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「私のほうが先に結婚する」と言っていた同期→私の結婚式に来なかった理由を、今も聞けずにいます

  • 2026.10.11
ハウコレ

式の当日、控室で受け取ったのは短いメッセージでした。週明けにはデスクに紙袋が置かれていたものの、同期は欠席の理由を口にしないまま、画面に向き直ってしまいました。

披露宴の会場で、同期のテーブルに1つだけ空いた席がありました。白い名札に書かれていたのは、入社以来となりの席で働いてきた彼女の名前です。乾杯のグラスが配られても、その席のナプキンだけは折られたままでした。

同期の口ぐせ

彼女とは同じ年に入社し、同じ部署に配属されました。仕事の相談も愚痴も言い合える相手でしたが、1つ口ぐせがありました。

最初に聞いたのは、先輩が結婚報告をした日です。社員食堂でトレーを置くなり、同期はこう言いました。

「私のほうが先に結婚する」

視線は、まっすぐこちらに向いていました。自分に向けた言葉だと分かり、笑って「うん、応援してる」とだけ返しました。

それからも、同期で集まるたびに彼女は同じ言葉を口にしました。評価面談の結果を聞かれることもあります。比べられている気がしても、競うつもりはなかったので、聞かれたことに答えるだけにしていました。

先に伝えたかった報告

私が付き合って3年の彼からプロポーズされたのは、その1年ほど後のことです。

社内に報告する前に、彼女にだけは自分の口で伝えたいと思いました。あの口ぐせを知っているぶん、人づてに耳に入るのは避けたかったのです。

休憩室で紙コップのコーヒーを手にしていた彼女に、声をかけました。

「実はね、結婚することになったの」

彼女は紙コップを両手で持ち直し、少し間を置いて答えました。

「そっか、おめでとう」

足早に席へ戻っていく背中。伝え方は間違っていなかったかと、しばらく休憩室から動かずに考えていました。

数週間後に届いた返信はがきには、出席に丸。「楽しみにしてます」と添えられた文字を見て、ようやくほっとできたのです。

当日に届いたメッセージ

式の当日、控室で髪を整えてもらっている途中に、スマホが鳴りました。

「ごめん、今日行けなくなった」

彼女からの短いメッセージ。体調でも崩したのかと心配になり、「わかった。無理しないでね」と返信しました。

同期に聞かれたときは「急用みたい」とだけ伝え、それ以上は話していません。

それでも、あの空いた席が目に入るたびに考えてしまいます。私が先に結婚したことが、よほど嫌だったのだろうか。来たくないなら、最初から欠席に丸をつけてくれればよかったのに。祝ってほしい気持ちと、責めたくない気持ちが、披露宴の間ずっと行ったり来たりしていました。

そして...

週明け、出社するとデスクに小さな紙袋が置かれていました。中にはペアのマグカップと、「おめでとう」とだけ書かれたカード。

となりの席から、彼女が声をかけてきました。

「式、行けなくてごめんね」

「ううん、来ようとしてくれてたんでしょ」

彼女はうなずいただけで、パソコンの画面に向き直りました。

欠席の理由は、今も聞けていません。新居の棚に並べたマグカップを手に取るたび、あの日の彼女に何があったのかを考えます。急用だったのなら、どうしてカードには一言しかなかったのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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