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「番号なんて知らないわよ」と怒る女性客。店員が似た3箱を並べると、指さしたのは最初の商品だった

  • 2026.10.4

棚を見ないまま、大きくなる声

仕事帰りの夕方、私はコンビニのレジに並んでいた。

開いているレジは1台だけで、かごを持った私は列の2番目についた。先頭で会計をしていたのは、60代くらいの女性客だった。

女性客は財布を開きながら、たばこの名前を1つ口にした。

20代くらいの男性店員が後ろの棚を振り返る。棚には番号の札がついた箱がずらりと並び、似たような柄の商品もいくつかあった。

店員は少し迷ってから1箱を取り、女性客に見せた。

「こちらでしょうか?」

「違うわよ。それじゃない」

女性客は箱をちらりと見て、すぐに首を横に振った。

店員は箱を戻し、「番号、分かりますか?」と尋ねた。しかし女性客は棚を見ることなく、眉を寄せた。

「番号なんて知らないわよ。レジやってるなら覚えときなさいよ!」

店員は困ったように棚を示した。

「同じような商品がいくつかあるので、番号を見ていただけると…」

ところが女性客は店員の顔を見たまま、先ほどと同じ名前を大きな声でくり返した。

店員が別の箱を取って見せると、女性客はレジ台をたたいた。

「なんですぐ分からないのよ」

さらに「役立たず」とまで言われ、若い店員の耳が赤くなる。私の後ろにも、いつの間にか列が伸びていた。

「申し訳ございません…」

レジ台に並んだ、3つの箱

店員が小さな声で頭を下げたとき、通路で品出しをしていた40代くらいの女性店員がレジの内側へ入ってきた。

女性店員は棚を確認すると、似た柄の箱を3つ取り出し、レジ台に並べた。

「お客様、同じ名前から始まる商品が8種類あるんです。この中にありますか?」

女性客はようやく箱を見下ろし、真ん中の1つを指さした。

「これよ、これ」

「こちらですね。47番です」

女性店員は箱を手に取ると、一度若い店員のほうを見た。

「…こちら、最初にこの店員がお見せした商品と同じものです」

女性客の指が止まった。

若い店員も小さくうなずく。私も最初から見ていたが、たしかに同じ柄の箱だった。

私のすぐ後ろにいた男性客が、思わず小さな声を漏らした。

「最初ので合ってたのか」

女性客は何も言わずに代金を払い、たばこをバッグにしまった。

そのまま出口へ向かうのかと思ったが、数歩進んだところで足を止める。そして若い店員のほうを見ないまま、低い声で言った。

「…悪かったわね」

自動ドアが閉まると、女性店員は何も言わずに品出しへ戻っていった。

若い店員は少しだけ息を整えるようにしてから顔を上げ、私のかごに手を伸ばした。

「お待たせしました」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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