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「兄の家は家族の拠点でしょ?」そう当然のように言った義妹に、私が返した「じゃあ固定資産税も家族でね」

  • 2026.10.18
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結婚して初めて持った自分たちの家なのに、気づけば義妹・由里(仮名)のものになりかけていた。夫は「妹だから」と笑って流す。でも私には、笑えなかった。

「家族の拠点なんだから合鍵くれない?」

引っ越しの段ボールをまだ片づけていた週末、由里が夫と一緒に新居に来た。

「いやー広いじゃん!ここ、家族で使える感じだよね」

最初はその一言だけだった。でも帰り際に、由里はさらっと言った。

「合鍵、一本もらっていいかな。兄の家なんだから、家族の拠点でしょ?」

夫が「まあいいんじゃないか」と私を見た。私は「少し待って」と言って、その日は保留にした。

あとで聞くと、由里は実家で母から「お兄ちゃんの家なんだから、困ったときは頼っていいのよ」と言われていたらしい。それを由里は「好きに使っていい」と受け取ったようだった。

でもおかしい、とは思っていた。合鍵を渡す理由がない。私たちの家は、夫と私が頭金を出し、二人でローンを組んだ。由里も義母も一円も出していない。

「ここ、私の荷物置かせて。実家より近いし」

一週間後、今度は由里が一人で来た。

「事前に連絡してよ」と言うと、「え、家族なのに?」と首をかしげる。

そしてリビングの一角を指さして、「ここ、棚を置かせてほしいんだけど。実家より駅に近いから、仕事帰りに寄りやすくて」と言った。

荷物を置かせてしまえば、ここが由里の第二の家になる。断らなければそうなるのは目に見えていた。

その夜、私は夫に「どう思う?」と聞いた。夫は「困るなら断れば?」と他人事のように言った。

私が自分で断れば、私だけが悪者になる。夫に止めてほしかったけど、それを待つのはもうやめようと思った。

「泊まっていくね。布団出しておいて」

翌月、由里はさらに踏み込んできた。

金曜の夕方、突然「今夜泊まっていい?飲み会が長引きそうで」とメッセージが来た。まだ飲み会も始まっていない時間だった。

夫は「いいじゃん、妹だし」と先に返事をしてしまった。

その夜、由里は翌朝もゆっくり朝食を食べ、昼近くまでリビングでスマホを触っていた。帰り際には「また来るね」と言い置いて出ていった。

私はキッチンで一人、使われたカップを洗いながら「このままだと毎週になる」と思った。

「じゃあ維持費も"家族で"負担してもらえると助かるわ」

次に由里から「来週末も泊まっていい?」とメッセージが来たとき、私は返事の前に一枚の表を作った。

この家にかかる年間の費用を、項目ごとに書き出したものだった。

固定資産税、火災保険料、管理共益費、修繕積立金、毎月の光熱費の平均。それを「家族で使うなら家族で分担」と考えたときの一人あたりの額も横に書いた。

由里に直接送るのではなく、夫を交えて三人で話す場を作り、そこでテーブルに置いた。

「由里ちゃんが言ってくれた通り、ここを家族の家にするのは全然いいよ。ただ、家族でってことは費用も家族でってことになるよね。年間でこれくらいかかってるから、使う頻度に応じて出してもらえると助かる」

「え……そんなに?」

由里の声が急に小さくなった。

「固定資産税だけで年間十四万ちょっとあるから。三人で割ると一人五万弱かな。光熱費や消耗品は別でね」

由里はしばらく表を見て黙っていた。夫も何も言わなかった。

「……やっぱり、気軽に頼みすぎてたかも」

由里はそう言って、合鍵の話も荷物の話も、自分からはしなくなった。

「来る前に連絡するね」

それから由里の態度は変わった。

来るときは必ず事前にメッセージをくれるようになり、泊まりは年に一度あるかどうかになった。来たときは手土産を持ってきて、帰りは使った場所をきれいにして出ていく。

夫も、あの日以来「今度実家で、母さんにもちゃんと言っとくよ」と自分から言うようになった。謝罪というほどではないけど、私はそれで十分だった。

合鍵は、結局一度も渡していない。

さいごに

「家族の家」という言葉は、使い方によってはとても便利な言葉になる。義妹の要求は、その言葉の都合のいい部分だけを取ろうとするものだった。それに対して主人公が出したのは怒りではなく、「家族なら義務も一緒に」という同じ言葉を返す一手。同じことをされたら困る、と気づいた瞬間に人は引く。自分の家を守るために、あなたならどんな一手を考えますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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