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【いま着たい日本ブランド】「ケイスケヨシダ」が叶える、気負わない大人のエレガンス

  • 2026.10.6
Hearst Owned

東京ブランドの最前線で取材を続けるエディターが、「いま本当にいい」と感じた日本ブランドを紹介する連載。ブランドを象徴する「シグネチャーピース」、モノづくりの背景にある「ブランドフィロソフィー」、そしてエディターの「推しアイテム」という3つの視点を通して、デザイナーインタビューとともにその魅力に迫る。vol.2は、洗練された大人のエレガンスへと深化を遂げる「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」。

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【DESIGNER'S PROFILE】 吉田圭佑

立教大学、ここのがっこう卒業後、2015年に「ケイスケヨシダ」を設立。10代特有の青さや思春期の揺れ動く感情を表現したコレクションで注目を集め、東京ファッションウィークにてランウェイを発表。近年はテーラリングを軸に、ゆとりとエレガンスが同居する服を提案している。

【1】シグネチャーピース:ブランドの輪郭をつくったトレンチ

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「普遍的なアウターとしての強度がありつつ、フックになるデザインが入っている。ブランドの輪郭ができていく中で、性別を問わず着ていただける僕たちの『名刺』として作れた最初のプロダクトですね」

一見すると、どこか格式ある品格を醸すクラシックなアウター。けれど袖を通した瞬間、サイドに配された繊細なディテールに目を見張る。知る人ぞ知る名店に出会ったようなひそかな高揚感を与える一着こそが、2018年のコレクションで登場したヨークのフラップを脇でリボン結びするトレンチコートだ。2026秋冬コレクションではリモデルし久しぶりに登場した。

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トレンチコートは、普遍性をもちながら、着る人に特別な愛着をもたらすブランドのシグネチャーとして愛され続け、現在は身返しをケープのように仕立てたモデルへと進化を遂げている。

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トレンチコートと並び、ブランドのスタイルを語る上で欠かせないのが「ロングカラーシャツ」と「ミドル丈のタイトスカート」だ。

首元にスカーフのように巻きつけて後ろになびかせるロングカラーシャツは、一枚で着てもアウターからのぞかせてもスタイルに洗練された動きをもたらす名品。そして、毎シーズン生地やディテールを変えながらアップデートを重ねているミドル丈のタイトスカートは、日常の動作にしなやかに寄り添う絶妙なシルエットを追求し続けている。

「身体に近いものとして継続しているアイテムです。シャツにタイトスカートを合わせ、上にテーラードジャケットやコートやトレンチ、ブルゾンを羽織る。この組み合わせこそが、僕たちの軸であり一貫したスタイルですね」

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アウター、シャツ、スカート。一連のシグネチャーピースはどれも、本格的なテーラリングの整った品格を持ちながら、日常の中で気負わず着られるラフさとのちょうど中間に立つ。ブランドの歩みの中で培われた緻密で誠実な服作りが、洗練された大人のウィメンズスタイルへと美しく昇華されている。

【2】ブランドのフィロソフィー:「自分を語る服」から「高揚感をまとう服」へ

2027春夏コレクションのムードボード。 Hearst Owned

「初期の頃は自分のコンプレックスや内省的な表現からモノづくりを始めていましたが、母校でのショーを終えた頃から自分自身への関心が薄れていきました。今は日々、古着や服を見続ける中で『あ、自分は今こういうものに惹かれているんだ』と感覚的に手繰り寄せることからコレクションをスタートしています。最初から言葉で定義してしまうと、表現の幅が狭くなってしまうことに気づいたんです」

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「ケイスケヨシダ」の根底に流れるのは、自身の内面描写からの脱却と、純粋なファッションそのものが持つ豊かな美しさへの憧れ。過剰な言葉やコンセプトで固めるのではなく、服の仕立てやシルエットそのものが発する美意識に身を委ねる。

今回のインスピレーションとなった「ダナ キャラン」のアーカイブドレス。 Hearst Owned

2027春夏コレクションで彼が目を向けたのは、1980年代の「ダナ キャラン」や「ラルフ ローレン」といったアメリカンモードのヴィンテージ資料だった。

「『ダナ キャラン』がやった仕事は、働く女性の服をジャージーで作るような『モードの大衆化』でした。自分が幼い頃に体感したハイファッションに憧れて自分の身体に落とし込めた感覚や、あらゆる服をカテゴリで分類せずフラットに捉える眼差し。現代の合理的な社会の中で薄れつつあるモードの『豊かさ』を、現代に浸透させたいと思ったのです」

そのモードが持っていた包容力やグラマーな魅力を日常へと手繰り寄せ、今期のコレクションで導き出したのが、無理に身体を締め付けない新しいアプローチだ。

「楽さ」を覚えた身体と、エレガンスを求める心をつなぐ仕立て

2027春夏コレクションより。 KEISUKEYOSHIDA

スウェットやオーバーサイズに慣れ親しんだ現代の私たちは、着心地の「楽さ」やヘルシーな着こなしの魅力を、すでに日常の感覚として知っている。けれど同時に、美しい服に身を包んだときに生まれるあの高揚感も、やっぱり心惹かれるもの。

その身体と心のギャップに寄り添い、「無理に締め付けることなく、ゆとりを持たせたままエレガントに魅せる」のが、2027春夏コレクションで「ケイスケヨシダ」が提示した新しい身体感覚だ。

2027年春夏コレクションより。エレガントなシャツ&スカートにファイヤーマンジャケットを合わせた、メリハリのある洒脱なスタイリング。 Hearst Owned
2027年春夏コレクションより。’80sムード漂うライトブルーデニムのセットアップから覗く、繊細なランジェリー調トップとの対比がヘルシーな色香を醸し出す。 Hearst Owned

「僕にとってセクシーとは自分の長所を伸ばすことで、ヘルシーとは短所を補って見せないこと。今の時代、両方を叶える服が必要だと思ったんです」

その言葉の通り、ジャケット脇の切り替え(サイバラ)に配したポケットに「手を入れる」という日常のなにげない動作ひとつで、ウエストに美しいV字のシェイプがふっと現れる。

2027年春夏コレクションより。「ポケットに手を入れる」という所作によって美しさが完成する、今期のコレクションを象徴するルック。 Hearst Owned

身体を無理に締め付けることなく気になる部分を包み込みながら、所作ひとつで自分の持つ美しさを引き出し、驚くほど凛とした姿へと仕上げてくれる。その絶妙なバランスこそが、いまの私たちが求めていた「気負わないエレガンス」の気分に心地よくフィットするのだ。

【3】エディターの推しアイテム

2027春夏コレクションは「ゆとり」と「動作」によって、気負わずまとえる大人のエレガンスを引き出してくれるコレクション。今回はそのなかから、エディターが思わず心をつかまれた名品をピックアップ!

①カバーオールジャケット

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フレンチカバーオールをベースに、肩パッドを加え、背面のメタルバックルによってブラウジングすることで立体的なギャザーを生み出す。360度どこから見ても計算し尽くされた仕立てに、「ワークウェアなのに後ろ姿まで優美!」とひと目ぼれした名品。

②クロップドブラウス

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'80sの写真から着想を得た、ドルマンスリーブと厚め肩パッドのバランスが美しいブラウス。前開きの軽やかな仕立てと裾ゴムのブラウジングにより、サッと羽織るだけで流れるようなV字ドレープが完成。いつものスタイルを即座にモードへ引き上げてくれる、この春ぜひワードローブに迎えてみたいアイテム。

③カプリパンツ

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'80s「ダナ キャラン」のグラマラスなドレープ構造から着想を得た、私自身もリアルバイ決定の大本命。腰周りに布地をあまらせた立体フォルムがモードな存在感を放ちつつ、実はウエストゴム仕様ではき心地は至極ラクというギャップも魅力。手持ちの服に合わせるだけで今っぽく刷新できる、頼もしい一本。

手持ちのワードローブにサッと合わせるだけで、いつものスタイルに新しい風と洗練された自信を吹き込んでくれる「ケイスケヨシダ」のアイテムたち。まだ手にとったことがない人にこそ、この知的な高揚感をぜひ日常で体感してみてほしい。

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