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「10円玉はあるんですけど、おでんはありますか?」お好み焼き屋でバイト中の私が、女性客2人の質問に赤面した理由

  • 2026.10.13
「10円玉はあるんですけど、おでんはありますか?」お好み焼き屋でバイト中の私が、女性客2人の質問に赤面した理由

お好み焼きを食べ終えた女性客からの質問

もう何十年も前、私が学生だったころの話です。

当時、私は夜のお好み焼き屋でアルバイトをしていました。

店にはカウンター席があり、その内側に大きな鉄板が置かれていました。

お客さんの目の前でお好み焼きを焼くのが、私の仕事でした。

ある夜、大学生くらいの女性2人がカウンターに座っていました。

2人はお好み焼きを食べ終えると、何やら小声で相談を始めました。

片方の女性は小銭入れを開き、硬貨を数えています。

しばらくすると、その女性が私に声をかけてきました。

「あの、すみません」

「はい、どうしました?」

「10円玉はあるんですけど、おでんはありますか?」

私には、確かにそう聞こえたのです。

「おでん?」

思わず聞き返しそうになりましたが、すぐに納得しました。

外は冷え込んでいましたし、お好み焼きを食べたあとに、温かいおでんも食べたくなったのでしょう。

小銭を数えていたのは、手持ちのお金で買えるか気にしていたからかもしれません。

そう考えた私は、申し訳ない気持ちで答えました。

「ああ、すみません。うち、おでんはやってないんですよ」

笑い出した女性客と、私の恥ずかしい勘違い

すると、2人は一瞬きょとんとした顔になりました。

顔を見合わせたかと思うと、突然、クスクスと笑い始めたのです。

私は何がおかしいのか分かりませんでした。

「鍋物も置いてなくて…。近くに屋台でもあればよかったんですけど」

そう付け加えると、2人はますます笑いをこらえきれない様子です。

小銭入れを持っていた女性が、ようやく口を開きました。

「あの、ごめんなさい。おでんじゃなくて、電話です。電話をかけたくて…」

「えっ、電話!?」

その瞬間、ようやく意味が分かりました。

女性が聞いていたのは「お電話はありますか?」だったのです。

それを私は「おでんはありますか?」と聞き間違え、勝手に話を進めていたのでした。

考えてみれば、最初に10円玉の話をしていたのです。どうして電話だと思わなかったのでしょう。

恥ずかしさで顔が熱くなりました。

私は入口の横に置いてあるピンク色の電話を指さしました。

「あ、はい…電話なら、あちらにあります」

2人は「ありがとうございます」と言いながら、まだ笑っていました。

幸い、テーブル席のお客さんたちは特に反応していません。私は何事もなかったように、次のお好み焼きを焼き始めました。

やがて電話を終えた2人は、会計を済ませました。

そして帰りぎわ、カウンターの私に笑顔で声をかけてくれたのです。

「お好み焼き、おいしかったです。おでんも始めたら、また来ます」

「あはは……ありがとうございます」

最後までからかわれてしまいましたが、嫌な気持ちはまったくしませんでした。

あれから何十年もたちました。それでも電話の話になると、あの夜の出来事を思い出します。

10円玉という大きなヒントがあったのに、なぜか頭の中はおでんでいっぱいだった、忘れられないアルバイトの思い出です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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