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「大手銀行なら安心」1,250万円を“普通預金と定期預金”に入れた60代女性→後日、FPに告げられた“思わぬ落とし穴”に「そんな…」

  • 2026.11.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

老後のためにコツコツ貯めてきたお金。できるだけ減らしたくないと考え、投資ではなく銀行預金を選ぶ方も多いのではないでしょうか。特に、知名度の高い大手銀行なら安心感もありますよね。

しかし、預け先や預金の種類によって、万が一の際に保護される範囲が異なることをご存じでしょうか?

今回は、1,250万円を大手銀行に預けていた60代女性の相談事例をもとに、老後資金を守るために知っておきたい預金保険制度の仕組みと、思わぬ落とし穴について解説します。

老後のお金は、やっぱり大手銀行に預けておくのが安心よね

そう考えていた60代のAさん。退職後の生活に備え、コツコツ貯めた1,000万円を大手銀行の普通預金に預けていました。さらに、同じ銀行には以前から定期預金250万円もあります。

投資で損をするのは怖い。だからこそ、預金を選んだAさんでした。

老後資金の管理について私に相談された際、預金の保護についても確認することにしました。そこで私が説明したのが、金融機関が破綻した場合に預金者を保護する「預金保険制度」です。

「えっ、普通預金と定期預金は別々に守られるわけではないのですか?」

Aさんは驚いた様子。実は、預金を守る仕組みには、知っておきたいルールがあるのです。

「口座が違えば別扱い」ではなかった!

Aさんが預けていたのは、普通預金1,000万円と定期預金250万円。元本の合計は1,250万円です。Aさんは、普通預金と定期預金は別の商品だから、それぞれ別々に保護されると思っていました。

しかし、利息の付く普通預金や定期預金などの「一般預金等」は、同じ金融機関に預けている分を、預金者1人当たりで合算して保護限度額を判定する仕組みです。

私はAさんに、一般預金等は原則として、1つの金融機関で預金者1人につき、元本1,000万円までと破綻した日までの利息等が保護されることを説明しました。

Aさんの場合、普通預金1,000万円と定期預金250万円を合算すると、元本は1,250万円。そのうち元本1,000万円までと、保護対象となる元本に対応する破綻日までの利息等が、預金保険制度による保護の対象となります。

一方、1,000万円を超える元本250万円と、その超過部分に対応する利息等は、預金保険制度によって全額が保護されるわけではありません。破綻した金融機関での残余財産の状況に応じて支払われるため、一部が戻らない可能性があります。

「そんな…250万円は、必ず戻ってくるわけではないのですか?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんの表情が変わりました。

老後のために大切に貯めてきた1,250万円。そのうち250万円は、金融機関が破綻した場合、預金保険制度によって全額が保護されるとは限らない。

Aさんにとって、これは想定外の事実だったようです。

なお、保護限度額は口座ごとに設定されるものではありません。普通預金と定期預金など、同じ金融機関にある一般預金等を合算して保護額が計算されます。

そのため、「普通預金の1,000万円は全額保護され、定期預金の250万円はすべて保護対象外」と単純に分けて考えることもできないのです。

預金を別の銀行に分ければいいの?

ここでAさんが気にしたのは、「別の銀行に預ければ、保護の範囲も変わるのか」という点です。

一般預金等の保護限度額は、1金融機関ごとに計算されます。そのため、預金保険制度の対象となる別々の金融機関に預けていれば、原則として、それぞれの金融機関で保護限度額が適用されます。

ただし、銀行の名称や店舗が違っていても、同じ金融機関であれば原則として合算されます。また、外貨預金など、預金保険制度の対象外となる商品もあります。

一方、決済用預金は、(1)無利息であること、(2)要求払いであること、(3)決済サービスを提供できること、の3要件をすべて満たす預金です。この要件を満たす決済用預金は全額保護されます。

一般的な利息の付く普通預金とは扱いが異なるため、商品ごとの確認が必要です。

私はAさんに、預け先を分けるかどうかだけでなく、預金の種類や保護の対象となる条件も確認するようアドバイスしました。

「大手銀行だから安心」だけでは足りない

今回の相談でお伝えしたかったのは、銀行の知名度だけで安心するのではなく、自分の預金がどの制度で、どこまで保護されるのかを確認することの大切さです。

もちろん、預金保険制度は、金融機関が破綻した時に預金者を保護するための制度です。大手銀行であっても破綻リスクがゼロとはいえませんが、だからといって預金がすべて危険ということでもありません。

老後資金を預金で管理するなら、まずは同じ金融機関にある一般預金等の合計額を確認すること。さらに、預金保険制度の対象となる商品かどうかも確かめておきたいところです。

「預け先の名前」だけで安心するのではなく、「どのように保護されるのか」まで知っておくこと。それが、大切な老後資金を守るための第一歩となります。


執筆・監修:小泉@社労士ライター
20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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