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「なんで最後まで本気で走らなかったの!」運動会で息子を叱りつけた母親。だが、担任の先生が見ていた理由

  • 2026.10.19

ゴールのそばで響いた大きな声

よく晴れた日、幼稚園の運動会に参加したときのことです。

私はわが子の出番を待ちながら、かけっこのゴールから少し離れた場所に立っていました。

すぐ近くには、ビデオカメラを構えたお母さんがいました。小さな画面には、年長組の息子さんが大きく映っています。

いよいよ競技が始まると、その男の子は勢いよく飛び出し、先頭を走っていました。

ところが、すぐ後ろを走っていた友だちが転んでしまったのです。

男の子は足を止めて振り返りました。そして、友だちが立ち上がるのを待ってから、もう一度走り出したのです。

その様子を見て、私は思わず胸が温かくなりました。

しかし、近くのお母さんはカメラの画面に夢中でした。息子さんだけを大きく映していたため、友だちが転んだことには気づいていないようです。

「ちょっと、なんで止まるのよ…」

画面を見つめながら、いら立った声を漏らしました。

男の子は結局、いちばん最後にゴールしました。

すると、お母さんはカメラを下ろし、ゴールのそばへ駆け寄りました。

「なんで最後まで本気で走らなかったの!」

突然の大声に、周囲の保護者たちが振り向きます。

男の子は肩をすぼめ、泣きそうな顔で立っていました。

「あんなに練習したでしょ!お母さん、恥ずかしかったんだからね」

その言葉に、私まで胸が苦しくなりました。

隣にいたお母さんも、困ったような顔でつぶやきます。

「そんなに怒らなくても…」

男の子が足を止めた理由を知っているだけに、私は何とも言えない気持ちで見守っていました。

先生が見ていた、男の子の本当の姿

すると、男の子が涙をこらえながら、小さな声で言いました。

「だって…ころんだ子をまってたんだもん」

「……え?」

お母さんは驚いたように息子さんを見つめ、言葉を失いました。

ちょうどそのとき、エプロン姿の担任の先生がやってきました。

先生は男の子の前にしゃがみ、そっと頭をなでながら声をかけました。

「先生、ちゃんと見てたよ。お友だちが立つまで待っててくれたんだね」

そして、にっこり笑って続けました。

「優しかったね。先生、うれしかったよ」

その言葉は、近くにいた保護者たちにも聞こえていました。

すると、周囲から自然と拍手が起こりました。

そこへ、転んだ子のお母さんも駆け寄ってきて、男の子に頭を下げました。

「待っててくれて、ありがとうね」

男の子が少し照れたような顔をした、そのときです。

後ろの列から、ぽつりと声が聞こえました。

「お母さん、見てなかったのね」

さっきまで大きな声で叱っていたお母さんは、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。

カメラを握りしめたまま、しばらく動きません。

やがて男の子の頭にそっと手を伸ばし、ぎこちなくなでました。

男の子はようやく顔を上げ、少しだけ笑いました。

その様子を見て、私もほっとしました。気づけば、周りの保護者と一緒に拍手を送っていました。

先生は次の組を呼びに戻っていきました。

勝ち負けだけでは分からない、子どもの優しさがあります。

あの日、男の子の行動をきちんと見て、言葉にしてくれた先生の姿が、今でも心に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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