1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「自宅に置くより安全」“300万円”を貸金庫に預けた60代男性→10年後、銀行から届いた“1通の通知”に絶句したワケ【FPは見た】

「自宅に置くより安全」“300万円”を貸金庫に預けた60代男性→10年後、銀行から届いた“1通の通知”に絶句したワケ【FPは見た】

  • 2026.11.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

銀行の貸金庫に預けた現金が、突然「保管できません」と言われたらどうしますか。「自宅に置くより安全だから」「銀行なら何年でも保管できるはず」。そう考えている方は注意が必要です。

実は2025年、貸金庫の利用ルールが見直され、銀行では現金の保管を認めない規定への変更が進みました。長年預けていた現金でも、取り出すよう求められる可能性があります。

現金300万円を10年間保管していた60代男性のケースを通じて、何が変わったのか、すでに預けているお金はどうなるのかを確認していきましょう。

「銀行だから安心」のはずが…10年後に届いた思わぬ通知

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

66歳のSさんは、約10年前から銀行の貸金庫を利用しています。きっかけは、自宅にまとまった現金を置いておくことへの不安でした。

当時、Sさんの手元には、長年かけて貯めてきた300万円がありました。生活費とは別に、病気や急な出費に備えて用意していたお金です。普段は使わないものの、いざというときのために残しておきたいと考えていました。

しかし、自宅に300万円もの現金を置くのは心配です。空き巣に入られる可能性もあれば、火災で失ってしまうおそれもあります。

そこでSさんが選んだのが、銀行の貸金庫でした。300万円を複数の封筒に分け、重要書類と一緒に保管しました。年に数回、書類の確認で銀行を訪れることはあっても、現金にはほとんど手をつけていません。

利用料は毎年かかりますが、大切なお金を守るためなら必要な費用だと納得していました。ところが、利用開始から約10年が経ったころ、契約先の銀行から一通の案内が届きます。

そこには、貸金庫の利用規定が変更され、今後は現金を保管できなくなると書かれていました。Sさんは驚きました。今まで問題なく保管していた300万円を、取り出さなければならないというのです。

さらに、案内を読み進めると、以前から貸金庫を利用している人も対象になることがわかりました。

「10年間も預けていたのに、なぜ今さらダメなのか……」Sさんは絶句しました。

Sさんにとって、銀行の貸金庫は安心できる保管場所でした。自宅へ現金を戻せば、盗難や火災の不安が残ります。一方、普通預金に入れることも考えましたが、長年現金のまま保管してきただけに、すぐには決められません。

そもそも、自分のお金を貸金庫に置いておくことが、なぜ禁止されるのかも疑問でした。

「300万円だからダメ?」少額でも対象になる理由

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

当初、Sさんは多額の現金だけが制限されるのだと考えていました。300万円は大きな金額なので、銀行が特別な管理を求めているのかもしれないと思ったのです。

しかし、今回の見直しでは金額の大小は関係ありません。日本円だけでなく外国通貨も対象です。300万円はもちろん、1万円でも通常の現金は保管できない扱いとなります。

Sさんは銀行へ問い合わせ、ルールが変わる時期や必要な手続きを確認しました。銀行から現金を取り出すよう案内を受けたため、後日、貸金庫に入れていた300万円を引き取ることにしました。

長年安心だと思っていた保管方法を変えることになり、Sさんは今後のお金の管理を考え直すことになったのです。

なぜ現金が保管禁止に?FPが解説する新ルール

2025年5月30日、金融庁は銀行の貸金庫業務に関する監督指針を改正し、同日から適用しました。

これを受け、全国銀行協会は同年6月19日、銀行が貸金庫の契約に使用する規定のひな型(見本)を改正したと発表しています。

背景には、銀行員などによる貸金庫からの盗難を防ぐ目的があります。また、現金の保管を制限するのは、犯罪に関わるお金の出所を隠すなどの不正利用を防ぐためです。

改正されたひな型では、日本円や外国通貨のほか、危険物なども保管できないものとして示されています。

一方、金地金などの貴金属や宝石は、一律に禁止されたわけではありません。権利証などの重要書類も、銀行によっては引き続き保管できます。

預けている現金はどうなる?確認したい3つのポイント

貸金庫を利用する方は、次の3点を確認しておきましょう。

  • 現金: 改正された規定のひな型では、通常の日本円や外国通貨は金額に関係なく禁止対象
  • 貴金属・重要書類: 保管できるかどうかは銀行の規定によって異なる
  • すでに利用している場合: 現金を取り出す時期や必要な手続きを確認する

例えば、三菱UFJ銀行は2025年6月20日付の案内で規定改定を公表し、2026年2月1日から新しい規定を適用しています。

以前から現金を保管している人にも、次に銀行を訪れる際などに取り出すよう案内しています。

ただし、すべての銀行で変更日や対応方法が同じとは限りません。現在、貸金庫に現金を入れている方は、まず契約先の銀行からの通知を確認してください。必要に応じて現金を取り出し、預金口座に入れるなど、別の管理方法を考えることになります。

以前は問題なかった保管方法でも、現在は認められない場合があります。大切な財産を守るためにも、貸金庫の中身と最新の利用規定を確認しておきたいところです。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

の記事をもっとみる

注目コンテンツ