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【60代映画】 横浜流星×広瀬すずW主演映画『汝、星のごとく』は15年間の愛と選択を描く壮大な恋愛物語

  • 2026.10.9

凪良ゆう原作の恋愛小説に感銘を受けた横浜流星が、自ら作者に手紙を書き、藤井道人監督に映像化を打診した映画『汝、星のごとく』。10月9日(金)より公開です。 広瀬すずをW主演に迎え、瀬戸内のある島で出会った孤独な2人の、15年間におよぶ愛の軌跡を描きます。家庭環境に問題を抱える2人は何度も過酷な選択を迫られ、その都度揺れ動く感情を丁寧に追った作品。松村北斗、中村アン、濱田岳、尾野真千子、木村佳乃、石田ゆり子、長谷川博己と、存在感のある俳優陣が脇を固めます。見どころを紹介するとともに、映画ごはん研究家の視点からも作品の深みに迫ります。

【ストーリー】瀬戸内の島で出会った2人―15年に及ぶ切なくも美しい愛の行方

美しい海と空が広がる、瀬戸内のとある島。京都から島に転校してきた高校生・櫂(横浜流星)と、この島で育った暁海(広瀬すず)が出会った。ともに家庭環境に恵まれず孤独を抱える2人は、互いに唯一の心の支えとなり、恋に落ちる。

やがて、プロの漫画原作者になるという夢を追って上京する櫂と、いつか刺繍で身を立てたいと思いながら家族のために島で働く暁海は遠距離恋愛になり、心がすれ違っていく。そんな2人の前に、いくつもの“岐路”が無情にも突きつけられ……15年におよぶ大恋愛の末に、2人はある決断を下す。

【見どころ1】横浜流星の直談判で映画化―「いまの時代にこそ届けるべき作品」

映画の原作となったのは、本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの人気小説。読んだ際に感銘を受けた横浜流星さんが、「櫂として生きたい」と作者の凪良ゆうさんに手紙を書き、藤井道人監督に映画化への熱い思いを伝えた結果、製作が実現したという経緯があります。

映画の完成披露舞台挨拶でも横浜流星さんは、「いまの時代にこそ届いてほしい作品」と力強く語っていました。 続けて「SNSによってつながりは増えたのに、なぜか人と人との心の距離が離れているような孤独感を感じている現代。たくさんの情報や他人の目、世間の声に振り回され、正しさに縛られて自分らしさを見失ってしまうような息苦しい時代を生きている人たちの心に一筋の光を照らせる作品になってほしい」と。 その理由として、横浜流星さん演じる櫂や、広瀬すずさん演じる暁海は「“正しさ”や世間の常識に流されず生きていて、その姿が美しい」ことを挙げ、「社会が決めた枠からはみ出して自分のために選択したそれぞれの“愛の形”、それぞれの“正解”がある」物語だから、と言葉をつないでいました。

確かに櫂や暁海をはじめ、登場人物たちは必ずしも“世間が正しいと思う”選択をするわけではありません。その都度悩んで、どうしようもない現実が立ちはだかっても、「正しいか過ちか」だけではスパッと割り切れない感情の行き場をどうにか見つけ出そうともがいています。そうした原作小説の魅力がしっかり映像化されているので、原作ファンの方も未読の方も楽しめる作品になっています。

【見どころ2】「正しい選択」とは―すれ違う2人のむき出しの感情と胸に響くセリフ

【見どころ1】で挙げたように「正しさとは」「愛の形とは」という問いがひとつのテーマになっていることもあり、キャストはむき出しの感情を表現。ときに愛情があふれ、ときに泣き叫び、ときに気持ちを押し殺し、複雑で繊細な感情の動きを丁寧にすくい取っています。

櫂と暁海はどうしようもなく惹かれ合い、お互いを近く感じているはずなのに、家族やお金や仕事や距離、そしていちばん大切なタイミング……、いろんな要素が重なって少しずつ気持ちがすれ違ってしまう。その様子は見ていて本当に切ないです。「愛する人のために人生を誤りたい」という暁海のセリフが胸に響きます。

【映画とごはん】愛と束縛を描く食卓―2人の未来を左右する3人の女性たち

櫂の母と暁海の母、そして刺繡作家の瞳子(とうこ)さん。若い2人に影響を与え続ける3人の女性の食生活から人物像を紐解きます。

尾野真千子さん演じる、櫂の母・ほのかは、スナックを営むシングルマザー。恋多き性格ゆえに幼少期から櫂を振り回しており、瀬戸内の島へも恋人を追いかけて移住してきました。感情的で、いやなことがあるとお酒に逃げるタイプ。そのため櫂も、酔っぱらった母を介抱し、酒瓶が身近にある生活に慣れてしまっています。

暁海の母・志穂を演じるのは木村佳乃さん。以前は朗らかな性格だったけれど、夫が不倫をして家を出ていったことで心を病んでいます。夫の帰りを信じて、食卓に夫の好物・天ぷらや魚の煮つけをずらりと並べる日もありますが……。場面写真からもわかるように、この役のために木村佳乃さんは激やせ。夫に執着し、娘に依存する母親の姿は鬼気迫るものがありました。

石田ゆり子さんが演じるのは、オートクチュールの刺繡作家・瞳子。庭で育てたレモンを使ったパウンドケーキを焼き、おいしいコーヒーをいれて来客をもてなすような、丁寧な暮らしをする女性です。その自立した生き方に暁海は憧れを抱きますが、実は暁海と瞳子の関係性は複雑。瞳子の、何があっても自分を貫く姿勢は、時に周囲の人を傷つけることもあります。それでも、自分のことで精いっぱいの母に甘えられなくなった暁海が頼ると、ハッとするような言葉をかけてくれる存在です。

対照的な食生活が浮き彫りにするのは、それぞれの不器用な生き様そのもの。過酷な運命に翻弄されながらも、誰かの常識ではなく自分たちの足で歩むことを決めた櫂と暁海の15年間の選択。世間の「正しさ」ではなく、互いのために人生をかける2人の究極の愛の形を、ぜひ劇場のスクリーンで受け止めてみませんか。

作品情報

『汝、星のごとく』
2026年10月9日(金)全国東宝系にて公開

出演:横浜流星 広瀬すず
松村北斗 中村アン 濱田岳/尾野真千子 木村佳乃
石田ゆり子 長谷川博己
原作:凪良ゆう『汝、星のごとく』(講談社文庫)
監督:藤井道人 脚本:安達奈緒子
配給:東宝
©2026「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

この記事を書いた人 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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