悔に繋がってしまう場面を何度も見てきました。せっかくの楽しい旅行が、お金の不安で台無しになってしまっては悲しいですよね。

現金、クレジットカード、そしてスマートフォン決済など、複数の手段をバランス良く準備しておくことが、現代の賢いお金の持ち歩き方です。皆さんの次のご旅行が、安心で笑顔あふれるものになるよう、心から願っております。


執筆者:加藤隆二
現役銀行員ライター。保有資格:FP2級(個人資産相談業務)。銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ