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「そんな…」300万円を“年利10%の米ドル定期”に入れた40代女性→満期後、円に戻したところ…振込額を見て“目を疑ったワケ”

  • 2026.11.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで預貯金と資産運用の相談を数多く受けてきた柴田です。

外貨預金のキャンペーンでは、「年10%」といった驚くような金利を見かけることがあります。ただ、その数字の裏には、期間とコストの仕組みが隠れています。

今回は、外貨定期のキャンペーンに申し込んだ40代のAさんのお話です。

「年10%なら、1か月でもそこそこ増えるはず」

Aさん(40代女性)は、銀行のWebサイトで「米ドル定期 年10%」というキャンペーンを見つけました。預け入れ期間は1か月です。

「年利10%なんて見たことない。1か月だけでも預ければ得するはず」。Aさんは貯金のうち300万円を米ドルに替えて、外貨定期に預けました。

1か月後の満期の日、Aさんは米ドルを円に戻しました。振り込まれた金額は約297万9,900円。「そんな…増えるどころか、2万円も減っている...」。Aさんは画面の数字に目を疑いました。

1か月分の利息は年率の12分の1

相談に来られたAさんに、私は外貨定期の仕組みを説明しました。

年10%は、1年間預けた場合の利率です。1か月ものなら、受け取れる利息は年率の12分の1程度、つまり約0.83%分しかありません。しかも、そこから約20%の税金が引かれます。

私が計算してみると、預け入れ時に1ドル151円で替えた約1万9,868ドルに付いた1か月分の利息は、税引き後で約132ドル。円にすると約2万円です。

往復の為替手数料が利息を上回る

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

一方で、外貨預金には為替手数料がかかります。円を外貨に替えるときは「TTS」、外貨を円に戻すときは「TTB」という、異なるレートが使われます。大手銀行の窓口なら、米ドルで片道1円、往復で2円前後の手数料が一般的です。

Aさんの場合、預けた日も戻した日も仲値は1ドル150円で、為替は動いていませんでした。それでも、預けるときは151円、戻すときは149円で計算されます。往復の為替手数料は約4万円。2万円の利息では、手数料をまかないきれなかったのです。

私が計算してみると、往復2円の手数料を、税金を引いた1か月分の利息でまかなうには、年20%近い金利が求められます。年10%のキャンペーンでも、1か月で円に戻すなら損をしやすい仕組みなのです。

短期キャンペーンは「その先」まで考える

こうした短期の高金利キャンペーンは、満期後も外貨のまま、通常の金利の定期や普通預金に預け直すことを前提にしているものが多くあります。「1か月だけ預けて円に戻す」という使い方とは、もともと合っていないのです。

それでも外貨預金を続けたいなら、ネット銀行など為替手数料の安い取扱先を選ぶ、満期後も外貨のまま長く預けて手数料の負担を薄めるといった工夫が欠かせません。そのうえで、為替が円高に動いても困らない、当面使う予定のないお金だけで始めることが大切です。

キャンペーンを使うなら、満期後にどうするか、円に戻すならいくら残るかを、申し込む前に計算しておくことが大切です。

そもそも私は、こうしたキャンペーンに安易に飛びつくことをおすすめしていません。銀行が外貨預金を勧める理由は、はっきり言えば「銀行が儲かるから」です。円を外貨に替えるときも、外貨を円に戻すときも、銀行には為替手数料が入ります。お客さんが外貨預金をするほど、銀行の収益が増える仕組みになっているのです。

外貨預金は貯蓄型の保険と同じように中身が複雑で、こうした商品は手数料が高めに設定されていることが少なくありません。高い金利で喜ばせたあとに「投資信託はいかがですか」「外貨建ての保険もあります」と勧誘されるのが、典型的な流れです。銀行にとっては、お客さんが中身をよく知らないまま買ってくれるのが、いちばん都合がよいわけです。

外貨預金の利率を見て「高い」と感じても、手数料と為替リスクを考えると、トータルで損をする可能性のほうが高いと私は考えています。私なら外貨預金ではなく、低コストのインデックス投資など、もっと効率よく資産を増やせる方法を選びます。銀行が勧めてくる商品は、基本的に「銀行が儲かる商品」だと思っておくくらいでちょうどよいでしょう。

まとめ

Aさんは「年10%という数字しか見ていませんでした。両替に手数料がかかることも、利息が1か月分しか付かないことも、考えていませんでした」と話していました。

外貨預金の金利は、期間と為替手数料をセットで見て初めて意味を持ちます。目を引く数字ほど、条件を確かめてから申し込みましょう。


参考:
外貨預金の特徴を知る(一般社団法人全国銀行協会)
外貨預金と外国為替相場(金融経済教育推進機構(J-FLEC)「知るぽると」)

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。

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