1. トップ
  2. 「私はDV被害者」ハル・ベリー、息子への暴力疑惑。“暴力の連鎖”と波乱に満ちた人生を辿る

「私はDV被害者」ハル・ベリー、息子への暴力疑惑。“暴力の連鎖”と波乱に満ちた人生を辿る

  • 2026.10.7
Presley Ann / Getty Images

12歳(事件当時。現在は13歳)の息子に暴力を振るったとして、元夫で息子の父である俳優のオリヴィエ・マルティネスから告発されたハル・ベリー。マルティネスによると息子はハルからの精神的及び身体的暴力で傷つき、彼女と一緒に暮らすことを拒否しているという。この件が明らかになるとファンやマスコミから驚きの声が上がった。なぜなら彼女はこれまで暴力の犠牲者であり、それを生き延びてきたサバイバーとして知られてきたから。そこで今回は暴力につきまとわれ続ける、ハルの人生を振り返る。

Jason Merritt / Getty Images

母への暴力を目撃した子ども時代

ハルのDVサバイバーとしての人生の始まりは、子ども時代に遡る。母親(写真右)がパートナーに殴られたり蹴られたりするのを目にしながら育ったと話している。当時の彼女はまだ5歳。当時を振り返り、「母親は毎日殴られていました」と2015年にニュースサイト「E!」に話している。母親が不意打ちのように階段から突き落とされ、ワインボトルで頭を殴られるのを見たこともあるという。

Gregg DeGuire / Getty Images

ハルは当時を振り返り、こう語っている。「私はDV被害者。殴る男と結婚していたわけではありませんが、母はそうでした。母はあまりにも長い間その状況に耐えていました。私と妹はあまりにも多くのものを見てしまいました。DVのある家に育ったことで傷を負いました」「母が何よりも望んでいたのは、力強くてたくましい姿を幼い娘たちに見せることでした。それをかなえる術がなかったことに胸が張り裂けそうです」。

Vinnie Zuffante / Getty Images

恋人からの暴力で聴力を失う

ハルは「殴る男と結婚していたわけではない」と話しているが、殴る男と付き合っていたことは認めている。1996年、雑誌『ピープル』のインタビューで、かつて恋人から暴力を振るわれたことを告白。そのせいで鼓膜が破れ、左耳がほとんど聞こえなくなったことを明かした。聴力は正常な耳の20%しかないという。ハルは加害者の名前は明かしていないが「ハリウッドでは有名な人物」だと話していた。

Ron Galella, Ltd. / Getty Images

この元恋人の正体は、俳優のウェズリー・スナイプスだと見られている。2004年、彼女の元彼でミュージシャンのクリストファー・ウィリアムズが暴露した。ウィリアムズは、ハルがスナイプスの次に付き合った男性なのだが、「私がやったと思われるのにもううんざり」と不満を露わに。「ハルの鼓膜を破ったのはウェズリー・スナイプスであって、私ではない」と発言、自分の潔白をアピールした。ウェズリーとハルは1991年の映画『ジャングル・フィーバー』で共演、交際に発展した。

Vinnie Zuffante / Getty Images

ハルは鼓膜の件を告白したとき、殴られたときのことをこう描写している。「すぐに逃げた。あまりにも猛スピードで家から逃げ出したから、道路にタイヤ痕が残るほどだった」「暴力を受けたことはそれ以降、一度もない」とし、暴力を受け入れる姿勢は一切見せなかったと主張していた。とはいえスナイプスへの想いをなかなか断ち切れなかった可能性もある。その頃、彼女と一緒に仕事をした制作アシスタントは「ハルはいつも泣いていた」と証言している。

Ron Galella / Getty Images

円満な関係を築ける男とは続かない?

ちなみにウィリアムズとは1年ほど交際し、別れてしまう。破局理由は明らかになっていないが、円満な最後だった。ウィリアムズは2年前のインタビューで「私とハルは今もいい友達だ」と発言。彼女もそれを否定していない。円満な関係を続けられる人物とは結婚せず、しかもすぐに別れてしまうのがハルの恋愛傾向とも言える。

Jeff Kravitz / Getty Images

NBL選手とスピード結婚

ハルはウィリアムズと別れた直後、MTVが主催したセレブとアスリートの野球のエキシビジョンマッチに出場する。そこでMLB選手のデヴィッド・ジャスティスと出会う。あるレポーターからジャスティスが自分のファンだと教えられたハルは、そのレポーター経由で連絡先をジャスティスに教えた。そこから交際が始まり、2人は翌年に結婚する。交際1年未満でのスピーディーな展開はアメリカマスコミを沸かせた。

Mitchell Gerber / Getty Images

「身の安全が脅かされる」と訴え

しかし1996年に破局。離婚までの道のりは泥沼だった。ハルは「身の安全と幸せな生活が脅かされる」として、ジャスティスに対する接近禁止命令を請求した。当然、結婚中からDVがあったのではないかと勘繰る声も浮上した。

ジャスティスは「私はハルにとって何の脅威でもない」と発言、暴力を振るったことはないと全面否定していた。ちなみにジャスティスは5年後にモデルで家具デザイナーのレベッカ・ヴィラロボスと結婚。3人の子どもをもうけ、良きパパとしての顔を見せている。

Randall Michelson Archive / Getty Images

再婚で「悪いパターンを断ち切れた」

ハルの方は破局の翌年、ミュージシャンのエリック・べネイと出会う。彼のコンサートに遊びに行ったことから知り合い、メッセージをやり取りするように。べネイは後日「最初は友人としてスタートした」と振り返っている。ハルもべネイと出会ったことで「私はこれまで間違った男性ばかりを選んできた。そのパターンを断ち切れたと感じた」と話している。「彼はとても優しくて、繊細で、穏やかな人」「そういう意味ではこれまでと付き合っていた男性とはまったく違う」。 2人は2001年にゴールイン。ハルはこの翌年に映画『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞を非白人として初受賞。映画史に名を刻む。

Steve Granitz / Getty Images

夫がセックス依存症に

ハルの人生にようやく穏やかな時期が訪れたはずだった。しかしべネイがセックス依存症の治療のためにリハビリ施設に入所。さらに元恋人と浮気していたことも発覚、べネイは「ひどい過ちを犯してしまった」とそれを認めた。当初、治療を受ける夫を支えていたハルだが、2003年に別居を発表。「エリックと私はしばらく前から夫婦関係に問題を抱えていた。解決しようと努力していたが、現時点では関係を見つめ直すためにしばらく距離を置く必要があると感じている」。2005年に離婚が成立した。

Jon Kopaloff / Getty Images

カナダ人モデルとの間に第一子誕生、幸せの絶頂に

ハルは恋人が途切れない女でもある。離婚が成立した直後には、もう新たな恋を見つけていた。今度のお相手はカナダ人モデルのガブリエル・オーブリー。某ファッションブランドのキャンペーンで共演したのがきっかけだった。交際を始めて3か月後には公の場に揃って出席、オーブリーの父もマスコミに「息子はハルに恋をしている」と暴露していた。ハルはインタビューでオーブリーについて「彼はいつもありのまま。他人の評価を気にしない人」と惚気るように話していた。「そういう自信と誠実さを持っている彼には、私と私たちの子どもを愛してくれる力があるって信じている」。2 008年、2人の間には娘のナーラが誕生する。

Stephen Lovekin / Getty Images

親権を巡って泥沼バトル

しかし2年後の2010年に破局。別れた当初は円満だった。オーブリーはハルのことを「これまで出会った人の中で最も美しい人」と称賛、別れても良好な関係を続けていくことをアピールしていた。しかし娘の親権に関する話し合いがうまくいかず、あっという間に泥沼に。長年にわたる法廷闘争に突入していく。

Alberto E. Rodriguez / Getty Images

元カレと現カレが暴力沙汰

ハルはオーブリーと破局した直後、フランス人俳優のオリヴィエ・マルティネス(写真)と共演。多くの人が予想した通り、彼と恋に落ちる。ハルは当時「私は根っからの恋愛体質。納得いくまで諦めない」と話していた。

しかしマルティネスとの交際が新たなトラブルの発端になる。2012年、ハルはマルティネスとの同棲を決意。娘と一緒に彼の母国であるフランスに引っ越したいと裁判所に申請する。しかし元カレで娘の父親であるオーブリーはこれに猛反対。裁判所はオーブリーの言い分を認め、ハルの申請を却下する。

Marcel Thomas / Getty Images

しかし感謝祭の日に事件が起きる。元カレのオーブリー(写真右)が娘ナーラ(写真左)をハルの自宅に送り届けたところ、そこに今カレのマルティネスが登場。車道で殴り合いが始まり、2人ともが病院に搬送されるという事態に発展した。マルティネスはオーブリーを市民逮捕。この事件が家庭内暴力と見なされたことから、ハルと娘、マルティネスに対する緊急保護命令が認められた。オーブリーは3人の約100メートル以内に接近できなくなった。

Presley Ann / Getty Images

不穏すぎる男性関係が世間に露呈

とはいえ、オーブリーが一方的に暴力を振るったというわけではなかったよう。オーブリーによると、マルティネスから「ハルと娘がフランスに移住することを認めなければ殺す」と脅され、そこからケンカが始まったという。オーブリーもマルティネスに対する接近禁止命令を申請、認められている。ハルがオーブリーと交際中、彼から暴力を振るわれたかどうかはわかっていない。とはいえ、この事件でオーブリーにもマルティネスにも暴力的な傾向があり、喧嘩っ早いことが世間に露呈。不穏すぎるハルの男性関係が広く知られることになった。

この事件で唯一得たものがあったとすれば、それはこの事件がきっかけになりハルとオーブリーの親権バトルに決着がついたこと。娘を2人で育てることで合意、裁判所はハルがオーブリーに月16,000ドル(約250万円)の養育費を払うことを命じた。

(写真は昨年あるイベントに出席したオーブリー)

Dominique Charriau / Getty Images

離婚後、多額の養育費を支払い命令

ハルとマルティネスは、この事件の翌年、2013年にフランスでゴールイン。3か月後にハルは男の子を出産する。しかし幸せな日は長く続かなかった。2016年に離婚を申請、2023年にようやくそれが成立する。揉めた原因は今回も息子マセオの養育権。裁判所はハルに、月8,000ドル(約130万円)の養育費をマルティネスに支払うように命じた。今回ハルには、このマセオに暴力を振るった疑いがかけられている。

この投稿をInstagramで見る

Halle Berry(@halleberry)がシェアした投稿

息子の首を絞めたと元夫は主張

暴力の疑いは、マルティネスが起こした訴えから発覚した。マルティネスによると、事件が起きたのは先月末のこと。マセオがVR用のゴーグルをつけてゲームをしていたところ、ハルはそれを見て「バカみたい」と罵り始めた。その後事態がエスカレート。ハルは息子に飛びかかり殴り始めたという。「彼女は息子の首をつかみ『今、誰が優勢なの? 今優勢なのはどっちなの?』と叫びながら首を絞め始めた」とマルティネスは主張している。

Axelle/Bauer-Griffin / Getty Images

暴力の現場には、婚約者も?

ハルは2026年初めにミュージシャンのヴァン・ハントと婚約しているが、その場にはそのハント(写真左)もいたという。

マセオはハルから暴力を振るわれたことでパニックに。マルティネスに「迎えにきてほしい」と連絡を取った。その後、今回の事件のトラウマに苦しみ、ハルの家には戻りたくないと言った、というのがマルティネスの主張である。

彼の訴えによるとハルの虐待は今回が最初ではない。「過去1年半の間に、彼女は息子を地面に押し倒して降伏するように要求したことがある」と裁判所に申し立てている。また2023年にはマセオを「お前の父親は白人の腰抜け野郎だ。黒人女性から金を奪い取ろうとしている」「お前は黒人男性として、それをどう思う?」と詰問。マルティネスはこれを人種差別発言だとし、精神的虐待だと主張している。この父親とはもちろんマルティネスとのこと。マルティネスの主張が事実であれば、彼に多額の養育費を払わされていることを不満に思ったハルが、それをネタに息子を虐待したことになる。

Backgrid/AFLO

ハルは疑いを全面否定

マルティネスは現在、ハルに対して自身とマセオに対する接近禁止命令、加えてマセオの単独親権を求めている。ハルの弁護士はマルティネスの主張を否定している。

また裁判所はハルとマセオの接触を全面的には禁じていない。現時点では、一時的な接近禁止命令にとどまっていて、ハルは日中だけ息子と面会できる。先週末にはハルと婚約者のハントがマセオを連れて、室内トランポリン施設に遊びに来ているところを目撃されていた。接近禁止命令や親権についての審理は10月16日に行われる予定である。

Jamie McCarthy / Getty Images

本人が声明を発表、暴力を否定

ハルはマルティネスの訴えに沈黙を守っていたが、この外出シーンが目撃された直後に声明を発表。彼の主張を全面否定した。ハル曰く「マセオに身体的、精神的、その他いかなる虐待もしたことがありません。私自身も家庭内暴力の被害者であり、家庭内暴力の被害者を支援しています」「私は暴力の加害者ではありません。決して我が子を傷つけるようなことはしません」。

この投稿をInstagramで見る

Jenesse Center, Inc.(@jenessecenter)がシェアした投稿

かつてハルは、幼少期に暴力を目にしたことで「心に傷を負った」と話していた。その傷から目を逸らさず「大人になってからずっと、その傷を癒そうと努力してきた」とも。その助けとなったのが、暴力に苦しむ女性たちとの連帯。自分も恋人の暴力を受けた経験を踏まえ、性暴力や家庭内暴力のサバイバーを支援する非営利組織のボランティアを続けている。その彼女に浮上した暴力行為の可能性は、マスコミにもハリウッドにも大きな衝撃を与えている。真相が明らかになるのを待ちたい。

Dimitrios Kambouris / Getty Images

あわせて読みたい>>

ダメ男に惚れて、離婚後も食い尽くされるセレブたち

性被害の現実、スウェーデンの被害者支援から学べること

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ