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パリ拠点のアーティスト、村上華子が問う「見ること」とは何か?

  • 2026.10.22

写真の始まり、イメージの表れを探る

村上華子 1984年生まれ。写真の起源や視覚の歴史を主題に、古典写真技法からAIまで横断して制作。近年は写真発明200周年に向け研究・制作を進めるほか、Villa AlbertineフェローとしてNY滞在。作品はCNAP、ゲッティ美術館などに収蔵。 Taisuke Yoshida


パリを拠点とする村上華子が、奈良の現代アートセンターに招かれ、滞在制作を経て個展を開催している。会場のカーテンにプリントされているのは、幕末の日本で初めて写真が撮られた場所の風景。古い写真機のような脚付きのオブジェはカメラの暗箱の構造をしている。「のぞくと外が見え、瞬きのようにチカチカと点滅します。写真はかつて“網膜”と呼ばれていました。ならば、暗箱は眼球かもしれない」

”起源を見つめ直すことで、私たちの未来を考えられるのではないか”

1820年代、フランスの発明家ニセフォール・ニエプスによる実験をはじめ、写真の黎明期からの歩みを作品を通してたどる。「未来に、私たちは何を見られるようになるのか。起源を見つめ直すことで、それを考えられるのではないか」

フランスにあるニエプスのミュゼ近くの森をリサーチ。 Hearst Owned

本展では写真の起源を遡ること自体よりも、それを通して「見る」という行為や、私たちが今後何を見られるようになるのかに、焦点を当てる。

今回の展示作品。最初期の写真技法フィゾトティープを用い、奈良・三条通を約3日半かけて露光した。 HARUKA OKA

大学では哲学を学び、言葉やイメージについて考えていた。作品として表現するようになったのは、「そのほうが自由度が高く“遠くに行ける”気がしたんです」。アートの仕事を公平かつ持続可能にするために、日本でユニオン(組合)を立ち上げた。「制作と全く違うことをすることが、気分転換になっているようです」

coordination & Text MIKAKO SAWADA

村上華子個展「実験室:もう一つの眺めのために」
写真の発明から約200年を迎える今、「像が生まれる瞬間」を見つめ直す好機となる個展だ。
MOMENT Contemporary Art Center
~2026年10月25日

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