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クリス・ブラウンに禁錮8か月、暴行事件で執行猶予付き判決──裁判官が「特別扱いはない」と一喝

  • 2026.10.28

歌手のクリス・ブラウンが2023年にロンドンのナイトクラブで音楽プロデューサーをボトルで殴った事件をめぐり、10月26日、判決が言い渡された。今年7月にロンドンの裁判所で罪を認めていたクリスに対し、裁判所は執行猶予付きの禁錮刑を言い渡した。(フロントロウ編集部)

禁錮8か月、ただし執行猶予付き

ロンドンのサウスワーク刑事裁判所で、トニー・バウムガートナー判事が言い渡したのは、禁錮8か月、執行猶予12か月という判決。猶予期間中に新たな犯罪を犯さない限り、クリスが刑務所に収監されることはない。英BBCによると、事件に関与したボーカルコーチでラッパーのオモロル・アキンロルにも禁錮4か月、執行猶予12か月が言い渡され、2人はそれぞれ訴訟費用1,500ポンドの支払いも命じられた。

事件が起きたのは2023年2月19日未明。ロンドン・メイフェアにある会員制クラブ「テープ」のダンスフロアで、クリスは音楽プロデューサーのアブラハム(エイブ)・ディアウに近づき、重い角型のテキーラボトルで殴りかかった。法廷で再生された防犯カメラの映像には、20秒足らずの間にボトルを4回振り下ろし、そのうち2回が頭部に当たる様子が映っていたという。ディアウは病院に搬送され、頭部と膝にけがを負ったと診断された。

「法は誰にでも等しく適用される」

判決理由のなかで判事は、ボトルで頭部を繰り返し殴る行為は「明らかに危険」であり、さらに重いけがを負わせる可能性があったと指摘。また、混雑したナイトクラブでの暴力行為は、被害者だけでなく周囲の人々も危険にさらすとして、計画的ではなかったものの、重大な暴力行為だったと述べた。

さらにクリスに対し、名声や商業的な成功、音楽業界での地位があっても「特別扱いを受ける資格にはならない。法は誰にでも等しく適用される」と厳しく言い渡した。

一方、実刑を免れた背景には、有罪を認めたことや保釈条件を守っていたこと、収監が子どもたちに与える影響などが考慮され、再犯の可能性が低いと判断されたことがある。判事は、2人の行為はいずれも実刑に相当するほど重大だったと認めながらも、今年変更された量刑規定により、例外的な事情がない限り刑の執行を猶予する必要があると説明。今回はその例外には当たらないと判断した。

弁護人は「深い謝罪」を表明

クリスは2025年5月、コンサートのためイギリスのマンチェスターに到着した直後に逮捕された。当初は暴行罪、重傷害未遂罪、凶器所持罪の3つの罪で起訴され、2025年6月から7月にかけて無罪を主張していたが、その後、一部の訴因が取り下げられ、傷害を伴う騒乱行為について有罪を認めた。

なお、ディアウは2023年10月、1,600万ドルの損害賠償を求めてクリスを提訴していたが、2025年6月に訴えを取り下げている。

法廷でクリスの弁護人サリー・ベネット=ジェンキンスは、事件を「醜く、見苦しい出来事」と認めたうえで、クリスが事件現場にいたすべての人々に「深く謝罪している」と述べた。また、クリスは4人の子どもを愛する献身的な父親であり、2013年の前回の有罪判決以降は法律を守って生活してきたと訴えた。

閉廷後、裁判所の外ではファンから歓声が上がり、クリスがサインに応じる姿も見られた。その後、車内でカメラに向かって親指を立てる動画をInstagramのストーリーズに投稿した。

アッシャーとのツアーは11月に再開

判決を前に、クリスはアッシャーとの北米ツアーで予定されていた4公演を中止していた。公演中止について、主催者側はツアー関係者やスタッフの健康と安全を優先するためと説明していたが、中止となった公演の日程は、判決に向けた準備期間とも重なっていた。

ツアーは11月5日、アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアム公演から再開する予定だ。今後12か月間の執行猶予期間中は、ステージ上での活動だけでなく、私生活での行動にも注目が集まりそうだ。

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