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『チュノ』、実はここまでリアルだった!セリフから社会背景まで作り込んだ時代考証

  • 2026.10.7

テレビ東京系列の「韓流プレミア枠」で10月1日からスタートしたドラマ『チュノ~推奴~』(2010年)。同作激しい格闘や追跡劇を前面に押し出した、いわゆるフュージョン時代劇の色合いが強い作品だが、もう一つの特徴としてはセリフ、つまり言葉にあった。

『チュノ』では、朝鮮王朝時代に使われていた語彙を可能な限り取り入れている。現代の韓国人にも意味がわかりにくい古い表現については、韓国放送時に字幕で説明が入れられた。

(写真=2010 KBS All rights reserved)

特に両班(ヤンバン)同士の会話では、漢文を交えた独特の言い回しが登場するなど、身分や教養によって話し方まで変えている。

つまり、衣装だけを昔風にしたのではなく、「当時の人なら、どのように話したのか」というところまで意識して作られていたのだ。
当時の生活風景にも細かな仕掛けがある。

劇中には、本屋で「朝報」を読む場面が登場する。朝報とは、朝廷の出来事などを伝えた官報のようなものだ。こうした細部まで盛り込まれている背景には、歴史資料だけでなく、韓国の歴史ドキュメンタリー番組なども参考にしながら企画されたことがあるという。

さらに興味深いのが、奴婢たちの秘密組織だ。両班を狙う奴婢たちの集団という設定だけを見ると、ドラマのために作られたフィクションのようにも思える。

しかし、そのモチーフとなったのが、実際の歴史に登場する「殺主契」とされる組織だった。『チュノ』は、実在した制度や社会不安を物語の中へ巧みに取り込み、そこにアクションやロマンスを加えている。

だからこそ、単なる“派手な時代劇”では終わらなかった。

荒々しい男たちが走り、戦い、追いかける。そのスピード感の裏側には、武器、言葉、風俗、社会背景まで調べ上げた細かな時代考証があるのだ。

文=森下 薫

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