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「プロに任せておけば安心」銀行員の勧めで“退職金2,000万円”を預けた60代男性→3年後、届いた報告書を見て”目を疑ったワケ”

  • 2026.11.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金の一部を投資信託に回した60代男性・Aさん(仮名)の体験談です。

「プロに任せておけば安心。自分で銘柄を選ぶより確実だ」

そう考えていたAさんでしたが、3年後に届いた報告書の費用の欄を見て、目を疑います。投資信託を契約する前に、確かめておきたい費用についてご紹介します。

退職金2,000万円をお任せで運用

63歳のAさんは、3年前に会社を定年退職しました。

退職金が振り込まれた銀行で、担当者から勧められたのが「ファンドラップ」です。お金を預けると、金融機関が投資信託の組み合わせを決め、運用を任せられる契約です。

「相場を見ながら、配分も見直します。お客さまは何もしなくて大丈夫ですよ」

パンフレットには手数料についても書かれていました。しかし、投資が初めてだったAさんは、どのような方針で運用してもらえるのかばかりを気にしていたといいます。

「投資は初めてですが、プロに任せておけば安心ですね」

Aさんは、退職金のうち2,000万円を預けることにしました。

3年後、報告書の費用に目を疑う

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

この秋、Aさんは届いた報告書を持って、私のところへ相談にいらっしゃいました。

評価額は2,180万円で、元本を180万円上回っていました。

ところが、報告書に記載された費用に、中に入っている投資信託の費用も加えて3年分を計算すると、約115万円になっていたのです。

「元本が増えていたので、手数料のことはあまり気にしていませんでした」

「毎年、こんなに払っていたとは……」

Aさんは、費用の合計を見て目を疑ったといいます。

費用は主に「3つ」に分かれていた

ファンドラップにかかる費用は、主に次の3つです。

・ファンドラップそのものの手数料
・運用を任せることへの報酬
・中に入っている投資信託の費用(信託報酬など)

金融庁が2026年に公表した資料によると、中に入っている投資信託の費用まで含めた総コストは、年1.5〜2.5%程度となっています。

Aさんの契約では、すべて合わせて年1.8%前後でした。

費用は預けた元本ではなく、残高に対してかかります。残高が2,000万円なら、1年で約36万円です。この契約では、運用成績が良くても悪くても、残高に応じた費用が毎年かかります。

金融庁は同じ資料で、費用を差し引いた後の運用の効率が、代表的なバランス型の投資信託に比べて総じて低い水準だったとも指摘しています。

「それぞれの費用を合わせると、いくらになるのか。契約する前に聞いておけばよかったです」

Aさんは、同じような配分の投資信託を自分で持った場合の費用と比べたうえで、契約を続けるかどうか考えることにしました。

契約の前に、費用の合計を確認

運用をお任せする契約を勧められたときは、次の点を確認してみてください。

・手数料と報酬、投資信託の費用を合わせて年何%か
・預ける金額では、1年でいくらの費用が必要となるか
・同じような配分の投資信託を自分で契約する場合と比べてどうか

実際に預ける金額では年間いくらになるのか、具体的な金額に置き換えて確認することがポイントです。

金融機関が重要情報シートを用意している場合は、見せてもらうと費用を比べやすくなります。

プロに任せれば安心と考えるだけでなく、どのようなサービスを受けられ、そのために毎年いくら支払うのかを確認したうえで、運用先を決めることが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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