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「教育がなってないんだよ!」レジで10分ほど怒鳴り続けた男性客。だが、店員が差し出した卵のパックに言葉を失った瞬間

  • 2026.10.21

レジ台に響いた大きな音

休日の午後、近所のスーパーで買い物をしていたときのことです。

食品レジには長い列ができていて、なかなか順番が回ってきません。

私のすぐ前に並んでいた中年の男性は、何度も腕時計を見ては、大きなため息をついていました。

「どんだけ待たせるんだよ」

男性は周囲にも聞こえる声でつぶやき、いら立ちを隠そうとしません。

ようやく男性の番になると、商品が山盛りになった買い物かごを、レジ台に勢いよく置きました。

ガタンッ!

思わず私も肩をすくめるほどの音でした。

若い女性の店員さんは驚いた様子でしたが、すぐに商品を通し始めました。

ところが、かごの上のほうにあった野菜を取り出したときです。

「おい、もっと丁寧に扱えよ!卵が割れたらどうするんだ!」

突然、男性が怒鳴り始めました。

店員さんはまだ卵に触れていません。

それでも男性は、商品を乱暴に扱われたと言わんばかりの勢いです。

「大変申し訳ございません」

「謝って済むと思うな。教育がなってないんだよ!」

店員さんが謝っても、男性の怒りは収まりません。

「ただいま責任者を呼んでおりますので…」

「いつまで待たせる気だ!」

休日の混雑もあってか、店長はなかなか来ません。男性が大きな声で文句を言い続けるなか、レジは止まったまま、10分ほどが過ぎていました。

後ろのお客さんたちは顔を見合わせ、何人かは別のレジへ移っていきます。

私も何か言いたかったのですが、店員さんの手が震えているのを見て、言葉が出ませんでした。

かごの底から出てきたパック

すると男性は、レジ台のかごを指でたたきながら言いました。

「卵だよ、卵。割れてないか今すぐ確かめろ」

店員さんは小さくうなずき、かごの底に手を伸ばしました。

そして、卵のパックを取り出した瞬間、動きが止まりました。

透明なふたの内側では、いくつもの卵が割れ、黄身がにじんでいたのです。

卵を取り出したあとのかごの底にも、ぬれた跡が残っていました。

「あの……お客様。卵が割れています」

店員さんはパックを男性のほうへ向け、静かに見せました。

「えっ……」

男性は卵を見つめたまま、口を閉じました。

私は、男性が最初にかごを勢いよく置いたときの大きな音を思い出しました。

もちろん、卵がいつ割れたのかは分かりません。ただ、少なくとも店員さんが卵を取り出す前から、パックはかごの底にあったのです。

そこへ、ようやく店長が駆けつけました。

店長は割れた卵とかごの底を確認し、店員に状況確認したあと、落ち着いた声で男性に伝えました。

「新しい卵とお取り替えいたします。ただ、かごはそっと置いていただけると助かります」

男性は何か言いかけたようでしたが、結局、何も言い返しませんでした。

新しい卵を受け取ると、黙って会計を済ませ、誰とも目を合わせずに足早に店を出ていきました。

ようやく私の番になりました。

「大変でしたね」

そう声をかけてかごを差し出すと、店員さんは小さく会釈をしてくれました。

まだ少し震える手で、私のかごをそっとレジ台に置く姿が、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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