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「ママ、大きい牛がいるよ」スーパーからずっと訴える3歳の娘。ずっと聞き流していた母が最後に見つけたもの

  • 2026.10.9
「ママ、大きい牛がいるよ」スーパーからずっと訴える3歳の娘。ずっと聞き流していた母が最後に見つけたもの

帰り道で始まった「大きい牛」

夏の終わりの夕方、3歳の娘とスーパーへ夕飯の買い物に行きました。

冷蔵庫がほとんど空っぽだったため、帰るころには買い物袋がずっしり重くなっていました。

30代の私は右手に袋をさげ、左手で娘の手を握って住宅街の歩道を歩き始めました。

店を出てすぐ、娘が私の手をくいっと引っぱります。

「ママ、大きい牛が1匹いるよ」

「え、牛?」

思わずあたりを見回しました。けれど、見えるのは住宅の塀や電柱ばかり。もちろん、牛などいません。

「どこにいるの?」

「大きい牛!」

娘は楽しそうに繰り返します。前の晩に牧場の絵本を読んだばかりだったので、そのことを思い出しているのかなと思いました。

「そっか。大きい牛さんがいるんだね」

そう返すと、娘は満足そうに笑いました。

何度聞いても、やっぱり「牛」

ところが、角を曲がっても、信号を待っていても、娘は何度も「大きい牛」と言います。

「ねえ、ママ。大きい牛だよ。ほんとだよ」

「うん?まだいるの?」

私は空を見上げたり、塀の向こうをのぞいたりしました。雲の形でも見ているのかと思いましたが、それらしいものはありません。

その間も娘は、ときどき私の肩のあたりを見上げて、くすくす笑っています。

「どこ見てるの?」

そう聞いても、返ってくるのはやっぱり、

「大きい牛!」

でした。

娘が指さしたのは、私の背中だった

家の玄関の手前まで来たときです。

娘が突然立ち止まり、つないでいた手をほどきました。そして私の後ろへ回り込み、背中をまっすぐ指さしたのです。

「ほら!ここ!大きい牛!」

「え、ここ?」

買い物袋を足元に置き、首をひねって肩のあたりを確認しました。

すると、肩のすぐ下に、カナブンのような大きな虫がどっしりとまっていたのです。

「きゃあっ!」

思わず声を上げて上着をばたばたさせると、虫は羽を広げて夕方の空へ飛んでいきました。

そこで、ようやく分かりました。

娘はずっと「大きい虫」と教えてくれていたのです。3歳の娘が言う「むし」が、私には「うし」と聞こえていただけでした。

「もしかして、ずっと教えてくれてたの?」

「うん。大きい牛、いたでしょ」

得意げに胸を張る娘を見たら、驚いた気持ちより先に笑いがこぼれました。

その夜、娘が寝たあとで夫に話すと、夫はおなかを抱えて笑いました。

「スーパーから、ずっと背中に乗せて帰ってきたのか」

それ以来、家で虫を見つけると、夫まで真顔で言うようになりました。

「あ、牛がいる」

わが家では今でも、「大きい牛」はちょっとした合言葉になっています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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