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「どこに置いてんだ!」ラーメンの置き場所をめぐって父親に怒鳴られた大学生の店員。だが、小学生の息子の一言で空気が一変

  • 2026.10.24
「どこに置いてんだ!」ラーメンの置き場所をめぐって父親に怒鳴られた大学生の店員。だが、小学生の息子の一言で空気が一変

メニューで埋まったテーブル

大学生のころ、私は家族連れの多いラーメン屋でアルバイトをしていました。

ある夜、少し強面の父親と母親、小学生くらいの男の子と妹の4人家族が来店しました。

父親と男の子が並んで座り、向かいには母親と妹が座りました。

父親は席に着くなり、店のメニューを次々と手に取ってはテーブルに広げていきました。

家族で注文を決めたあとも、メニューは片づけられず、テーブルいっぱいに広がったままです。

やがてラーメンができあがり、私はお盆にどんぶりをのせて席へ向かいました。

ところが、テーブルの前まで来て困ってしまいました。メニューが端から端まで広がっていて、どんぶりを置ける場所がなかったのです。

どうしようかと迷っていると、父親がいら立った様子でテーブルを指先でたたきました。

「おい、早くしてくれよ。腹へってるんだから」

私は思わず体をこわばらせました。

本当なら、メニューを片づけてもらうようお願いすればよかったのです。

けれど、早くしなければと焦ってしまい、なかなか声をかけられませんでした。

そして迷った末に、いちばん手前に広げられたメニューの上へ、そっとどんぶりを置いてしまったのです。

その瞬間、父親の顔色が変わりました。

「おい!どこに置いてんだ!」

「申し訳ございません。置く場所がなくて…」

「はあ?店の人間なら、そのくらい考えろ!」

大きな声に、周囲のお客さんまで振り向きました。

確かに、メニューの上に熱いどんぶりを置いたのは私の判断ミスです。ですが、そもそもメニューが広がっていなければ、こんなことにはならなかったはず。

そう思いながらも、私は言い返せず、頭を下げることしかできませんでした。

父親の隣から聞こえた、素直な一言

そのときです。

父親の隣に座っていた男の子が、テーブルの上を見回しました。そして、広がったメニューを指さしながら父親を見上げたのです。

「ねえ、パパ。パパが、メニュー全部広げたからだよ」

父親は男の子の顔を見たまま、口を半開きにして固まりました。

すると、向かいに座っていた母親もゆっくりとうなずきました。

「そうよ。これじゃ置く場所、ないじゃない」

「いや、それは…」

父親は言い返そうとしましたが、それ以上言葉が出てきません。

近くの席から小さな笑い声が聞こえました。

父親は耳まで赤くすると、それまでの勢いがうそのように、黙ってメニューを一枚ずつたたみ始めました。

私は先ほど置いたどんぶりをいったん持ち上げ、下のメニューが片づけられるのを待ちました。

そして空いた場所にどんぶりを置き直し、残りのラーメンも並べました。

「大変お待たせいたしました」

すると、男の子が私を見上げて、にっこり笑いました。

「ありがとう、お兄ちゃん」

「こちらこそ、ありがとうね」

私は思わず笑顔で返しました。

その後、私が客席に目を向けたときも、父親は黙々とラーメンをすすっていました。食事が終わるまで、先ほどのような大声が聞こえることはありませんでした。

男の子は、ただ目の前で起きたことを素直に口にしただけだったのでしょう。

私自身も、焦ったときほど落ち着いてお願いするべきだったと反省しました。

それでも、父親が息子の一言で急に静かになった場面を思い出すと、厨房へ戻りながら、つい笑いがこみあげてきたのでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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