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「最初から交換してくれればいいのにね」新幹線で窓側の指定席を譲った私。降りる直前、年配の女性がかけた一言

  • 2026.10.22
「最初から交換してくれればいいのにね」新幹線で窓側の指定席を譲った私。降りる直前、年配の女性がかけた一言

自分で選んだ窓側の指定席

連休に、ひとりで新幹線に乗ったときのことです。

指定席の車両は混み合い、空席は見当たりませんでした。私は事前に予約していた、2人掛けの窓側の席に座っていました。

隣の通路側には、若い男性が座っていました。

発車してまもなく、その男性が席を立ち、しばらくして連れの女性と一緒に戻ってきました。

女性は通路に立ち、少し困ったような顔で私に声をかけました。

「すみません。席を代わってもらえませんか?」

話を聞くと、2人は離れた席になってしまったようです。

女性の席は、同じ車両の後ろのほうにあるといいます。

男性も横から口を開きました。

「できれば、お願いしたいんですけど…」

私は少し迷いました。

ただ、窓側に座りたくて、わざわざ選んだ指定席です。

「すみません。窓側がよくて取った席なので…」

そう伝えると、男性の表情が変わりました。

男性は私の隣にどさりと腰を下ろすと、大きく舌打ちをしました。そして、ひざをせわしなく揺らし始めたのです。

座席にまで振動が伝わってきて、落ち着きません。

女性も通路に立ったまま、黙って私を見つめていました。

断っただけなのに、どうしてこんな気まずい思いをしなければならないのでしょうか。

これ以上この席に座っているのがつらくなり、私は荷物を抱えました。

「……分かりました。代わります」

席を譲ったあとに聞こえた陰口

私が通路に出ると、女性は窓側に座り、男性もその隣に落ち着きました。

私は女性が座っていた後方の席へ向かいました。

そのとき、背中に女性の声が届いたのです。

「最初から交換してくれればいいのにね〜」

思わず足が止まりそうになりました。

さらに、女性は男性に向かって言いました。

「ケチだよね〜」

男性は小さく鼻で笑いました。

席を譲ったのに、お礼どころか文句を言われるなんて。

悔しくて言い返したくなりましたが、これ以上関わりたくありませんでした。

私は後方の席に座り、ひざの上に置いた荷物をぎゅっと握りしめました。

降りる直前、年配の女性がかけた言葉

しばらくして、車内に到着の案内が流れました。

先ほどの2人は網棚から大きな荷物を下ろし、降りるために通路へ出てきました。

すると、通路を挟んだ席に座っていた年配の女性が、2人を見上げて声をかけたのです。

「あなたたち、代わってもらったなら、まずお礼でしょう」

落ち着いた口調でしたが、その声は後方に座っていた私のところにも届きました。

男性は驚いたように立ち止まりました。

「え、いや、それは……」

すると、年配の女性は続けました。

「ケチだなんて、聞こえていましたよ」

その言葉を聞いて、私ははっとしました。

私が席を譲ったあとのやり取りを、近くの乗客も聞いていたのです。

周囲の乗客の中には、静かにうなずいている人もいました。

若い女性は気まずそうに視線を落とし、男性も荷物の取っ手を握ったまま、何も言い返せません。

2人はそのまま、足早にデッキへ向かっていきました。

やがてドアが閉まると、年配の女性が後ろを振り返りました。

私と目が合うと、にっこり笑って声をかけてくれたのです。

「ゆずってあげて、えらかったわね」

その一言で、ずっと胸につかえていたものが少し軽くなりました。

私は小さく頭を下げました。

窓の外では、ホームがゆっくりと遠ざかっていきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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