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GLP-1治療薬と「爪の変化」に関連? 新研究で分かったこと

  • 2026.10.5

糖尿病や肥満症の治療に使われ、海外ではセレブの減量をめぐっても話題になってきたGLP-1関連の治療薬。その使用者で、爪の浮きや変色を報告する人が多かったという調査結果が、欧州の皮膚科学会で発表された。ただし、薬が原因だと確認されたわけではない。今回の研究で分かったことと、爪の変化に気づいたときの対応をチェック。(フロントロウ編集部)

爪の浮き・はがれを報告した人は、使用者の39%

爪が、その下にある皮膚から部分的に離れる「爪甲剥離(そうこうはくり)」。今回の調査では、GLP-1関連の治療薬を使用している人のほうが、この症状を報告する割合が高かった。

研究が発表されたのは、オーストリア・ウィーンで9月30日から10月3日まで開催された欧州皮膚科・性病学会(EADV)の学術集会。ニュースサイトMirage Newsに掲載された、欧州皮膚科・性病学会の10月1日付プレスリリースによると、こうした薬を使っている人と使っていない人を比較し、爪の健康との関連を調べた初めての研究だという。

研究チームは、フランス、アメリカ、ブラジル、メキシコで、対象の治療薬を使用している575人と、2型糖尿病や肥満症がありながら、これらの薬を一度も使用したことがない1,329人を比較した。

爪甲剥離を報告した割合は、使用者で39%、使用していない人で9%。爪の変色は46%対17%、何らかの爪のトラブルを1つ以上報告した割合は66%対53%だった。

ただし、この39%という数字は、薬を使い始めてから爪甲剥離が起きた人の割合ではない。今回の調査だけでは、症状が治療前からあったのか、治療後に現れたのかは分からない。また、爪甲剥離に限らず、何らかの爪のトラブルが治療前からあったと答えた使用者は約半数いた。

「薬の副作用」とは、まだ言い切れない

数字だけを見ると心配になるかもしれないけれど、今回の研究で分かったのは、薬の使用と爪のトラブルに関連があったということ。薬が爪の変化を引き起こしたと証明した研究ではない。

研究著者のシャルル・タイエブ医師も、治療中に起きた変化が、すべて治療そのものによって引き起こされたとは限らないと説明している。

皮膚の病気や栄養不足などを考慮すると、関連の強さは一部弱まった。それでも、爪甲剥離と変色は使用者のほうが約2〜3倍多く報告されたという。また、体重が減った人に絞って比較しても差は残ったため、研究チームは、体重減少だけでは説明できない可能性があるとしている。

ただし、症状は自己申告によるもので、皮膚科医の診察で確認された結果ではないという。学会発表段階の調査であり、今後の検証が必要となる。研究には、フランスの医薬品・スキンケア企業ピエール ファーブルグループ傘下のデュクレ・ラボラトリーズが支援を提供している。

研究チームは今後、治療を始める時点から患者を追跡し、皮膚科の診察や検査を通じて、爪などの変化がいつ起こるのか、原因は何か、元に戻るのかを調べる予定だという。

栄養不足など、別の要因が関わっている可能性も

今回の結果について、専門家は食事量の減少による栄養不足が関わっている可能性を指摘している。米Allureの取材に応じた皮膚科医のアイフ・J・ロドニー医師によると、爪の主な材料は「ケラチン」というたんぱく質。薬の使用中に食欲が落ち、必要な栄養を十分にとれなくなると、健康な爪が育ちにくくなることがあるという。

また、爪甲剥離は、一部の抗生物質など別の薬や、甲状腺の病気でも起こることがあるという。爪が浮いてきたからといって、すぐにGLP-1関連の治療薬のせいだと決めつけず、原因を確認することが大切。

爪の変化に気づいたら、薬をやめる前に医師へ

今回の結果を受けて、研究チームのブルーノ・アリウア医師は、爪や髪の変化を理由に、治療を自己判断で中断しないよう呼びかけている。抜け毛や頭皮のかゆみ・赤み、爪の変化などに気づいた場合は、医師に伝えてほしいという。

米Allureに対し、米マウント・サイナイの皮膚科医ゲイリー・ゴールデンバーグ医師も、爪が実際に浮いたりはがれたりしている場合は、感染や炎症がないか皮膚科で確認する必要があると説明している。

爪の浮きや変色が気になったら、まずは処方を受けている医師に相談を。

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