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「米ツアーは早めに挑戦したい」ストイックな新星ルーキー、次の目標は?

  • 2026.10.3

ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくためにさまざまなことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフと向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。

その豪快なスイングから繰り出されるドライバーショットがギャラリーを魅了する。入谷響はルーキーイヤーにも関わらず、開幕から安定したプレーでメルセデスランキング上位をキープ中。そんな彼女に初優勝を果たしたときのことを振り返ってもらうとともに、優勝までとその後の気持ちの変化や、近い将来の展望について話してもらった。

「初優勝はできましたが自己採点は70点くらいです」

──2025年6月の「ニチレイレディス」で、見事に初優勝を果たしました。首位で最終日を迎えたときの気持ちは?

入谷 朝起きたときはそれほど意識していなかったのですが、会場に着いてからじわじわと初優勝を考えるようになってきました。ただ、キャディさんが「私たちは追う立場だからね」って何度も声をかけてくれて、その言葉でだいぶ気持ちが楽になりました。

──首位にいながら「追う立場」という声がけ、素晴らしいですね。

入谷 守りに入ってしまわないように、という気持ちでいってくださったのだと思います。とてもありがたかったです。

──前半ショットが暴れましたが、後半うまくまとめて見事に初優勝。ウイニングパットが決まったときの気持ちは?

入谷 まず「ホッ」としました。後半は前半よりもスムースにプレーができるようになってきてはいたのですが、同組のしょうこさん(ささきしょうこ)のイーグルとかもあり、まったく安心できない状態でしたから。

──「やった!」という気持ちはすぐには出てこなかった?

入谷 そうですね。キャディさんと握手したり、アテストに向かうときに同期の仲間が祝福にきてくれたあたりから「ああ、優勝したんだ」って実感がわいてきました。

──師匠の中嶋常幸プロからも祝福のメッセージがきましたね。

入谷 はい。よく連絡をくださるんです。先週末(8月の北海道meijiカップ)も優勝争いをしていて、全英女子オープンを勝った山下美夢有さんも参戦していたので「山下さんと一緒に回れるといいね」とか(笑)

──初優勝のあと、プレーに臨む気持ちに変化はありましたか?

入谷 それまではシード権を獲るためにポイントを稼ぐことが第一で、それこそ「1試合につき何ポイントずつ取れればシード獲得」みたいな計算ばかりしていました。

──優勝によって、計算をする必要がなくなりましたね。

入谷 そのプレッシャーからは解放されましたが「次のステップに移るための優勝をしたい」という気持ちでプレーに臨むようになりました。

──ここまでのシーズン、自己採点は何点ですか?

入谷 今のところ70点くらいですかね。今季初優勝ができたのはよかったのですが、思うようなプレーができずに1打差まで詰められたりと、反省するところがまだまだありましたから。優勝争いの最終日に伸ばせる力がもっとついてきたら、もう少し点数が上がるかもしれません。

──「ただ勝てばよい」ではなく、内容を求めるということですね。そのために今後、磨いていかなくてはならない部分はありますか?

入谷 まず、ティーショットの精度。それと100ヤード以内のアプローチの精度をもっと上げて、そこからバーディチャンスを増やしていきたいです。

──とはいえ、バーディ数は現在ツアーで第2位ですね。

入谷 ボギーも多いので(笑)

「プロは〝結果〟の世界。勝つしかない」

──米ツアー参戦は何年後くらいになりそうですか?

入谷 早めに挑戦したいと思っています。これからの自分の状況によりますが、今シーズン終了後に最終予選からの挑戦も視野に入れています。とはいえ、まだ1年目なのでもう少し考えたいという気持ちもあります。

──早く世界で戦ってほしいという声が多いのも事実ですが、じっくり考えてください。

入谷 ありがとうございます。そう期待していただけるのは自分を高めていくうえで、大変ありがたい応援と受け止めています。

──これからどんなゴルファーを目指しますか?

入谷 たくさん勝ってみんなに見てもらうゴルファーです。やっぱりプロは「結果」の世界なので、実力を見せるためには勝つしかないのかな、と思っています。

開幕からほぼ予選落ちのないプレーを続け、見事に初優勝を達成。プロ1年目の選手の戦績としては申し分ないはずだが、彼女は自身に課すハードルが高い。優勝はしたが「最終日にスコアを伸ばせなかったことが今後の大きな課題」とインタビュー中に繰り返し言及していた。

その言葉の強さは、2年前の山下美夢有と似ている。2023年、2年連続年間女王に輝いた山下。すでに絶対女王としてツアーに君臨していた彼女だったが「今オフはショットの精度アップとショートゲームの技術をもっと上げていきたい」と話していた。

すでにこのとき、世界で戦いそこで勝つことを想定していたのだろう。実際に今年8月の全英女子オープンで海外メジャーを制覇してみせた。入谷響は今、そのときの山下と同じ雰囲気をもっているように見える。彼女の名前が米ツアー各地で響き渡る日が来るのは、それほど遠くないはずだ。

いかがでしたか? 入谷選手の活躍に目が離せませんね!

入谷響
●いりや・ひびき/2005年生まれ、愛知県出身。ルーキーイヤーの今年6月「ニチレイレディス」で、4打差を逃げ切り見事に初優勝を飾った。ギャラリーをわかすドライバーショットを武器に、今シーズン複数回優勝を狙う。加賀電子所属。

文=ひよこきんぎょ
写真=小林司
撮影トーナメント=ワールドレディス サロンパスカップ

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