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「下手くそ!転べー!」運動会の児童席のうしろでヤジを飛ばし続けた男性。だが、別のお父さんの注意で黙った瞬間

  • 2026.10.28
「下手くそ!転べー!」運動会の児童席のうしろでヤジを飛ばし続けた男性。だが、別のお父さんの注意で黙った瞬間

児童席のすぐうしろから聞こえたヤジ

大人になった今でも忘れられない、小学生のころの運動会の出来事です。

その日はよく晴れていて、校庭には子どもたちを応援する声が響いていました。

自分の出番がない時間、私は体操服のまま友だちと児童席に座り、ほかの学年の競技を見ていました。

児童席のすぐうしろは保護者席になっていて、お父さんやお母さんたちが立って応援していました。

ところが、徒競走が始まって間もなく、背後から突然、大きな男性の声が聞こえてきたのです。

「下手くそ!」

驚いて振り返ると、保護者席にいた男性が、口もとに手を当てて走っている子どもたちに向かって叫んでいました。

隣にいた友だちも、不安そうに私を見ました。

「ねえ、あの人、誰に言ってるの?」

「わかんない……。でも、ちょっと怖いね」

最初は一度きりかと思いました。しかし、徒競走が続いているあいだ、男性の声は何度も響きました。

「下手くそ!転べー!」

応援というより、走っている子をからかっているような言い方でした。

近くにいたお母さんが困った顔で振り返ると、男性は笑いながら言いました。

「いいんだよ、身内なんだから」

どうやら、走っている子の中に身内がいるようです。

けれど、事情を知らない私たちには、ただ子どもを大声でけなしているようにしか聞こえませんでした。

まわりの子どもたちも何度も振り返り、落ち着かない様子でした。

別のお父さんが伝えた一言

そんなとき、男性の近くに立っていた別のお父さんが、男性のほうを向きました。

「ちょっと、そういうヤジはやめませんか」

落ち着いていましたが、はっきりとした声でした。

突然注意された男性は、驚いたようにお父さんを見ました。

「いや、だから、身内なんだって」

すると、お父さんは児童席のほうに目を向けながら言いました。

「身内でも、ここにいる子どもたちには全部聞こえてますよ」

その言葉に、男性は一瞬黙りました。

そして児童席に目を向けると、振り返っていた私たちと目が合ったのです。

男性の顔がみるみる赤くなりました。近くの保護者たちも男性を見ていて、その一角だけ、急に静かになったように感じました。

男性は気まずそうに視線を落とし、口もとに当てていた手を下ろしました。

それからは、先ほどまでの大きなヤジが聞こえてくることはありませんでした。

競技はそのまま続き、走っていた子がゴールすると、まわりから拍手が起こりました。

隣の友だちが、私の袖をそっと引きました。

「さっきのお父さん、かっこよかったね」

「うん。ほんとにね」

私もそう答えながら、何度もうなずきました。

注意したお父さんは、もう男性のほうを見ることもなく、ほかの保護者と同じように子どもたちへ拍手を送っていました。

大声で怒鳴り返したわけでも、相手を責め続けたわけでもありません。

ただ、子どもたちにも聞こえていることを、はっきり伝えてくれたのです。

あの日、児童席から見たお父さんの頼もしい姿は、大人になった今でも心に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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