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夫の死後、自宅に住み続けることに→「ローンも完済したから大丈夫」のはずが…数ヶ月後、60代妻に届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.11.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「住宅ローンも完済した持ち家だから、ひとりになっても住まいの費用は安心だ」

そう思い込んで老後の生活設計を立ててはいませんか?確かに家賃の支払いはありませんが、固定資産税や都市計画税、火災・地震保険料などの維持費は、世帯人数が減っても自動的に下がることはありません。

今回は、夫の死後に住居維持コストの重圧に直面した67歳女性の事例から、持ち家老後の賢い資金防衛術をお伝えします。

「家賃ゼロ」の安心が崩れた…毎年届く税金と保険の請求

事例のAさんは67歳の女性です。

夫を亡くした後も、夫婦で30年以上暮らしてきた一戸建てに住み続けることにしました。住宅ローンはすでに完済しています。

夫の生前は、夫の年金が月約17万円、Aさんの年金が月約8万円あり、世帯収入は月約25万円でした。Aさんは「ローンも家賃もないから、ひとりになっても暮らせる」と考えていました。

夫の死亡後、Aさんの収入は遺族年金などを含めて月約15万円前後になったそうです。食費は月約7万円から約4万円に減り、日用品代や外食費も少なくなりました。一見すると、生活費は減ったように見えます。

しかし、家計を確認すると、安心できる状態ではありませんでした。

年に一度届く固定資産税と都市計画税の納税通知書。自宅にかかる税額は年間約13万円でした。月割りで考えると、毎月約1万1,000円の負担です。

さらに、火災保険と地震保険の更新案内も届きました。建物や家財の補償内容を含め、5年分で約30万円の見積もりです。月割りにすると、毎月約5,000円。

つまり、固定資産税と都市計画税、保険料の月割り分だけで、月約1万6,000円。年間では約19万円の負担です。

夫婦の年金が月25万円あったころは、何となく払えていた金額でした。しかし、収入が月10万円ほど減った後では、同じ支出でも重みがまったく違います。

固定資産税の納付時期と保険の更新が同じ年に重なれば、その年だけで40万円以上の支出になることもあります。Aさんは、通帳残高が大きく減るのを見て、初めて危機感を持ちました。

「家賃がないから安心だと思っていたのに、家を持っているだけでこんなにお金が出ていくとは思いませんでした」

持ち家は資産である一方、維持するための請求も毎年続きます。この現実を見落とすと、老後資金は静かに削られていきます。

固定資産税は「住む人数」ではなく「家と土地」にかかる

固定資産税は、土地や建物などを所有している人にかかる税金です。夫婦2人で住んでいても、ひとりで住んでいても、基本的には不動産そのものに対して課税されます。そのため、配偶者が亡くなってひとり暮らしになったからといって、固定資産税が自動的に半分になるわけではありません。ここを勘違いすると、老後の家計は大きく狂います。

夫名義だった自宅を妻が相続し、所有者となった場合は、原則として固定資産税の負担が続きます。「夫が亡くなったから負担も軽くなる」と考えていると、納税通知書を見て慌てることになりかねません。

見落としやすいのは、固定資産税が毎月ではなく年単位で届くことです。

年間12万円なら月1万円。

年間18万円なら月1万5,000円。

納付書が届いた月だけの支出ではなく、実際には毎月発生している住まいの固定費として考える必要があります。地域によっては、都市計画税があわせてかかる場合もあります。

Aさんのように、固定資産税と都市計画税を合わせて年間13万円ほどになるケースもあります。持ち家は家賃がかからない反面、所有している限り、毎年の税負担が続きやすい面があります。年金収入が減った後にこの負担を知ると、家計の立て直しが難しくなることもあります。

保険料の更新で一気に貯蓄が減ることもある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

火災保険や地震保険も、ひとり暮らしになったからといって負担が大きく下がるとは限りません。保険の対象は、主に建物や家財だからです。住んでいる人数が1人になっても、守るべき建物の大きさが同じであれば、保険料が大きく減らないことがあります。

特に怖いのは、更新時にまとまった金額が必要になることです。毎月の生活費だけを見ていると、家計は何とか回っているように見えます。

しかし、5年分で30万円の保険料が出ていけば、貯蓄は一気に減ります。Aさんの場合、固定資産税と都市計画税が年13万円。保険更新の見積もりが約30万円。同じ年に重なると、合計で約43万円です。

月15万円前後の年金収入で暮らしている人にとって、40万円を超える支出は軽くありません。仮に毎月の生活費がぎりぎりなら、貯蓄を取り崩すしかなくなります。

ここで注意したいのは、保険料を下げることだけを優先しないことです。補償を削りすぎると、火災や自然災害が起きたときに自己負担が大きくなる可能性があります。一方で、今の暮らしに合わない補償や特約が残っている場合は、見直しの余地があります。

保険は「高いから削る」でも「昔のまま更新する」でもなく、今の暮らしに合っているかを確認することが大切です。建物の状態、家財の量、災害リスク、貯蓄額を見ながら、必要な補償を確認しましょう。

計画的な積立と保険見直しを

持ち家は家賃がかからない一方で、固定資産税や火災・地震保険料は人数ではなく建物・土地そのものにかかるため、配偶者の他界で世帯収入が減っても負担額は変わりません。

年払いの税金や数年ごとの一括保険料が重なると数十万円規模の出費となり、月々の年金生活を大きく圧迫して老後資金を枯渇させる要因となります。これらを臨時の出費と捉えず、年間維持費を算出して月割りで計画的に積み立てておく仕組みづくりが不可欠です。

不要な特約を省くなど現状に即した補償内容の見直しを進め、ひとり暮らしになっても破綻しない住まい管理を確立していきましょう。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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