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アンソニー・ヴァカレロが「サンローラン」を退任。約10年にわたる功績を振り返る

  • 2026.10.10
Taylor Hill / Getty Images

2027春夏コレクションで、ゴールドをふんだんに取り入れた華やかなショーを披露したばかりの「サンローラン」。10年以上にわたり同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めてきたアンソニー・ヴァカレロが、退任することが明らかになった。10月9日(金)、親会社の「ケリング」が声明を発表し、ヴァカレロ自身もインスタグラムに動画を投稿して退任を伝えた。

「ケリング」のCEO、ルカ・デメオは声明で次のようにコメントしている。

「この10年間にわたる『サンローラン』への貢献に対し、アンソニーに心から感謝の意を表します。彼は独自のクリエイティブなビジョンと妥協のない姿勢によって、フランスを代表するクチュールメゾンのひとつである『サンローラン』の揺るぎない影響力を、さらに高めることに貢献してくれました。私たちは今、メゾンの歴史における新たな章へと踏み出そうとしています」

ヴァカレロの最後のショートなった「サンローラン」2027春夏コレクションより。 Victor VIRGILE / Getty Images

ヴァカレロが「サンローラン」に加わったのは2016年。4年間にわたりクリエイティブ・ディレクターを務めたエディ・スリマンの後任として就任した。スリマンがインディーズカルチャーやロックンロールのムードを打ち出したのに対し、ヴァカレロが着目したのは、メゾンに受け継がれる官能性だった。シャープなテーラリング、大胆な肌見せ、そして明確な意図を感じさせる服づくりを通して、独自のスタイルを確立していった。

「サンローラン」2026秋冬コレクション ショーに登場したベラ・ハディッド。 Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

その代表例が、創業者イヴ・サンローランの象徴的なタキシードスーツ“ル・スモーキング”を繰り返し再解釈してきたことだ。直近のメンズショーで話題を呼んだ、足元が透けて見えるPVC素材のダービーシューズも、そのアプローチを物語っている。ヴァカレロの最大の強みは、創業者のビジョンに忠実でありながら、それを現代的なスタイルへと昇華させる手腕にあった。

ヴァカレロによる「サンローラン」の最後のショーに来場した、アデル・エグザ ルホプロス、ゾーイ・クラヴィッツ、ヘイリー・ビーバー。 WWD / Getty Images
同じくヴァカレロによる「サンローラン」最後のショーに駆けつけたBLACKPINK ロゼ。 Gilbert Flores / Getty Images

また、ランウェイの枠を超えてブランドの存在感を広げたことも、彼の功績のひとつだ。ゾーイ・クラヴィッツやヘイリー・ビーバー、BLACKPINK ロゼ、ベラ・ハディッドなど、多くのセレブリティがヴァカレロのデザインを支持。ミニマルでありながら'80年代のムードを感じさせるルックは、レッドカーペットでも注目を集めた。2026年のメットガラでは、ゾーイ・クラヴィッツ、ヘイリー・ビーバー、マドンナ、ドージャ・キャットの衣装を手がけている。

メットガラ2026に登場した、マドンナとヴァカレロ。 Theo Wargo / Getty Images

さらに2023年には、ファッションブランドとして初となる自社映画製作子会社「サンローラン プロダクションズ」を設立した。

「サンローラン」は、今後のクリエイティブ体制について近日中に発表する予定だ。

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