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「孫の晴れ舞台なんだから、少しくらいいでしょ」発表会の通路で撮影を続けた祖母。だが、舞台から戻った孫が放った一言

  • 2026.10.24
「孫の晴れ舞台なんだから、少しくらいいでしょ」発表会の通路で撮影を続けた祖母。だが、舞台から戻った孫が放った一言

通路に立ち、撮影を続ける祖母

子どもが通う幼稚園では、毎年冬になると公民館のホールで発表会が開かれます。

劇やダンスを披露する大切な日です。私も早めに会場へ行き、前のほうの通路側の席に座りました。

開演前には先生から、後ろの人の撮影や観覧の妨げになるため、通路では撮影しないようアナウンスがありました。

ところが、劇が始まって間もなく、私のすぐ後ろの通路に女性が立ちました。

カメラを構え、身を乗り出すようにして舞台を撮影しています。

よく見ると、知り合いのママのお母さんでした。知り合いは、そのすぐ横の通路側の席に座っています。

祖母の後ろでは、保護者たちが体を傾けたり、カメラを高く掲げたりしていました。祖母の背中で舞台の真ん中が隠れ、見えにくくなっているのです。

すると、後ろの席のお父さんが声をかけました。

「すみません、後ろから見えないんですが…」

しかし祖母は振り向かず、片手を軽く振っただけでした。

「ああ、すぐ終わりますから」

ところが、曲が変わっても撮影は終わりません。

孫が舞台の前に出てくるたび、さらに身を乗り出してシャッターを切っています。

曲の合間に、私も振り返って声をかけました。

「あの、通路での撮影は遠慮してくださいって、さっき案内がありましたよ」

祖母はカメラを構えたまま、ちらりと私を見ました。

「孫の晴れ舞台なんだから、少しくらいいでしょ」

そう言って、また舞台に向き直ってしまいました。

後ろの席からは小さなため息が聞こえます。私も困ってしまいましたが、それ以上は何も言えませんでした。

舞台から戻った孫が口にした一言

やがて発表が終わり、子どもたちが先生に連れられて客席へ戻ってきました。

その中の女の子が、通路に立っている祖母のもとへ駆け寄ってきました。

先ほどまで舞台にいた、お孫さんです。

女の子は祖母の服のすそを引っぱり、顔を見上げました。

「ばあば、通路で写真とったらだめなんだよ。先生が言ってたもん」

祖母が何か言おうとすると、女の子は後ろの席を指さして続けました。

「ほら、うしろの人、見えなくなっちゃうよ」

その声は、近くの席にもはっきり聞こえました。

祖母は一瞬、言葉に詰まった様子でした。

「いや、でも…」

それきり何も言えず、カメラを下ろします。近くの保護者から小さな笑い声が漏れました。

大人が何度声をかけても動かなかった祖母が、孫に注意されて顔を赤くし、うつむきながら席へ戻っていったのです。

隣に座っていた知り合いが、申し訳なさそうに私へ頭を下げました。

「ごめんね、うちの母が…」

私は「ううん」と首を横に振りました。

女の子は少し得意そうに胸を張っています。

祖母にとっては、かわいい孫の晴れ舞台だったのでしょう。それでも、ほかの人も同じように大切な発表を見に来ています。

大人の注意には耳を貸さなかった祖母が、孫の言葉には何も言い返せなかった。その光景が、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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