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「私はこの会社に昔勤めていたの!」と話す女性客を軽く受け流した私。上司を呼んだ途端、目の前の光景に言葉を失った瞬間

  • 2026.10.18

暑い日のサービスカウンター

夏の、とても暑い日のことでした。

私はお店のサービスカウンターで接客をしていました。自動ドアが開くたびに、外からむっとするような熱気が流れ込んできます。

昼過ぎ、ひとりの女性客がカウンターにやってきました。汗をハンカチで拭いながら、少し疲れた様子です。

「すみません、お水をいただけますか?」

しかし、店内にはお客様に提供できる水の用意がありませんでした。

「申し訳ありません。お水でしたら、店の外に自動販売機がございますので…」

そう案内すると、女性客は外の日差しに目を向け、困ったように眉を寄せました。

「えっ、また外に出なきゃいけないの?こんなに暑いのに?」

「申し訳ございません…」

「この暑さなんだから、無料でお水が飲めるところくらい用意しておきなさいよ!」

女性客の声が少し大きくなりました。

暑い中を歩いてきたのですから、冷たい水が欲しい気持ちはわかります。ただ、私にはどうすることもできません。

「おっしゃることはわかります。ただ、店内にはご用意がなくて……」

すると女性客は、カウンターに手をついて言いました。

「私はこの会社に昔勤めていたの!」

突然の言葉に、私は少し戸惑いました。

昔ここで働いていたと言われても、今の店の対応が変わるわけではありません。

正直、あまり関係のない話だと思い、私はその言葉を深く受け止めていませんでした。

女性客の顔を見た上司が突然…

それでも、女性客は納得していない様子でした。

これ以上、私ひとりで説明を続けても話が進まないと思い、奥の事務所にいる上司を呼ぶことにしました。

事情を伝えながら、私は内心、上司が来ても同じ説明になるだろうと思っていました。

ところが、カウンターに出てきた上司は、女性客の顔を見るなり目を見開いたのです。

「あれっ、主任!お久しぶりです!」

その声に、私も女性客も一瞬驚きました。

「あら、あなた!久しぶりね。ずいぶん立派になったじゃない」

先ほどまで不満そうだった女性客の表情が、ぱっと明るくなりました。

上司もすっかり懐かしそうな顔です。

「ちょっと待っててくださいね」

上司はすぐに休憩室へ向かい、冷えたお茶をコップに入れて戻ってきました。

「どうぞ。外、暑かったでしょう」

「ありがとう。助かるわ」

女性客はうれしそうにお茶を受け取ると、私のほうを見ました。

「ほらね、昔勤めてたって言ったでしょう」

私は返す言葉が見つからず、思わず頭を下げました。

まさか本当に元従業員で、しかも上司と顔見知りだったなんて。

あまりにも予想外の展開に、ただただ驚くばかりでした。

女性客が帰ったあとに知ったこと

女性客が帰ったあと、上司はコップを片づけながら、懐かしそうに話し始めました。

「いやあ、びっくりした。新人のころ、あの人に仕事を教わったんだよ」

「えっ、そうだったんですか?」

「そうそう。よく叱られたなあ。カウンターに立ってると『背筋!』って注意されてさ」

その話を聞いて、私は先ほどの上司の姿を思い出しました。

女性客を見た瞬間、まるで新人に戻ったかのように背筋を伸ばしていたのです。

「あっ、だからさっき…!」

思わず笑ってしまった私に、上司も照れくさそうに笑いました。

女性客の話を、最初から疑っていたわけではありません。ただ、今の接客には関係がないと思い込んでいたのです。

まさか、あの一言から上司の新人時代につながるとは思いませんでした。

あの日の上司のぴんと伸びた背中は、今でも忘れられません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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