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送れなかった「やり直したい」の代わりに、元カノへ強がりを送った俺の1年半

  • 2026.10.17
ハウコレ

しばらくして返ってきたのは、1枚の写真でした。打ちかけた返事を消すたびに、1年半前に既読のまま放っておいたメッセージが頭をよぎりました。

友人の結婚式の帰り、引き出物の紙袋を膝に抱えたまま、電車の中でスマホを開きました。宛先は、別れてから一度も連絡していなかった元カノです。送った文面は、本当に伝えたかったこととは違うものでした。

別れ際の一言の裏で、言えなかった退職のこと

彼女と別れたのは1年半前です。将来の話を切り出されたとき、俺は「今は結婚とか考えられない」と答えました。

本当は、勤めていた会社を辞めたばかりで、次の仕事も決まっていませんでした。それを話せば情けない男だと思われる気がして、言えなかったのです。

距離を置いたあと、彼女から「待ってるって言ったら、重いかな」と届きました。「待ってて」と返すほどの自信はなく、「待たなくていい」と打つ勇気もない。既読だけをつけて、そのままにしてしまいました。

何度も消した「やり直したい」

今の会社に移って1年がたち、ようやく仕事に慣れてきた頃でした。

その日、友人の結婚式で新郎が読み上げる手紙を聞きながら、頭に浮かんでいたのは彼女のことばかり。

帰りの電車で、送信欄に「やり直したい」と打っては消しました。断られたら、そこで本当に終わってしまう。結局、「久しぶり。元気してる?」とだけ送りました。既読がつくまでには、少し間がありました。

「元気だよ。どうしたの、急に」と返ってきて、あのメッセージを思い出しました。まだ待っていてくれるかもしれない。そう思いたくて、「まだ待ってるなら」「戻ってやってもいい」と続けて送ったのです。

上からの言い方にしておけば、断られても冗談で済ませられる。そんな計算をしていました。

返ってきた写真と、送れなかった返信

既読はすぐについたのに、返事はなかなか来ませんでした。今頃、あきれた顔で画面を見ているのだろうか。そんな想像ばかりしていました。

しばらくして通知が鳴り、すぐに開くと、届いていたのは1枚の写真でした。指輪をはめた、彼女の左手。その下に「ごめんね。この前、プロポーズされたんだ」とありました。

付き合っていた頃、彼女が雑誌の指輪のページを開くたびに、俺は話を変えていました。俺がそらし続けたものを、誰かがきちんと受け止めたのだと思いました。

「おめでとう」と打っては消し、「どんな人?」と打っては消す。どれを送っても、さっきの強がりの言い訳になる気がしたのです。その日は結局、どの文面も送信しませんでした。

そして...

次の日、ようやく「おめでとう。変なの送ってごめん」とだけ送りました。

「ありがとう。元気でね」と返ってきて、「元気でな」と打ちかけ、送信せずに消しました。

1年半前のあのメッセージに返事をしなかったのは、俺のほうです。待っているつもりでいたのも、たぶん俺だけでした。

引き出物の紙袋は、玄関の隅に置きっぱなしになっています。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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