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定年後、再雇用で働き続ける65歳男性→「給与に年金も加わる」老後は安心と思いきや…年金事務所で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.11.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

65歳を迎えれば、仕事の収入に年金が上乗せされ、暮らしに余裕ができる。そんな見通しを立てていませんか?

ところが、働き方によっては老齢厚生年金を予定どおり受け取れないことがあります。2026年4月に支給停止の基準が緩和された後も、収入が一定額を超える人には影響が残ります。

今回取り上げるのは、老後の支出を計画していた男性が、年金事務所で年間12万円の差を知らされたケースです。

「家の修理も旅行も大丈夫」再雇用を続ける65歳男性の計算

Aさんは60歳で定年を迎えた後、慣れ親しんだ勤務先で再雇用されました。65歳となった現在も勤務を続け、月給は41万円、賞与は年144万円。年間の給与収入は636万円です。

以前は大手企業で管理職を務め、厚生年金にも長く加入してきました。65歳から受け取る老齢厚生年金は月14万円を見込み、老齢基礎年金も別に支給される予定でした。

Aさんが仕事を続けるのは、貯蓄をできるだけ長持ちさせたいからです。住宅ローンは終わったものの、自宅は築30年以上。水回りなどを直すため、100万円ほどを用意しておこうと考えていました。

夫婦で毎年旅行に出かけるのも楽しみの一つです。給与に年金が加われば、修繕費と旅行代を無理なく確保できると思っていました。

「仕事を続けている間は、年金を含めた収入で生活費をまかなえそうだ」

そんな計画を立てたAさんには、一つ見落としていた条件がありました。

「65万円より低いのに?」相談先でわかった年金の差

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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

2026年春、働く人の年金に関する基準額が、月51万円から65万円に引き上げられました。

Aさんは月給が41万円なので、自分には関係ないと受け止めます。しかし、受給手続きに合わせて年金事務所で確認したところ、見込みとは異なる説明を受けました。

「賞与と年金も合わせて計算するため、老齢厚生年金が一部止まる見込みです」

月14万円と考えていた老齢厚生年金は、試算では13万円。差は月1万円で、12か月に換算すると12万円です。夫婦旅行に使おうと思っていたお金が、その分少なくなります。Aさんは、制度が変わったのになぜ減るのかと戸惑いました。

給与41万円でも対象に?FPが「65万円」の意味を解説

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ここで関係するのが「在職老齢年金」です。65歳以降も厚生年金に加入して働く場合などに、賃金と老齢厚生年金の合計が基準額を超えると、超過分の半額に相当する年金が支給停止になります。

重要なのは、基準額65万円を「月給だけで判断する金額」と考えないことです。Aさんの条件を月額に直すと、給与41万円に、年間賞与144万円を12で割った12万円が加わります。賃金にあたる金額は月53万円です。

さらに老齢厚生年金の計算対象額14万円を足すと、合計67万円。65万円を2万円上回るため、支給停止はその半分の1万円となります。その結果、老齢厚生年金は月13万円の計算です。

※実際の判定には、給与そのものではなく「標準報酬月額」、賞与には直近1年間の「標準賞与額」を用います。ここでは、それぞれ41万円、144万円と仮定しています。また、年金14万円は報酬比例部分の基本月額です。

基礎年金は減らない。家計を考えるときの注意点

この制度で支給停止となるのは老齢厚生年金で、老齢基礎年金は対象外です。65歳を過ぎて働けば、全員の年金が減るというわけでもありません。

今回の年12万円は、2026年度の基準額65万円と、同じ賃金・年金額が12か月続くと仮定した試算です。実際には給与や賞与が変わったり、加入期間に応じて年金額が見直されたりするため、停止額が変動する場合があります。

大切なのは、給与と年金の予定額をそのまま家計に組み込まないことです。働き続ける予定があるなら、年金事務所などで支給停止を反映した見込額を確かめておくと、支出の計画も立てやすくなります。

※プライバシー保護の観点から、内容を一部調整しています。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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