1. トップ
  2. エピソード
  3. 「箸がないせいで食べられなかった時間を返せよ」コンビニのレジで怒鳴り続けた男性客。だが、店長が落ち着いて返した言葉

「箸がないせいで食べられなかった時間を返せよ」コンビニのレジで怒鳴り続けた男性客。だが、店長が落ち着いて返した言葉

  • 2026.10.22

箸が入っていないと戻ってきた男性客

大学生のころ、私は夜のコンビニでレジのアルバイトをしていました。

その夜も、お弁当を温めては袋に詰め、次のお客様のお会計へと移る忙しい時間を過ごしていました。

しばらくすると、先ほどお弁当と飲み物を買っていった男性客が戻ってきました。

男性はレジのカウンターに袋を置くと、中を見せながら不機嫌そうに言いました。

「ちょっと、箸が入ってないんだけど」

私は慌てて頭を下げました。

「あっ、申し訳ありません!すぐにお渡しします」

レジ横から箸を取り、男性に差し出しました。

「大変失礼いたしました。こちらの確認不足です」

ところが、男性は箸を受け取っても帰ろうとしません。

眉間にしわを寄せたまま、私をにらんでいます。

「普通、言われなくても入れるだろ。教育どうなってんの?」

入れ忘れたのは私のミスです。言い返すこともできず、もう一度頭を下げました。

しかし、男性の怒りはそれだけでは収まりませんでした。

5人ほどの列の前で、店長が告げたこと

「こっちはわざわざ戻ってきてんだぞ!」

男性はお弁当の袋を持ち上げ、私の目の前で揺らしました。

「箸がないせいで食べられなかった時間を返せよ!」

その言葉に、私は返事ができなくなりました。

箸を入れ忘れたことは謝るしかありません。でも、過ぎてしまった時間を返せと言われても、どうすればいいのか分かりません。

「本当に申し訳ございません…」

声を絞り出して謝りましたが、男性はますます声を荒らげます。

気づけば、男性の後ろには5人ほどのお客様が商品を持って並んでいました。

皆さん、困った様子で会計が進むのを待っています。

そのとき、奥の事務所から店長が出てきました。

店長は私の隣に立つと、男性に向かって落ち着いた声で話し始めました。

「お客様、お箸を入れ忘れたのは、こちらのミスです。本当に申し訳ありません」

男性は鼻で笑いました。

「だからさ、謝れば済むと思ってんの?」

店長は声を荒らげることなく、続けました。

「ご迷惑をおかけしたことはお詫びします。ただ、お箸はお渡ししましたし、ほかのお客様もお待ちです。これ以上の対応はできません」

男性は何か言い返そうとしましたが、店長は落ち着いたままです。

やがて男性が後ろを振り返ると、並んでいたお客様たちの視線が集まっていました。

男性は一瞬言葉に詰まり、顔を赤くしました。

そして、大きく舌打ちをすると、お弁当の袋をつかんで店を出ていったのです。

自動ドアが閉まると、列のほうから小さなため息が聞こえました。

「大丈夫。次のお客様、お願いします」

店長にそう声をかけられ、私はようやく顔を上げました。

店長が事務所に戻ると、列の先頭にいた女性がレジへ進み、優しく笑いかけてくれました。

「大変でしたね。お箸、忘れずにお願いしますね」

「はい!今度はちゃんと確認します」

思わず笑顔になり、女性も笑ってくれました。

もちろん、箸を入れ忘れた私にも反省すべき点があります。それでも、あの場で店長が間に入ってくれたことには、本当に救われました。

しばらくはレジに立つのが少し怖かったものの、箸を入れるたびに思い出したのは、男性の怒鳴り声ではなく、店長の落ち着いた横顔でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ