1. トップ
  2. 「お金がないと政治家にはなれない?」「落選した議員って何をしてるの?」前衆議院議員・逢坂誠二さんに聞いてみた【#むちぞん】

「お金がないと政治家にはなれない?」「落選した議員って何をしてるの?」前衆議院議員・逢坂誠二さんに聞いてみた【#むちぞん】

  • 2026.10.21

世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。

情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。

第2回のゲストは、前衆議院議員の逢坂誠二(おおさか・せいじ)さんをお迎えしました。

「落選した議員って、何をしているの?」「逢坂さん自身、実は政治家が嫌い…うさんくさいから?!」など、選挙の裏側と議員のリアルな本音を、ゼロからたっぷり伺いました。

聞き手は、HBC本間吏成(ほんま・りせい)アナウンサーと、報道部の藤田忠士(ふじた・ただし)記者です。

これまでの記事は連載「むちぞん」に掲載しています。

「選挙で落ちればただの人以下」落選議員が直面する過酷な現実

本間アナ)この番組は「むちぞん~無知は損する~」というテーマでお届けしているわけですが、逢坂さんは「無知は損する」と思いますか?

逢坂さん)大幅に損するだろうね。無知と言ってもいろいろあるけれど、社会の基本的なことを学んでおくのはすごく大事。難しい議論を知っているとか知らないとかじゃなくて、例えば「税金って何なのか」とか「憲法ってどういう役割を果たすものなのか」といった基本的なことは、みんな知っておくべきだと思うな。それが生きていく上での土台になるし、制度や仕組みを利用するときにも、そうした基礎的なことを知っているからこそ、利活用できるわけだからね。だから知らないと損する場面は多いと思うよ。

本間アナ)今回は、さきの衆院選でなぜ中道が負けてしまったのか、そして、選挙とはどういうものなのかというところを深掘りしていきたいのですが…。

逢坂さん)中道が、なぜ負けたのかを知らなくても損しないと思うけど(笑)、なぜ、今回のような結果になったのか、選挙とはどういうものかを知ることは、意味があることだと思う。

Sitakke

本間アナ)まず一番気になるのが、選挙で受かった人、当選した人は、国会で活動している姿がニュースなどで報じられますけれど、落選した議員は、普段どういった活動をしているのかって、あまり知られていないんじゃないかなと思うんですよね。逢坂さんは今、どういった活動をされているんですか?

逢坂さん)選挙で落ちればもう「ただの人以下」なので、大変過酷な状況が待っていますね。政治家以外の仕事をしていなかったので、一気に無収入になるわけですよ。それから政治の活動費も、いわゆる旧文通費と言われるものもまったく来なくなるから、活動費もない、収入もないという中なので、相当厳しいのは事実なんですね。

本間アナ)一気にですか……!

逢坂さん)ただ、私は次の選挙で何としても復活したいと思ってやっているので、国会議員であったときと今とで、地元の活動はほぼ変わらないですね。朝は街頭に立つ、自分のニュースを作って配って歩く、それから、街頭に立って「おしゃべり会」というのをやっています。自分の話だけをするんじゃなくて、通りがかりの人からいろんな話を聞くとか、あるいは会場を準備して、不特定多数の人にお越しいただいてディスカッションをするとか。それからSNSの活動も、YouTube、Instagram、TikTok、毎朝のメールマガジンもやっていますし、活動自体は今も頻繁にやっていますね。

本間アナ)じゃあ、国会議員だったときと活動内容自体はそこまで変わらず、ただSNSに割ける時間ができたという感じですか?

逢坂さん)そうですね。SNSは自分1人でやっているので、国会議員だったときは、なかなか手が回らなかったけれど、多少その時間は前より割けるようになったね。ただ問題なのは、動画の編集とかで、これは、さすがに自分でそこまで時間をかけてやれないので、誰か手伝ってくれる人がいたら、すごく助かるんだけどね(笑)。

落選議員の活動費は年間2000万!?

Sitakke

藤田記者)活動していく中でも、もちろんお金がかかってきますよね。

逢坂さん)むちゃくちゃかかりますね。北海道の場合は、特に選挙区が広いので、1カ所にとどまっていればいいというわけじゃないんですね。私の選挙区は北海道8区で、全国300の小選挙区の中で7番目か8番目に広いんですよ。

本間アナ)はあー!

逢坂さん)だから当然、自動車も必要ですし、私が回れないところをまわる秘書も必要ですし、本当は事務所だって、1箇所じゃなくて複数箇所に設けたいのが本音なんですよね。だから、その活動を維持するためのお金というのは、相当かかりますね。

藤田記者)具体的には、どれくらいかかるものなんですか?

逢坂さん)ざっくり言うと、年間で大体2000万円ですね。

本間アナ)ええっ!

Sitakke

逢坂さん)事務所を設けて、そこにコピー機やコンピューター、自動車を置くわけでしょ。さらに、ニュースを印刷するお金も必要、ポスターも作らなきゃいけない。秘書さんが仮に2人いるとすれば、給料以外に、社会保険の事業主負担もしなきゃいけないわけだから、人件費だけで数百万円にはなるわけです。そこに、自動車やコピー代などを考えたら、年間2000万近くいきますね。国会議員のときは、文通費と言われるものが月100万円ずつ来ていたので、それを充てていたわけですが、なくなっちゃったので苦しいですね。

藤田記者)今のお話を聞いていると、なかなか採算が合わないというか……逢坂さんは、それをどうやってまかなっているんですか?

逢坂さん)これまでの活動の中で多少の蓄えがあったので、それを使いながらやっているのと、そこが尽きてくると活動が難しくなるんですよね。だから落選してすぐ、東京で私が講師になって勉強会を開きまして、お金を払って来てくださる方に活動費をご負担いただいたり。それから個人献金ですね。ネットやリアルで皆さんにお願いをして活動費を確保しないと難しいですね。

お金がある人だけが政治活動ができる?

逢坂さん)生活費に関しては、私は実際に薬剤師として働いたことはないんですが、資格を持っているんですね。国会議員時代も薬系の仕事を相当やっていたので、薬系の団体が「それじゃあ逢坂さん、次、当選するまで少ない額だけれども足しにしてください」と顧問料として月に4万~5万円ほどいただいて、生活を何とか維持しながら活動も維持しているという感じですね。お金という意味ではすごく現実的だけれど、相当深刻ですよ。

本間アナ)ほかの落選議員もそうなんですか?

逢坂さん)そうだと思いますよ。資産がある人は別ですが、フルタイムで仕事をしたら政治活動ができなくなってしまうし。ただ、政治活動ってお金がある人だけができるのかというと、そうではないと思うし、なんとか工面している感じかな。

Sitakke

藤田記者)食費を減らしたり、切り詰めたりしているんですか?

逢坂さん)ちょっと恥ずかしい話なんだけど、函館にいて、いつも日曜日に行っていた、行きつけのお店に行く回数が激減しましたね。2月以降で2回くらいしか行ってないかな。コンビニのカップラーメンやコンビニ弁当に変わったりというのは、現実として間違いなくありますよ。それがリアルの生活ですね。

本間アナ)それが落選議員のリアルな生活なんですね…。

逢坂さん)多分多くの国民の皆さんは知らないと思うんですが、国会議員って「議員年金」というのが、実は2006年まであったのね。今は議員年金という制度がないので、老後の生活も多くの自営業の国民の皆さんと同じ待遇なんですよ。なんとなく国会議員と言ったら老後も安泰だろうと思うかもしれないけれど、そんなことはなくて。私は初当選が2005年なので、1年間だけ掛け金を払って、その掛け金も戻ってこない。これが実態なので、正直言うと老後のことも心配ですよ。

藤田記者)正直、悠々自適なイメージがありました…。

逢坂さん)カツカツですね。毎月100万円の旧文通費をもらっているから悠々自適だろうと思われがちですが、全部事務所の維持のために回るお金ですからね。

「武士は食わねど…」

本間アナ)そうした大変な中で、党からの政治活動支援金も辞退されたとお聞きしたんですが。

逢坂さん)落選したのは全体で100数十名いるわけですが、その中には若い人もいればベテランもいる。でも、今後の政治の将来を考えたら、若い方に頑張ってもらわなきゃならない。私は当選回数の多い部類なので、先んじて活動費をもらうことは控えるべきだなと。それなら若くて、これから頑張りたい人に手厚くやった方がいいんじゃないかと思ってね。「武士は食わねど高楊枝」というような、痩せ我慢みたいなところはあるけれど、そういう思いで辞退しました。

Sitakke

藤田記者)政党交付金の金額で見ても、4月に支払われた初回分で、自民党が38.4億円、立憲民主党が7.79億円、日本維新の会が7.03億円、国民民主党が6.78億円、中道が5.84億円となっています。この金額も党の力を示すひとつですが、議席数が少なくなれば、党自体も弱体化していく構図があるのでしょうか?

逢坂さん)まったくその通りで、政党交付金は議員数に応じて配分されるので、議員数が減れば、入ってくるお金も少なくなる。例えば落選議員が100人いて、次も挑戦しようとすると、少ない政党交付金の中から、大勢の活動費を賄わなければならないわけです。仮に50万円の活動費を100人に払うと、年間で6億円。政党交付金が、そのまま消えてしまう計算になります。でも政党は、職員も雇わなければいけないし、政策調査も必要だから、すべてを活動費に回せるわけではない。落選議員が増えると、政党としては、むちゃくちゃ大変になるんですよ。

本間アナ)そうすると結局、お金がないと政治家にはなれないのかなと思ってしまうのですが……。

逢坂さん)そこなんですよ。インターネットでの情報発信ひとつ取っても、動画編集、ポスターやパンフレット作成、YouTubeでの広告出稿など、すべてお金がかかる。お金のある政党や個人は有利になるわけです。でも政治こそ、お金のあるなしに関係なく、誰もがチャレンジできるようになっていなきゃいけないんじゃないかと思いますね。

次回の記事では、もともと「政治家が嫌いだった」という逢坂さんが、なぜ全国最年少町長(当時)になり、国政へと挑むことになったのかについて深掘りします。

むちぞん~無知は損する~

Sitakke

HBCニュースのYoutubeで動画を公開しています。

HBCアナウンサー・本間吏成

稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。

HBC報道部・藤田忠士

北海道の政治・社会ニュースを中心に取材を担当。

ゲスト:逢坂誠二さん(前衆議院議員)

1959年北海道ニセコ町生まれ。北海道大学薬学部卒業後、ニセコ町役場に入庁。1994年、35歳でニセコ町長に初当選(当時全国最年少)。2005年衆院選で初当選。内閣総理大臣補佐官などを歴任。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は収録時(2026年6月)の解説・議論に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ