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「端は窮屈だから、代わってあげたの」若い男性と電車の座席を替わった私。だが、娘の夫が教えてくれた価値観の違い

  • 2026.10.14
「端は窮屈だから、代わってあげたの」若い男性と電車の座席を替わった私。だが、娘の夫が教えてくれた価値観の違い

空いた席を見つけた娘

久しぶりに帰省した娘一家と、昼すぎの電車で出かけた日のことです。

乗ったのは私、娘、娘の夫、小学生の孫の四人。

車内は立っている人がちらほらいる程度でしたが、長い座席には空きがひとつしかありませんでした。

「お母さん、あそこ空いてるよ。座ったら?」

娘に言われて目を向けると、空いていたのは端から二つ目の席。

端には若い男性が座っていました。

男性は私たちに気づいたのか、膝の荷物を抱え直し、仕切り側へ体を寄せてくれました。

そうした気づかいをありがたく思う一方で、私は少し気になりました。

端の席は仕切りに肩が当たり、狭くて座りにくい。ずっとそう思っていたからです。

私だけ座らせてもらううえ、若い人に窮屈な思いをさせるのも申し訳ありません。

そこで男性に向かって、頭を下げました。

「すみません。私が端に座るので、ひとつ中へずれていただけますか?」

「えっ…あ、はい」

男性は驚いた顔で私と空いた席を見比べましたが、荷物を持ち上げて隣へ移ってくれました。

私は空いた端に腰かけ、もう一度頭を下げました。

これなら男性も少し楽に座れるはず。孫にも、人に気をつかう姿を見せられたかな、とひそかに満足していたのです。

ホームで知った、思いがけない勘違い

ふと顔を上げると、少し離れたところでつり革につかまっていた娘たちが、何かをこらえるような顔をしています。

娘は口元を押さえ、娘の夫は窓の外を向いたまま肩を震わせていました。

目的の駅で降りる際、私は男性に「ありがとうございました。助かりました」とお礼を言いました。

男性はなんとも言えない表情で、小さく会釈を返してくれました。

ホームに降りた途端、娘たちが笑い出しました。孫までおなかを抱えています。

「ちょっと、何がそんなにおかしいの?」

「お母さん、さっき自分で座る席、決めちゃったでしょ」

「違うわよ。端は窮屈だから、代わってあげたの」

すると、娘の夫が笑いをこらえながら言いました。

「お義母さん、端の席って、好きな人が多いんですよ。片側に人がいないし、仕切りにも寄りかかれるので」

「えっ、そうなの?」

端が苦手なのは私だけだったのかもしれません。

親切にしたつもりで、男性が座っていた端の席をわざわざ空けてもらっていたのです。

男性が一瞬固まった理由が分かり、顔が熱くなりました。

「やだ、私ったら…」

三人があまりに楽しそうなので、最後には私も笑ってしまいました。

孫は私の手を引きながら、にこにこして言いました。

「おばあちゃん、次は真ん中ね」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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