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「玄関のお花、ほんとに長持ちするのよ」2年間毎朝水を替えた母。だが、花びらに触れて知った事実

  • 2026.10.10

帰省のたびに見ていた玄関の花

年に何度か、昼すぎに実家へ帰ります。

玄関を開けると、靴箱の上の花びんには、いつも淡いピンクの花が飾られていました。

知り合いからもらったものだと、60代の母が以前話していた花です。

その日も母は小さなじょうろを手に、花びんへ水を注いでいました。母は毎朝、花びんの水を替えるのを欠かしません。

「玄関のお花、ほんとに長持ちするのよ」

母はうれしそうに花を眺めました。

私が初めてその花を見たのは、もう2年ほど前です。

それなのに色はほとんど変わらず、花びらもきれいなままでした。

「お母さんが毎朝お水を替えてるからじゃない?」

「そうかしら。玄関は日もあまり当たらないし、それがいいのかもね」

花に詳しくない私でも、切り花が2年も咲き続けるのはさすがに不思議です。

ただ、帰省するたびに同じ姿で飾られているので、「ずいぶん丈夫な花なんだな」と深く考えずにいました。

花びらに触れて分かったこと

ところがその日は、ふと花の色が気になりました。2年前に見たときと、あまりにも変わっていなかったのです。

私は母の隣に立ち、花びらへそっと指を伸ばしました。

つるりとした、少し布のような手ざわりでした。

「……あれ?」

気になって茎の先まで見ると、細い針金のようなものがのぞいています。

私はもう一度、花びらを触りました。

「お母さん。これ、造花だよ」

「え?」

母はじょうろを持ったまま、私の顔を見ました。

「うそ。だって私、毎日お水替えてたのよ」

今度は母が花びらを触ります。表と裏を確かめ、茎にも目をやったあと、しばらく黙っていました。

そして、ぽつりと言いました。

「……どうりで2年も咲いてるわけね」

その瞬間、私は吹き出してしまいました。母もつられて笑い始め、2人でしばらく玄関から動けませんでした。

「でも、毎朝お水替えてたんだけどねえ」

「造花にはいらなかったね」

改めて見ると、その花には目立つほこりもなく、相変わらずきれいに飾られていました。

その造花は、今も実家の玄関にあります。先日帰ったときも、母は花びんに新しい水を入れていました。

「造花だって分かったのに、まだ水入れてるの?」

そう聞くと、母は少し笑って答えました。

「なんとなく、ね」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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