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京の余白を持ち帰る。わざわざ買いに行きたい、京都のお土産〜調味料編〜

  • 2026.10.24
京都〈加藤みそ〉蔵主・加藤昌嗣

〈長文屋〉の七味唐辛子

調合する景色と香りもごちそう。自分好みの七味が作れる専門店

「大辛で山椒多めね」「シソは抜きで」。そんな自分好みの七味唐辛子が手にできるのも、足を運んでこそ。ここは、北野天満宮のお膝元で4代続く七味唐辛子の専門店。

店に入ると、目の前には、山椒、麻の実、唐辛子、ケシ、黒ゴマ、白ゴマ、シソ、青海苔(のり)という8種の材料。最初はいちばん粗い麻の実から。さじですくって小さなすり鉢で細かくしたら、白ゴマを加えて油が出てこないぎりぎりまですり、山椒、ケシ……と、客の求めに応じて合わせていく。

3代目の宇野敏一さんは「これしかできないから」と言うけれど、グラムではなく、さじ売りというのも新鮮だ。その手際の良さに見惚れていると、たちまち香ばしく爽やかな香りに包まる。

京都〈長文屋〉店内
京都〈長文屋〉の七味唐辛子
まずは4段階から辛さを選び、好みを伝えて調合してもらう。お任せのノーマルは、5杯(小)480円。山椒多めなら、620円。
京都〈長文屋〉の七味唐辛子 パッケージ

Information

京都〈長文屋〉店頭サイン

長文屋(北野白梅町)

戦後間もなく、北野商店街で創業し、2002年に現在の場所に移転。現在は3代目の宇野さんが4代目と共に営む。山椒や唐辛子など、単体の香辛料も販売しており、それらの品質の良さも客が通う理由。中でも、山椒の質の高さに定評がある。

ちょうぶんや
住所:京都市北区北野下白梅町54-8
TEL:075-467-0217
営:9時30分~17時
休:水曜・木曜
Instagram:@choubunya

〈雲母漬老舗 穂野出〉の雲母漬

峠の茶屋を訪れる気分で、雲母坂で330年間続く漬物を

一乗寺駅から曼殊院道を東へ進むと、時代劇に出てくるような建物が見えてくる。店の前には“雲母坂(きららざか)お茶所”の石碑。“接待所”の看板をくぐると、雲母漬の試食を振る舞ってくれ、観光名所を訪れたかのような、ちょっと得した気分になる。

築200年を超えるここは、かつて比叡山に登る僧たちが、ひとときを憩っていたお茶所。そこで出していたのがこの漬物で、急坂が待つ登山者たちのかけがえのないお茶請けとして、評判を呼んだという。以来、330年間、15代にわたり、一子相伝の製法で今に続く。契約農家から届く一口大のナスを塩漬けにし、京都の白味噌に漬け込み、3ヵ月以上。小ナスの食感と白味噌の甘さとコクが後を引く。

〈雲母漬老舗 穂野出〉の店内
〈雲母漬老舗 穂野出〉の 雲母漬
雲母漬150g860円~。多種揃う。賞味期限40日。15代目の田邉佳巳さん考案の山椒風味やユズ風味、燻製をかけた雲母漬も販売。
〈雲母漬老舗 穂野出〉の 雲母漬

Information

〈雲母漬老舗 穂野出〉の外観

雲母漬老舗 穂野出(一乗寺)

公家である鷲尾家に仕えていた田邉家が、1689年に居を構え、創業した茶店。雲母漬は今もここで作られている。売り場は接待所の奥に。途中、比叡山に登る僧侶が着けていた蓑笠(みのがさ)などを見ることができる。

きららづけしにせ ほので
住所:京都市左京区一乗寺谷田町43
TEL:075-781-5023
営:8時30分~16時30分
休:不定休
HP:www.kiraraduke.net

〈加藤みそ〉の味噌

料理人のファンも多い味噌を西陣の蔵元へ買いに行く

そばには300年以上続く料理屋の暖簾(のれん)も掛かる、西陣の静かな一角に店はある。といっても味噌蔵の軒先で売っているにすぎないが、蔵元で買うのもまた、特別な経験。事前に連絡すれば、味噌蔵を覗かせてもらえることも。

実際、ここには、日本はもとより海外からも料理関係者が多く訪れる。蔵主は、糀(こうじ)や味噌造りへの情熱がハンパでない4代目の加藤昌嗣さん。昔ながらの麹蓋を使い、麹造りから手がける。それを創業時、曽祖父が醤油屋から譲り受けたという200年ものの吉野杉の木樽に大豆、塩と仕込む。

どんな猛暑であろうと冷房なし。菌を巧みに操り、旨味を引き出した天然醸造味噌には、繰り返し味わいたくなるまろやかさがある。

京都〈加藤みそ〉蔵主・加藤昌嗣
京都〈加藤みそ〉の味噌
右は木樽で1年間寝かせ、大豆を潰さずに仕上げた田舎味噌500g 486円~。左は通常より長めに熟成させて造る白味噌300g 432円~。
京都〈加藤みそ〉の味噌

Information

京都〈加藤みそ〉外観

加藤みそ(丸太町)

大正6(1917)年、この地で創業。父親が体を壊したのを機に店を継いだという加藤さんは、発酵マニアでもあり、軒先では、味噌のほか、手造りの麹蓋製法によって造られた米糀も販売。向かいの呼び鈴を押すと、スタッフが出てきてくれる。

かとうみそ
住所:京都市上京区蛭子町400
TEL:075-441-2642
営:9時~18時(土〜17時)
休:日曜
Instagram:@katomiso3

〈ぎぼし〉のとろろ昆布

錦市場の喧騒もどこへやら。稀少な手削りの黒とろろ昆布を量り売り

大賑わいの観光地から一歩外れただけで、趣のある老舗が残るのが京都である。四条通から柳馬場通を上がるとすぐに看板が見えてくる、明治元年から商いを続ける昆布の専門店。とろろ昆布やおぼろ昆布を量り売りしてもらえ、注文すると、中央の木箱から取り出し、袋に詰めてくれる。

名物は黒とろろ昆布。昆布を糸状に削ったとろろ昆布は、現在では機械削りがほとんどだが、ここは別。酢で軟らかくした道南産昆布の表面に、熟練の職人が専用の包丁を斜めに入れて削る。その表面に近いところが黒とろろ、中の白とろろは機械削りと手作業の合わせ。今なお職人の手仕事によるとろろ昆布は、ふわりとしつつ、繊維も感じられる絶妙な食感だ。

ぎぼしの店内、5代目上田さん
〈ぎぼし〉のとろろ昆布
手前が黒とろろと白とろろ各50g918円。奥はおぼろ昆布50g1,404円。黒は酢が強めなのでご飯に。白は椀物にも。賞味期限約20日。
〈ぎぼし〉のとろろ昆布

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ぎぼしの外観

ぎぼし(烏丸)

昆布と突き出し物を扱う店として、明治元(1868)年に四条通で創業。現在は、5代目の上田昌太郎さんが店主。あられや昆布、豆などを詰め合わせた「吹よせ」も、黒とろろと並ぶ創業当時からの名物で、缶入りのほか、袋入りもある。

住所:京都市下京区柳馬場通四条上ル立売中之町108
TEL:075-221-2824
営:9時~17時30分
休:日曜・祝日
HP:giboshi.jp

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