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おしゃれパリジェンヌのクオリティ・オブ・ライフ vol.59

  • 2026.10.21
Chloé Bruhat

人と比べるのではなく、自分の尺度で幸福を定義し、自分らしい生き方を優先するクオリティ・オブ・ライフという考え方が浸透してきている。今よりもずっと以前から、この考え方を体現してきたのがパリジェンヌだ。個性を大切にし、好奇心旺盛に毎日を自分らしく生きる――そんなエル的ライフスタイルを実践するおしゃれなパリジェンヌにフォーカスする連載。vol.59は、「マルタン・マルタン」設立者兼デザイナーのカプシーヌ・マルタン。

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カプシーヌ・マルタン

「マルタン・マルタン」設立者兼デザイナー

パリ生まれ。高校卒業後にロンドンへ渡り、約10年間を過ごす。ロンドンではロティサリーレストラン「Cocotte」を立ち上げ、起業家としてキャリアをスタート。その後パリへ戻り、幼い頃から身近にあったファッションの世界へ。パリ17区にあった祖母のアトリエで過ごした時間を原点に、2019年「マルタン・マルタン」を設立。

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Q. 最も幸せを感じる瞬間はいつ?

「家族と一緒にテーブルを囲んでいるとき。どこかへ急いで行く必要もなくて、ようやくゆっくりできる、そんな何気ない時間が一番幸せ。幸せって、結局そんなに特別なものではないと思うの。私にとっては心が穏やかで、“今、自分はいるべき場所にいる”と感じられる瞬間ね」

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Q. 人生で最も大切にしていることは?

「優しさと愛、そして自分らしくいられる自由。何より大切なのは、私が愛する人たち。それ以外は変化していくし、形を変えていくものだから。人と人との間にある本物のつながりと、自分が信じるものに忠実でいることを大切にしているわ」

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Q. 毎日を充実させるために実践していることは?

「人とつながること、そして身体を動かすこと。毎日かなり速いペースで生活しているから、人に会ったり、新しいものを発見したり、常に動いていることが私には必要なの。週に3回くらいは運動するようにもしているわ。でも、一番大切にしているのは好奇心を失わないこと。好奇心って、ひとつのエネルギーだと思う。自分の思い込みや固定観念にとらわれずにいられるから」

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Q. あなたにとって“仕事”とは?

「努力すること、そしていい仕事ができたときの満足感。現実と向き合い、学び、何かを生み出し、自分自身の限界を超えていくためでもあると思う。好奇心やクリエイティビティを持ち続けられる仕事ができていることは、本当に幸運だと思っているわ。でも同時に、仕事を人生の中の正しい場所に置いておくことも大切。仕事は情熱にも野心にもなるし、素晴らしい自由を与えてくれるも。でも、それが自分のアイデンティティのすべてになってはいけないと思うの。私は一生懸命働くことが大好き。でも、仕事の外にある人生も同じくらい大好きよ」

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Q. あなたにとって“友人”とは?

「友情は、“ジャッジすること”の対極にある。安心して戻れる場所であり、自分で選ぶ家族のような存在ね。本当の友人とは、何の言い訳も説明もせず、ありのままの自分でいられる相手。自分の長所も短所も矛盾も知っていて、それでもそばにいてくれる人。私が大切にしているのは、正直さとユーモア、そして忠誠心。それに、何カ月、何年会っていなくても、再会した瞬間に何も変わっていないように感じられる、あの独特の自由な関係が好き」

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Q. ファッションに対するこだわりは?

「私にとってファッションで一番大切なのは、トレンドよりも姿勢や感覚。個性があるのに、着ると頑張っているように見えない服に惹かれるわ。主張しなくても伝わるエレガンスがすてきだと感じる」

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Q. 定番スタイルについて教えて!

「普段のスタイルは、エフォートレスシック。昼間はシンプルだけど、きちんと洗練されて見えるシルエットが好み。夜になるともう少しフェミニンに、センシュアルに、ときには思い切りセクシーになることも。

黒を着ることが多くて、ゴールドも大好き。マスキュリンとフェミニン、ヴィンテージとコンテンポラリーをミックスしたりもする。それから、ハンドバッグはほとんど持たないの。両手が自由でいられるのが好きだから。最終的に目指しているのは、“選ぶ前からその服を着ることが決まっていた”みたいな自然な感覚。どこか直感的で、少し不完全。でも、ちゃんとアティチュードがある。そんなスタイルが理想」

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Q. クオリティ・オブ・ライフを向上させるために、必要なモノ・コトを5つ教えて。

エスケープ どんなときも、自分が閉じ込められていると感じないために。

軽やかさ 何もかも深刻に考えすぎないために。

高揚感 思いがけないことに心を動かされたり、ときには少しだけコントロールを手放したりするために。

家族 自分のルーツを忘れないために。

愛 結局のところ、すべてはここに戻ってくると思うから。

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Q. 1日のタイムスケジュールは?

6:00 かなりの早起き。息子と一緒に目を覚まして、朝の静かな時間を過ごす。一日のお気に入りの時間。世界が動き出す前の朝って、すべてが少しゆっくりしていて、とても穏やかなの。

8:30 ピラティスのクラスへ。その後、オフィスへ向かう。移動はほとんど徒歩。とにかくよく歩いて、街とのつながりを感じたい。

10:00 オフィスに着いたら、まずは各チームを回って、それぞれが何に取り組んでいるのかをチェック。何が起きているのか、何に注意が必要なのか、今みんなが何にワクワクしているのか。チームの空気を感じるようにしているわ。

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17:00 午前中はチームと仕事を動かし、そこからスタジオチームとクリエイティブな仕事に集中する。コーヒーはかなり飲むわ。たぶん飲みすぎなくらい(笑)。

18:00 仕事モードから切り替えて、息子を寝かしつけるために急いで帰宅。

19:00 夕食は早めに。夜に余裕があれば、赤ワインを一杯飲むこともある。日々のスケジュールはかなり盛りだくさん。でも、私はそれが好きなの。仕事やクリエイションからもらうエネルギーも必要だし、夜に家族と過ごす静かな時間も必要。そのふたつの間に、自分にとって心地いいリズムを見つけることが大切だと思っている。

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Q. 50代はどんな生き方をしていたい?

「家族と一緒に海のそばで暮らしたい。仕事と、大切な人たちとの時間を行き来しながら、今より少し穏やかでスローな生活と、自分の好奇心やエネルギーを刺激してくれるもの、その両方を持っていたいと思う。50代になってもアクティブでいたいし、プロジェクトを持って、何かをつくり続けて、新しいことを学び続けたい。でも同時に、家族との時間にはきちんとその場に存在していたい。刺激的な人生を自由につくりながら、本当に大切なものを見失わないこと。野心と穏やかさ、動と静、仕事と家族。その間に、自分にとって完璧なバランスを見つけられたらいいなと思っているわ」

photo:CHLOÉ BRUHAT illustration:HELENA ROUX-DESSARPS realization:ELIE INOUE

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