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隈研吾が手掛けた、美しいホテル・宿14

  • 2026.10.20
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建築を訪ねる旅なら、そこに泊まり、その空間をじっくり味わってみたい。日本を代表する建築家・隈研吾が手掛けたホテルや旅館には、歴史ある街並みに寄り添うホテルから、地域の素材を取り入れた温泉宿まで、さまざまな建築がある。自然や文化、そこに暮らす人々との関わりから生まれる、隈研吾ならではの建築表現にも注目したい。


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Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS/新潟県

2022年、新潟県三条市に開業した「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」は、「スノーピーク」として初となる温浴施設を中心とした複合型リゾート。日本三百名山のひとつ、粟ヶ岳を正面に望むロケーションに、スパ、宿泊施設、レストランなどが一体となっている。

印象的な外観は、粟ヶ岳の優雅な稜線を思わせる屋根が連なり、軒をキャンプライフの象徴である薪が覆う。約2万本の薪が建物の内外へシームレスにつながり、独特の野性的な表情を生み出している。

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宿泊は、ヴィラ棟のほか、森の中に佇む大型ストレッチテントの「Field Villa」、モバイルハウス「住箱」から、人数や過ごし方に合わせて選ぶことができる。

ヴィラには、キッチンや専用デッキ、外風呂を備えた「Villa suite|Earth」と、森林に面した「Villa junior suite|Forest / Snow」の2タイプを用意。天井を覆う薪や大きなガラス窓によって内と外の境界を曖昧にし、室内にいながら四季の移ろいを身近に感じられる空間となっている。

<写真>Villa junior suite|Forest / Snow

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一方の「住箱」は、隈研吾と「スノーピーク」が、室内空間と屋外との関係性にこだわって共同開発したモバイルハウス。外の景色を借景のように切り取る窓を備え、コンパクトな空間だからこそ、外へ出て過ごす時間と、室内で寛ぐ時間の両方を楽しめる。キャンプとはまた異なるスタイルで、自然を身近に感じる滞在を提案している。

<写真>住箱

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滞在中は、「Restaurant雪峰」で食事を味わい、施設限定のアイテムを探すのも楽しみのひとつ。併設のキャンプフィールドでアウトドアを楽しんだり、粟ヶ岳を望む温泉やサウナで過ごしたりと、「スノーピーク」ならではの「野遊び」をさまざまな形で体験できる。日常から少し離れ、豊かな自然の中で思い思いの時間を過ごしたい。

<写真>「Restaurant雪峰」。粟ヶ岳の豊かな自然を感じられる開放的な空間。

Snow Peak FIELD SUITE SPA
新潟県三条市中野原456-1

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ATAMI 海峯楼/静岡県

相模湾を望む熱海の高台に立つ、4室のスモールラグジュアリーリゾート「ATAMI 海峯楼」。隈研吾が設計し、1995年に竣工した『水/ガラス』を、現在は宿として楽しむことができる。建物の海側には大きなガラスの壁と水盤が配され、周囲の海や空を映し込みながら、建築と風景の境界を曖昧にしている。

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エントランスから館内へ進むと、ガラス作家・狩野智宏によるアートが随所に配され、海を望む空間に彩りを添える。1階の大広間「楽精庵」には、版画家・徳力富吉郎による松と波を描いた金襖絵も。ガラスや水を取り入れた建築に、アートや日本的な意匠が重なり、印象的な空間をつくり出している。

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建物の海側に設けられた「ウォーターバルコニー」は、「水/ガラス」を象徴する空間。海に向かって張り出すガラスの空間が水面に浮かぶように佇み、相模湾を間近に望むことができる。

ラグジュアリースイート「誠波」「風科」の宿泊者は、ここで食事を楽しむことも。海を間近に感じながら、伊豆近海の魚介や旬の食材を使った日本料理を味わう時間は、この宿ならではの体験となっている。

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客室は、ラグジュアリースイート「誠波」「風科」、和室「爽和」、洋室「尚山」の4室。すべての客室から相模湾を望み、それぞれ趣の異なる空間で滞在を楽しめる。なかでも「誠波」には、海を望むインフィニティの水盤と専用の海と一体になれる天然温泉を用意。海を眺めながら食事を味わったり、温泉でゆっくりと過ごしたりと、喧騒から離れた静かな時間に浸りたい。

<写真>ラグジュアリースイート「誠波」。

ATAMI 海峯楼
静岡県熱海市春日町8-33

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東京エディション虎ノ門/東京都

2020年、東京・虎ノ門の高層複合施設「東京ワールドゲート」に開業した「東京エディション虎ノ門」。ホテルは31〜36階に位置し、地上約140mの31階にはロビーやレストラン、バーなどの共用空間が広がる。

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隈研吾は、EDITIONのクリエイティブディレクターを務めたイアン・シュレーガーとともに、都市の高層階にありながら「森にいるようなインティメイトな空間」を目指したという。オークやウォルナット、和紙、ライムストーンなど、場所ごとに異なる自然素材を用いることで、和と西洋のエッセンスを融合。東京の高層ホテルに、温かみのある落ち着いた空間をつくり出している。

<写真>31階のロビー。25種・500点以上の植物が配され、東京タワーを望む大きな窓とともに、都会の中に緑豊かな風景を描く。

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客室は42㎡からとゆとりのあるつくりで、ホワイトステインドオークの床や壁に、オリジナル家具や照明を組み合わせたシンプルなインテリアが特徴。すべての客室から東京のスカイラインを望むことができ、15室には家具付きのプライベートテラスを備える。日本の屏風に着想を得た金箔のアートも、空間にさりげない和の趣を添えている。

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館内には、東京タワーを望むテラスを備えたシグネチャーレストラン「The Jade Room + Garden Terrace」や鮮やかなブルーの内装が目を引くレストラン「The Blue Room」、ロビーラウンジの「Lobby Bar」のほか、1階には「Gold Bar at EDITION」も。昼と夜で異なる表情を見せる東京を、食とドリンクとともに味わうことができる。

<写真>「Gold Bar at EDITION」。日本の焼杉から着想を得た黒を基調に、ゴールドの要素を重ねた空間が広がる。木曜から土曜の夜にはDJによるプレイも楽しめる。

東京エディション虎ノ門
東京都港区虎ノ門4-1-1

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ONE@Tokyo by insomnia/東京都

東京スカイツリーの足元、押上駅から徒歩3分の場所に立つ「ONE@Tokyo by insomnia」。2017年に開業した「ONE@Tokyo」を2025年10月2日にリブランドしたホテルで、全142室・地上10階建て。押上の街を巡る旅の拠点となっている。

<写真>外観。かつて軽工業を中心に発展した街の町工場の風景に着想を得て、押出セメント板と木の板を組み合わせたファサードが印象的。

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江戸から続く下町の趣と、東京スカイツリーをはじめとする新しい都市の風景が交差する押上。この土地の歴史や街の風景を背景に、隈研吾は外観とインテリアのデザイン監修を手掛けた。館内にも構造をあえて見せた天井や構造用合板を取り入れ、無機質な工業素材と自然素材を組み合わせている。

<写真>1階。レセプション、レストラン、バーをひとつの古材カウンターでつなぎ、大きな建具を開けると、前面の路地とロビーが一体となる構成に。

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全142室の客室は、6つのタイプを用意。芸術家のアトリエをイメージした「アトリエスイート」や、読書家のためのプライベートな書斎をイメージした「ライブラリースイート」のほか、東京スカイツリーを望む大開口を備えたデラックスツイン、デラックスキングなどがある。客室ごとに異なる過ごし方を想定した、多彩な空間構成も魅力だ。

<写真>アトリエスイート。56㎡の空間に、大きなテーブルやシアター設備を備える。

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館内には24時間利用できるラウンジを備え、フリードリンクやスナックとともに、自宅のリビングのように自由な時間を過ごせる。さらに、木々や緑に囲まれた屋上のルーフトップでは、東京スカイツリーを望む180度のパノラマビューを楽しめる。

ホテルを起点に路地を歩き、下町の風景や東京の新しいカルチャーに出会う。そんな街歩きと一体になった東京の過ごし方を提案している。

ONE@Tokyo by insomni
東京都墨田区押上 1-19-3

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紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良/奈良県

奈良公園の西端、若草山を望む緑豊かな場所に佇む「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」。1922年に建てられた旧奈良県知事公舎と、隣接する吉城園の歴史的な環境を生かして、2023年8月に開業した。

隈研吾は、既存の木造建築や日本庭園の趣を生かしながら、公園の緑に静かに溶け込むホテルへと再生。コンクリートの閉じた建物ではなく、周囲の環境や時間の継承を重視したデザインを目指した。

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インテリアには、奈良の文化に通じる意匠や伝統工芸の技術を取り入れ、古代から続く奈良の時間と現代の快適さをつないでいる。

ホテルのメイン棟には、旧奈良県知事公舎を活用。なかでも、1951年11月に昭和天皇がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に署名した「御認証の間」は、当時の円卓や椅子、調度品などを残しながら、歴史を伝える場所として受け継がれている。

<写真>ラウンジ「寧楽(なら)」

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全43室の客室は、40〜98㎡のゆとりある広さ。それぞれに奈良の伝統工芸の技術を生かしたデザインが施され、天井まで届く窓からは敷地内の庭園や緑を望むことができる。

<写真>プレジデンシャルスイート。98㎡の開放的な空間に、天然温泉の湯を楽しめる風呂を備える。

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23室には温泉風呂または温泉露天風呂を用意。客室から庭園の緑を眺めながら、天然温泉の湯に浸かり、ゆっくりと過ごす時間もこのホテルならではの魅力だ。

滞在中は、ホテルに隣接する吉城園にも足を運びたい。池の庭、苔の庭、茶花の庭の3つの庭からなり、春日山や若草山を借景とする日本庭園を散策できる。歴史ある建築と庭園、そして奈良の自然に身を置きながら、古都ならではの時間を満喫しよう。

紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良
奈良県奈良市登大路町62番地

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ふふ 奈良/奈良県

奈良を代表する景観のひとつ、鷺池と浮見堂の南向かいに佇む「ふふ 奈良」。2020年に開業した30室のスモールラグジュアリーリゾートで、隈研吾が外観のデザイン監修を手掛けた。春日山原始林と奈良公園をつなぐ豊かな緑の中で、既存の樹木や竹林をできる限り残しながら、建物と庭を一体として計画している。

<写真>建物と竹林が一体となった外観。既存樹木を残しながら、低く連なる屋根と吉野杉の意匠が周囲の緑に馴染む。

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その根底にあるのが、「庭屋一如」という考え方だ。かつてこの地には、中世から続く寺院の遺構を生かした庭や茶室がつくられ、大正期には文化人が交流する場となっていたという。

隈研吾は、その歴史を受け継ぎ、計画地全体をひとつの庭と捉えた。宿泊棟と鷺池近くの飲食施設を庭園でつなぐことで、もともとあったクスノキや竹林をできるだけ残している。

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客室は全30室、すべて70㎡以上のゆとりある広さ。縁側で過ごす日本の暮らしを現代的に解釈し、掘り込みリビングを備えたタイプなど、5つのスタイルを用意する。墨や古木を思わせる色調に、奈良の伝統工芸や職人の手仕事を取り入れ、各室に異なる表情を与えている。

<写真>掘り込みのリビングを備えた121㎡のふふラグジュアリープレミアムスイート。

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全室に天然温泉の露天風呂を備えているのも特徴。庭の緑を眺め、奈良公園を渡る風や木々の葉音を感じながら、和漢の香りの湯に浸かることもできる。敷地内の庭園を歩いたり、奈良の職人による手仕事に触れたりしながら、建物だけでなく庭や自然そのものを味わいたい。

ふふ 奈良
奈良県奈良市高畑町1184-1

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ホテルロイヤルクラシック大阪/大阪府

大阪・なんばの中心に建つ「ホテルロイヤルクラシック大阪」は、2019年に開業したホテル。かつてこの地に建っていた、村野藤吾設計の「大阪新歌舞伎座」の意匠を受け継ぎながら、隈研吾が現代のホテルとして再構築した建築だ。1958年に完成した大阪新歌舞伎座の象徴だった連続唐破風は、PCとアルミパネルによって現代的に再現され、伝統的な意匠と新しい建築表現をつないでいる。

<写真>外観。村野藤吾による大阪新歌舞伎座の連続唐破風を、PCとアルミパネルで再現。歴史的な意匠を受け継ぎながら、現代的な建築として生まれ変わらせている。

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建物の中央には大きな吹き抜けのような「孔」を設け、なんばの街路と、かつての新歌舞伎座の裏手にあたる「座裏」をつなぐ構成に。館内には客室だけでなく、バンケットやレストラン、ギャラリーなど多様な機能が集まり、街に開かれた複合的な空間をつくり出している。

館内を歩けば、空間ごとに異なる天井の意匠やインテリアに加え、さまざまなアート作品にも出会える。「ミュージアムホテル」を掲げるホテルとして、「具体美術」「現代アート」「ガラスアート」の3カテゴリーから、30名を超える作家の作品を展示。大阪で生まれた前衛芸術運動「具体」の作品も随所に配され、建築とアートを巡りながら館内を楽しめる。

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客室は全150室。スタンダード、プレミアム、スイートの3タイプを基本に、和の趣を取り入れた客室など、それぞれ異なる個性を持つ空間を用意している。なかでも18・19階に設けられた「AUDIOスイート」は全2室、各75.7㎡。高品質な音響設備を備え、大阪の夜景を眺めながら音楽を楽しめる特別な一室だ。

なんばの街を歩き、館内の建築や作品を巡りながら過ごす。そんなミュージアムホテルならではの滞在が叶う。

ホテルロイヤルクラシック大阪
大阪府大阪市中央区難波4-3-3

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カペラ京都/京都府

2026年3月22日、京都・東山区の宮川町に開業した「カペラ京都」。カペラホテルズ&リゾーツの日本初進出となるホテルで、新道小学校跡地に誕生した。宮川町歌舞練場や建仁寺にほど近く、花街の歴史と文化が息づく街並みに寄り添うように、地上4階建ての低層建築が佇んでいる。

建築を手掛けたのは隈研吾建築都市設計事務所、インテリアデザインを担当したのはシンガポールを拠点とするBrewin Design Office。京都の町家に受け継がれてきた奥行きのある空間構成や坪庭の考え方を取り入れ、檜や杉、竹、和紙、陶器など、京都にゆかりのある素材を用いている。細い路地のようなアプローチや、水盤を配した中庭など、街のスケール感や光の移ろいを感じられる空間も特徴だ。

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館内には、京都をはじめ、日本各地にゆかりのある職人、アーティストによる作品やしつらえも随所に取り入れられている。伝統技術を現代的に表現したインテリアと建築が重なり、1200年以上にわたる京都の文化を、素材や光、手仕事を通して感じられる空間となっている。

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全89室の客室は、50㎡以上のゆとりある広さ。デラックス シティルームから、206㎡の「カペラスイート」まで、多彩なタイプを用意する。

なかでも、宮川町歌舞練場を望む「プレミアシアタールーム」や、建仁寺を正面に捉える2室の「祇園スイート」など、宮川町ならではの風景を楽しめる客室も。6室の「温泉スイート」には専用の天然温泉風呂を備え、最上階の「カペラスイート」からは八坂の塔や清水寺、東山の稜線を望むことができる。

<写真>カペラスイート

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食を通じて京都と世界をつなぐのが、シグネチャーレストラン「SoNoMa by SingleThread」。京都・関西の食材とソノマの食文化を組み合わせた料理を提供する。

そして、宮川町の歴史や文化をより深く知ることができるのが、ホテル独自の「Capella Curates」。宮川町歌舞練場での特別鑑賞をはじめ、金継ぎや草履の誂えなど、京都の職人や文化に触れる体験を用意している。街を歩き、食や建築、伝統文化に触れながら、この土地に受け継がれてきた時間を感じる滞在を楽しみたい。

カペラ京都
京都府京都市東山区小松町130

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バンヤンツリー・東山 京都/京都府

京都・東山区、清水寺に近い東山の高台に佇む「バンヤンツリー・東山 京都」。2024年8月20日に開業した、バンヤンツリーにとって日本初のホテルだ。祇園や高台寺などの観光名所へ歩いて行ける一方、竹林や斜面林に囲まれた敷地は静けさに包まれ、街の喧騒から離れた隠れ家のような佇まいを見せている。

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隈研吾は、ホテル全体のデザインコンセプトである「幽玄」を背景に、森と街の境界に建つサンクチュアリとして計画。ファサードの庇には細かな木のルーバーを重ね、エントランスには日本の伝統建築を思わせる大庇を設置。建物の輪郭を細かな部材へと分解することで、周囲の森に溶け込むような表情をつくり出している。

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特に印象的なのが、敷地の奥に設けられた能の趣を現した舞台。屋根や壁を設けず、細かなルーバーだけで構成することで、背後の竹林や空と舞台を一体化。現代的なパフォーマンスや演奏の場としても使われ、建築と自然、伝統文化が重なる場所となっている。

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客室は6タイプ、全52室。客室デザインを手掛けたのは橋本夕紀夫デザインスタジオで、ホテル全体の「幽玄」というコンセプトを踏まえ、世阿弥の『風姿花伝』にある「秘すれば花」をテーマにデザインされている。畳や天然木、和紙などの素材を取り入れながら、金箔やヒバの木を使った浴槽などをアクセントに、静かで奥行きのある空間に仕上げた。客室のうち8室には天然温泉の専用風呂を備え、館内には天然温泉を使った大浴場も用意。

さらに、舞台での能楽や芸妓・舞妓の舞踊鑑賞など、京都の文化に触れる機会も。東山の自然に囲まれながら、建築と伝統文化、温泉をゆっくり堪能できるホテルだ。

バンヤンツリー・東山 京都
京都府京都市東山区清閑寺霊山町7

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エースホテル京都/京都府

京都の中心、烏丸御池駅に直結する複合施設「新風館」に位置する「エースホテル京都」。2020年に開業した、アジア初のエースホテルだ。エースホテルが大切にする「その土地に根付いた場所づくり」と、京都の歴史を受け継ぐ建築が重なる場所でもある。

建築デザイン監修を手掛けた隈研吾は、保存棟と新築棟の間にストリートを通し、さらに東洞院通へとつながる動線を設けることで、ホテルを街から切り離された存在ではなく、京都の街の延長として捉えた。

<写真>1926年に吉田鉄郎が設計した旧京都中央電話局を保存・活用しながら、新築棟を組み合わせた「新風館」。

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ホテルのインテリアは、エースホテルの長年のパートナーであるLAのデザインスタジオ、コミューン・デザインが担当。「East Meets West」をテーマに、日本の伝統や工芸とアメリカ西海岸の感性を融合させた空間が広がる。

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客室は全213室。スタンダードからスイートまで9タイプを揃え、保存棟と新築棟でそれぞれ異なる空間を楽しめる。保存棟には、旧京都中央電話局の外壁や窓枠など、歴史ある建物の意匠を生かした客室も用意。新築棟の客室は、中庭を囲むように配置され、窓から緑を眺めながら過ごせる。

インテリアには、染色家・柚木沙弥郎の作品をはじめ、国内外のアーティストによるアートやオリジナル家具を取り入れ、ターンテーブルやギターを備えた客室も。

<写真>新築棟に位置する「たたみスイート」。畳のリビングスペースを備えた、京都らしい趣を感じる客室。

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館内にはレストランやバー、ポートランド発の「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ」の日本1号店もあり、食事やコーヒーを楽しみながら過ごせる。中庭に面したルーフトップバーや屋上庭園も備え、館内では音楽やアートにまつわるイベントも開催。

ホテルそのものが、京都の街と人、さまざまなカルチャーが交わる場となっている。

エースホテル京都
京都府京都市中京区車屋町245-2(新風館内)

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ITOMACHI HOTEL 0/愛媛県

愛媛県西条市に建つ「ITOMACHI HOTEL 0」は、2023年に開業したホテル。霊峰・石鎚山を源とする伏流水「うちぬき」が豊富に湧く西条の自然環境を背景に、地域の人々が集い、新たな交流が生まれる場を目指してつくられた。

日本のホテルとして初めて、建物の省エネ性能と創エネの取り組みを評価する「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」認証を取得。高断熱化や高効率設備によってエネルギー消費を抑え、屋根に設置した太陽光パネルで発電することで、エネルギー収支の実質ゼロを目指している。

「0」には、エネルギー消費を抑えることに加え、心身をリセットし、新しい暮らしや交流が始まる“起点”という意味が込められている。

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建築を手掛けた隈研吾は、レセプション棟と宿泊棟を分け、その間には西条の「うちぬき」を引き込んだ大きな庭を配置。屋外のリビングやイベントスペースとしても使われるこの庭が、建物と街、人をゆるやかにつないでいる。

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宿泊棟は、気軽な滞在に適した「ホテル棟」と、源泉かけ流し露天風呂付きの離れ「別邸 青山緑水」の2種類。

インテリアとランドスケープを担当したのは、Dugout Architects。愛媛を中心に産出される「伊予青石」の色味を基調に、再生ガラスやジーンズの端材を活用した天板など、地域性と環境への配慮を感じさせる素材を随所に取り入れている。

ホテル棟には全50室の客室に加え、コワーキング&キッチンルームを備える。シングルからファミリー、ビジネス利用まで幅広いニーズに対応し、瀬戸内を訪れるサイクリストにも配慮した、多様な客室構成が特徴だ。

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1日わずか7組限定の「別邸 青山緑水」は、全室に源泉かけ流しの露天風呂を備えた、食と癒しの離れ。伝統と現代が響き合う空間には、和紙織物の壁紙や周桑手すき和紙の障子、砥部焼のオリジナル洗面ボウルなど、愛媛の素材を随所に採用。地域の伝統を生かした趣ある空間で、日常を離れた上質なひとときを過ごせる。

ホテルでの滞在にとどまらず、敷地内にはマルシェやレストランも併設。「いとまち」という街全体を楽しむ「まち泊」を提案し、地域の人々との交流が生まれる場にもなっている。

ITOMACHI HOTEL 0
愛媛県西条市朔日市250-7

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オリーブベイホテル/長崎県

長崎県西海市・大島の入り江に佇む「オリーブベイホテル」。2013年に開業した、全32室のリゾートホテルだ。紺碧の海と緑豊かな森に囲まれた小さな湾を望み、島の自然を身近に感じながら静かな時間を過ごせる場所としてつくられている。

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隈研吾は、入り組んだ海岸線の奥に広がる湾と周囲の自然をひとつの風景として捉え、建物そのものを景色を切り取る「額縁」のようにデザインした。建築の内側に入り込むほど、目の前の風景が主役になる構成も印象的だ。

<写真>白い石材をプリーツ状に連ねたファサード。細かな凹凸が光を受けて陰影を生み、海と森を望む建物に独特の表情を与えている。

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インテリアを手掛けたのはGA Design International。和紙を使った照明や陶板レリーフ、絵画、彫刻などのアートを随所に配し、自然を望む静かな空間に日本らしい素材や手仕事の趣を添えている。

客室は全室がベイビュー。大きなガラス越しにオリーブ湾と森を望み、テラスからも刻々と変化する海の景色を眺められる。一部の客室にはビューバスを備え、約110㎡のプレミア・スイートでは、広々としたリビングやテラスをゆったりと使うことができる。ホテルで唯一の和室「ジャパニーズ・スイート」も用意されている。

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滞在中は、海を望むレストラン「オリーブ」で、長崎・西海の旬の食材を使った料理を味わいたい。庭園の散策やプール、クルージングなど、島の自然を感じるアクティビティも楽しめる。夜は、和紙を使った曲線的な照明と柔らかな光に包まれたバー「山吹」で、静かな時間を過ごすのもいい。

オリーブベイホテル
長崎県西海市大島町1577-8

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鍋島オーベルジュ 別邸/佐賀県

佐賀県鹿島市、重要伝統的建造物群保存地区・肥前浜宿に広がる「鍋島オーベルジュ」。日本酒「鍋島」を醸す富久千代酒造が手掛ける、日本初の酒蔵オーベルジュだ。江戸時代から酒造りが盛んだった肥前浜宿に、4棟の一棟貸しの宿泊棟と日本料理店「草庵鍋島」を展開。宿から食事へと町を歩くことそのものが、滞在の一部となっている。

その新たな拠点として2025年に加わったのが「別邸」。酒蔵通りの入口に位置する歴史ある木造建築を、隈研吾建築都市設計事務所が改修した一棟貸しの宿だ。

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客室は2階に設けられた一日一組、2名限定のプライベートな空間。かつての商家の趣を残しながら、現代的な家具や照明を取り入れた和モダンのしつらえで、リビングには日本酒「鍋島」を常備したミニバーも備える。

<写真>2階の客室。既存の木組みや土壁を生かしながら、現代的な素材や家具を取り入れている。

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空間のなかでも目を引くのが、隈研吾建築都市設計事務所によるオリジナルの照明。酒造りの現場に立ち込める湯気や香りをイメージし、伝統的な組子の技法を用いてつくられた円形の照明を天井に浮かべている。時間を重ねた木組みと現代的なデザインが対比され、古い建物に新たな表情を添えている。

<写真>1階のラウンジスペース。和紙と網代の白が空間を柔らかく包み込む。

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夕食は本邸にある日本料理店「草庵鍋島」へ。ミシュラン三つ星店「神楽坂 石かわ」などで研鑽を積んだ料理長による日本料理と、オーベルジュ限定を含む20種類以上の「鍋島」から料理に合わせて選ばれる日本酒のペアリングを味わえる。

歴史ある町を歩き、料理と日本酒を味わう。肥前浜宿に受け継がれてきた酒造りの文化を、滞在そのものを通して感じられる宿だ。

鍋島オーベルジュ 別邸
別邸:佐賀県鹿島市古枝甲125

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界 由布院/大分県

大分県・由布院温泉に建つ「界 由布院」は、2022年に開業した星野リゾートの温泉旅館。由布岳を望む山間の敷地には、かつてこの地にあった棚田を生かし、宿の中心に据えている。昭和半ばまで田畑や牧野が広がっていた由布院の原風景を受け継ぎ、稲作の季節とともに表情を変える風景を、滞在の一部として味わえる場所だ。

隈研吾は、棚田を囲むように低層の建物を分棟配置し、その周囲に木造の離れを点在させた。

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館内は、「上質な農家」をキーワードに、農家の空間構成である「たたき」「板間」「座敷」を現代的に再構成。内装には、稲や藁、米をはじめ、日田杉、大分の竹、国東半島の七島藺など、棚田や大分にゆかりのある素材をふんだんに使用している。砂漆喰の壁や坪庭など、農家の暮らしを思わせるしつらえも随所に取り入れ、土地の風景と文化を館内へとつないでいる。

<写真>フロントロビー。「たたき」をイメージした土や砂利、石灰を混ぜた床に、かまどを思わせる丸いカウンターを配している。

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全45室の客室は、すべて由布院の文化を取り入れたご当地部屋「蛍かごの間」。国東半島の七島藺を使った「蛍かご照明」が、初夏に水辺で淡い光を放つ蛍を思わせる。竹細工を取り入れた家具や設えも印象的で、2タイプの離れでは、棚田やくぬぎ林を間近に感じながら過ごせる。

<写真>蛍かごの間

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温泉は、由布岳を望む露天風呂と、あつ湯・ぬる湯を備えた大浴場。露天風呂には寝湯も設けられ、季節の風を感じながら湯に浸かることができる。

夕食には、猪や鹿など山の恵みを取り入れた会席料理も用意。棚田の移ろいを眺め、湯に浸かり、土地の味を楽しむ。由布院に残る農村の原風景を、五感でたどるような時間を過ごそう。

界 由布院
大分県由布市湯布院町川上398

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