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「なんで渡さないんだ」病院の受付で怒鳴った年配の男性。会計の明細を見た途端、言葉に詰まった理由

  • 2026.10.16

会計の途中で出ていった男性

病院の受付で会計を担当していたころの話です。

昼の待合室は混み合っていて、私は隣の席の同僚と、次々に来る患者さんの対応に追われていました。

診察室から出てきた年配の男性が窓口へ来たとき、通りかかった先輩が私にそっと耳打ちしました。

「あの方、よく怒るから気をつけてね」

少し緊張しましたが、私が保険証と処方箋の名前を確認すると、男性は普通に答えてくれました。

私はほっとして、会計の入力を始めました。

ところが、入力を進めていると、男性がカウンターを指でたたき始めました。

大きくため息をついたかと思うと、何も言わずに背を向け、病院の外へ出ていってしまったのです。

突然のことで、私は驚きました。

まだ金額を伝える前で、支払いも済んでいません。処方箋も私の手元に残ったままです。

戻ってくるかもしれないと思い、私はそのまま会計の入力を続けました。

「処方箋もらってないぞ!」と怒鳴った男性

入力が終わったころ、先ほどの男性が早足で戻ってきました。

カウンターに両手をつき、身を乗り出します。

「処方箋もらってないぞ!」

突然の大きな声に、待合室の患者さんたちがこちらを振り返りました。

私が説明しようとすると、男性はさらに声を荒らげました。

「なんで渡さないんだ。こっちは急いでるんだよ」

まるで私が渡し忘れたかのような言い方でした。

周りの視線も気になり、少し焦りましたが、私は落ち着いて答えました。

「すみません。先ほど、お会計の途中で席を離れられたので、まだお渡ししていないんです」

そして、印刷した会計の明細を男性の前に差し出しました。

「こちらがお支払いの金額です。お会計が終わりましたら、処方箋もお渡ししますね」

「……会計?」

男性は明細に目を落としました。

それから自分の手元を見て、しばらく黙り込みました。

さっきまでの勢いはなくなり、顔が赤くなっていきます。

どうやら、支払いを済ませていなかったことに気づいたようでした。

近くに座っていた年配の女性が、隣の人に小さな声で話しているのが聞こえました。

「さっき、お会計の途中で出ていかれたものね」

周囲で小さくうなずく人もいました。

男性は何も言い返さず、財布を取り出して支払いを済ませました。

私は処方箋を渡し、いつもどおり頭を下げました。

「お大事になさってください」

男性は目をそらしたまま小さくうなずき、静かに病院を出ていきました。

その姿を見送ると、隣の席の同僚が小声で言いました。

「対応ありがとう。ちゃんと会計できて、よかったね」

私もようやく肩の力が抜けました。

怒鳴られたときは驚きましたが、落ち着いて事情を説明できてよかったと思います。

気持ちを切り替え、私は次の患者さんの名前を呼びました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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