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「熱いのでお気をつけください」客の白シャツにカレーうどんをこぼした私。翌日、客が同じ料理を頼んだ理由

  • 2026.10.9

慣れてきたころの、昼の受け渡しカウンター

3年前、20代だった私は、あるホテルの地下にある従業員食堂で働いていました。

昼どきになると、制服やワイシャツ姿の社員さんが次々にやってきます。

注文された料理をカウンターに置き、受け取った人が自分のお盆に乗せて席まで運ぶ仕組みでした。

働き始めて数か月がたち、メニューや手順にもすっかり慣れてきたころです。

その日の朝、私は店長に冗談まじりで言いました。

「もう、目をつぶってても出せそうです」

「それは頼もしいけど、目は開けててね」

そんなやり取りをして迎えた昼。

ピークが少し落ち着いたころ、白いワイシャツを着た40代くらいの男性がカウンターの前に立ちました。よく見かける社員さんでした。

「カレーうどん、お願いします」

私は湯気の立つどんぶりを持ち上げました。

そして、受け取りやすいようにお盆まで乗せようと、カウンター越しに少し手を伸ばしました。

「カレーうどん、熱いのでお気をつけください」

そう声をかけた、その瞬間です。

どんぶりの底がお盆のふちに引っかかり、ぐらりとかたむきました。

茶色いカレーが、男性の真っ白なワイシャツにびしゃりとかかったのです。

「うわっ!」

頭の中が真っ白になりました。

店長と同僚がすぐにふきんを持ってカウンターの外へ回り、私も何度も頭を下げました。

男性は怒ることなく対応してくれました。

私は申し訳なさと情けなさで、しばらく顔を上げられませんでした。

翌日、また同じ注文が入った

片付けが終わったあと、店長が私の肩を軽くたたきました。

「まあ、そういうこともあるよ。次からはカウンターに置くだけにしよう」

「……はい。すみません」

そして翌日の昼。昨日の男性が、またカウンターの前にやってきました。

私は顔を見た瞬間、思わず身構えました。

今日は汁の飛ばないものを選ぶかもしれない。そう思っていると、男性はいつもの調子で言いました。

「今日もカレーうどんで」

「えっ……あ、はい」

私はどんぶりを両手でしっかり持ち、今度は余計なことをせず、そっとカウンターに置きました。

男性は自分でどんぶりをお盆に移します。

無事に受け渡せたことにほっとしていると、男性がこちらを見て笑いました。

「今日は、紺色のシャツで来ました」

見ると、確かに昨日の白とは違う、深い紺色のワイシャツでした。

思わず私も笑ってしまい、近くにいた同僚からも小さな笑い声が聞こえました。

すると店長が、私にだけ聞こえるくらいの声で言いました。

「今日は、ちゃんと目が開いてたね」

冗談を思い出し、恥ずかしさと安心が一気にこみ上げました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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