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【myELLEイベント】『わたしの知らない子どもたち』試写会&西川美和監督トークショーをレポート!

  • 2026.10.16
YOKO YAMASHITA, ©2026 K2 Pictures・AOI Pro.
YOKO YAMASHITA

10月16日(金)公開の映画『わたしの知らない子どもたち』。日本公開直前、myELLEメンバー35名を招待して、特別無料試写会を実施。上映後の西川美和監督とよしひろまさみちさんによる特別トークショーでは和やかなムードの中、ここでしか聞けない撮影秘話も飛び出した。

©2026 K2 Pictures・AOI Pro.

『わたしの知らない子どもたち』は普通の暮らしを送っていた12歳の少女・茅野琴子が戦争によって家も家族も失い、たった一人、東京で少年として生きる決意をする物語。会場となった銀座8丁目のTCC試写室はコリドー街のガード下にあり、周辺の有楽町・新橋は終戦直後、焼け野原で露店がひしめき合い、まさしく闇市となっていた場所。琴子のような子たちがその昔、ここで必死に生きていたと思うと、感慨深い。真剣にスクリーンを見つめる人々から、上映後は自然と拍手が湧き上がり、温かい空気に包まれた。

YOKO YAMASHITA

興奮覚めやらぬまま、西川監督とよしひろさんを迎えて、トークショーがスタート。まずは何より、大役を果たした琴子役の小八重葵美の話題に。

スクリーンに映されるための瞳を持っている

©2026 K2 Pictures・AOI Pro.

オーディションで選ばれた時は小学5年生。よしひろさんによれば、「素顔は普通のかわいい女の子」。監督は抜擢した理由を「スクリーンに映されるための瞳を持っている子。内側に自信が漲っていて、毎日、生きていて楽しいと感じられる様子が竹野内(豊)さん演じる父親のいる家庭で肯定的に育てられた子の持つ豊かさに通じました」と明かす。

劇中では伸びやかな歌声を披露しているが、歌唱指導はしていない。さらにオープニングで琴子は得意のピアノを披露するが、こちらもレッスンこそすれど、未経験だったというから驚き。子どもの成長に魅せられる本作だが、撮影中もどんどん吸収して、育っていく子どもたちの進化に監督たちも驚かされることばかりだった様子。靴磨きをするエキストラの子まで、クランクイン半年前からマイ草履、マイ下駄で過ごしていたというから徹底している。

©2026 K2 Pictures・AOI Pro.

子役の子たちの世話を率先して行なっていたのは劇中でも孤児たちの「兄貴分」を担っている岡田准一。演技経験の浅い子役たちの感情が動きやすいよう自然とサポートしていたのは本作を作るきっかけとなった監督の前作『すばらしき世界』で主演を務めていた役所広司。主役級の豪華キャストが軒並み脇を固めているが、「皆さん、脚本を読んで、『この映画だったら力になりたい』と快諾してくださいました」と監督がオファー時を振り返る。ちなみに『すばらしき世界』の原作小説「身分帳」に主人公が戦争孤児だった時代が描かれており、「子どもたちだけでよく生き残ったな」と興味を抱いた西川監督が、文献を読みまくったことが制作の発端になっている。

ジャーナリストの方たちが残してくれたものが手がかりになったりします

YOKO YAMASHITA

会場から「時代感覚が実に丁寧に描かれていて感銘を受けた」と感想が述べられると、監督は「ありがとうございます。当時の人が書いたものを長い時間かけてたくさん、読んだからかもしれません。ジャーナリストの方たちが残してくれたものが手がかりになったりします」と応えた。

ほかにも、参加者からは熱い感想が寄せられた。「どんな逆境でも、人間の持つ心の芯があれば、生き抜ける。その力強さに感動した」、「戦いのシーンが多い戦争映画なのかと思っていたが、実際に見ると、人間の心に深く響く、素晴らしい映画で感動した。生きることの大変さや命の大切さ、そして今、幸せに生かされていることへの感謝を心から感じる」、「昔の話とはいえ、いつ戦争に巻き込まれてもおかしくない日常。明日、こんな状況になることだってある、と若い人たちや政治家たちにも実感して欲しい」など、逆境を生き抜く子どもたちの強さに心を動かされたことや、今を生きる自分たちの責任を問う声も聞かれた。

YOKO YAMASHITA

監督曰く「弱い者、女性が置かれている立場はもしかしたら、現代とさほど変わっていないような気がします」。少女の冒険譚であり、家族の物語であり、女性たちの連帯を感じさせる『わたしの知らない子どもたち』は監督の目線でこそ描けた戦争映画。幅広い世代、子どもたちも見られるよう、性的描写やグロテスクな表現は抑えられている。本作は先人からのヒントを受け取った監督から次世代へのバトンのよう。会場には実際に家族で訪れている方もいた。監督とよしひろさんは参加者に向け、「この映画はファミリー映画。ぜひ家族で、映画館へ足を運んでほしい」と強く訴えた。

YOKO YAMASHITA

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