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カニエ・ウェストのロシア公演中止、契約めぐり異例の混乱

  • 2026.10.4

ロシア・サンクトペテルブルクで現地時間10月10日と11日に予定されていた、Ye(旧名カニエ・ウェスト)のスタジアム公演2公演が中止になった。チケットは完売とされていたが、発表直後から会場側が契約の存在を否定するなど、異例の混乱が続いていた。(フロントロウ編集部)

主催者が「心からの遺憾」

米Billboardによると、公演を企画したモスクワのプロモーター、Say Agencyは通信アプリTelegramで中止を発表。「心からの遺憾」を表明したうえで、「サンクトペテルブルクでのYeのコンサートは、予定された日程で開催することができません」と伝えた。

会場として予定されていたのは、収容人数約8万人のガスプロム・アリーナ。実現していれば、2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、ロシアで公演を行なう西側の大物アーティストとして異例のケースになるはずだった。

「伝説のアーティストが来る」から一転

この公演は、発表直後から混乱の連続だった。8月中旬、ガスプロム・アリーナは公式Instagramで「これは冗談じゃない! 現代で最も影響力のある音楽アーティスト、カニエ・ウェストがガスプロム・アリーナで2夜限りのコンサートを行ないます」と大々的に告知していた。

ところが、その約1週間後の現地時間8月24日には一転して、「アリーナは本イベントの主催者ではない」「スタジアムの賃貸契約は一切結んでいない。よって、当会場でコンサートが開催されることはない」と投稿。米The Daily Beastによると、Say Agencyはアリーナ側が承認した公式文書に基づいて公演を企画したと反論し、会場側の発表によって中止を知ったと主張していた。チケットを購入し、ホテルまで予約していたファンからは、会場側への怒りの声が相次いだという。

中止の理由について、プロモーター側は詳しく説明していない。ただ、ロシアメディアでは、中止の背景に当局の意向があった可能性が報じられている。主催者が詐欺の疑いで捜査を受けているとの報道もあるほか、一部の政治家や政府関係者からは、過去に反ユダヤ的な発言を繰り返し、ナチスの象徴を使用してきたYeへの反発の声も上がっていた。

今年相次ぐ公演中止

Yeは今年、各国で公演を行なう一方、2022年以降繰り返してきた反ユダヤ的な発言やナチスを肯定する言動への反発がいまだ根強く、予定されていた公演の中止も相次いでいる。

Yeは1月、米The Wall Street Journalに全面広告を掲載して過去の言動を謝罪。2002年の交通事故で負った脳損傷が2023年まで適切に診断されず、その後、双極I型障害と診断されたと説明した。そのうえで、「私はナチスでも反ユダヤ主義者でもありません。ユダヤ人を愛しています」とつづり、過去の言動を謝罪していた。

謝罪し、音楽活動を続ける一方で、世界各地で公演をめぐる混乱が相次ぐYe。今回のロシア公演の中止は、彼を取り巻く厳しい状況を改めて浮き彫りにした。

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