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離婚したくなる!? クィアロマンス『ヒーテッド・ライバルリー』で人生が変わった女性たち

  • 2026.10.2
© 2025 Heated Rivalry Productions 1 (Ontario) Inc. / © 2025 Productions Heated Rivalry 1 (Québec) Inc. All rights reserved

男性アイスホッケー選手同士の恋模様を丁寧かつ情熱的に描き、世界を熱狂の渦に巻き込んだカナダ発のメガヒットドラマ、『ヒーテッド・ライバルリー』。シーズン1の最終話が先ごろ日本でも配信され、早速“ロス”を訴えている人がSNSにはあふれている。

海外には、このドラマがきっかけで自分を見つめ直し、人生が大きく変わった女性が少なからずいるようだ。そんな彼女たちがシェアした体験談を、US版『エル』がレポート。

38歳の教師アニーが夫と別れる決意をしたのは、2025年のクリスマスの日のことだった。大げんかをしたわけでも、夫の浮気が発覚したわけでも、無神経すぎるクリスマスプレゼントを渡されたわけでもない。ただ、アニーは“目撃してしまった”のだ。一度見たら、もう元には戻れないものを――。

「ターニングポイントとなったのは、最終話『コテージ(原題:The Cottage)』でした」と彼女は語る。「ただ画面の前に座り、『これは私の現実とはあまりにもかけ離れている』と思っていたのを、今でも鮮明に覚えています」

アメリカ国内だけで1話あたり平均1,060万人以上の視聴者を獲得したドラマ『ヒーテッド・ライバルリー』が、2025年11月に全米で放送を開始してからおよそ10カ月。その影響力は現在も拡大の一途をたどっており、いまや離婚裁判の現場という予期せぬ領域にまで浸透し始めている。

kieferpix / Getty Images

ここ数カ月、ジェイコブ・ティアニーが脚本と監督を手がけたこの男性同士のロマンスに背中を押され、「長年連れ添った夫やパートナーと別れた」とネット掲示板やSNSで語り合う女性が数十人にのぼっている。

ティアニー自身、レイチェル・リードの同名小説シリーズを脚色する際、“切望”を物語の核に据えて脚本を執筆したと明かしているが、視聴者の心をとらえて離さなかったのは、最高に魅力的な20代のプロアスリート男性の肉体美や若々しい恋のときめきよりも、はるかに深いものだった。一部の女性たちにとって、主人公のシェーンとイリヤが真剣な恋に落ちる姿を見ることは、自分自身の恋愛関係における、対等さや対話、そして感情的なつながりの欠如に向き合うことを余儀なくされる、痛切な体験となったのだ。

シーズン1の最終話を観終えた後、アニーは、画面の中にあった安らぎやキャラクター同士が共有する気負いのない親密さを、心から求めている自分に気付いた。シェーンとイリヤがお互いに弱さをさらけ出す姿や、それができるほど深く信頼し合っている関係性が羨ましかったのだ。自身の夫との関係を思い返してみると、年月とともにすれ違っていったわけではなく、そもそも信頼という強固な土台など最初から存在しなかったことを悟ったという。

「付き合い始めの頃でさえ、あんなふうに心地よく安心できる関係ではありませんでした。若い頃は、シェーンとイリヤが経験するような愛を信じていたのに、人生でつらい経験をし、ずっと低いレベルで妥協してきてしまった。だからこそ、私のことなどもう気にもかけないパートナーのもとへ、帰りたくなかったのです」

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いっぽうイギリス在住の40歳の母親であるルイーズは、ドラマ『ヒーテッド・ライバルリー』に出会う前、婚約者と10年にわたり一緒にいた。しかし、一度このドラマを観てしまうと、画面の中の世界と自身の恋愛とを比べずにはいられなかった。

「自分たちの関係を見直すきっかけになりました。私自身も情熱を持てない、そして私に対しても情熱を向けない男性の、まるで母親かメイドのようになっていた自分に気付いたのです。シェーンとイリヤがお互いに夢中になっているように、私に夢中になり、触れずにはいられないと思ってくれる人がほしかったんです」

“ドラマが原因で10年続いた関係に終止符を打つなんて、そんなクレイジーな人はいないはず。だから、絶対にホルモンバランスの乱れが原因だと確信していました”

彼女によれば、自身の関係における肉体的なつながりが、このドラマのように激しいケミストリーを持っていたことは一度もなかったが、「そういうものだ」と受け入れていたという。しかし、ドラマを観たことで、心の奥底から掘り起こされた欲求や性生活への不満があまりにも強烈に押し寄せてしまい、彼女はついに医師にアドバイスを求めることとなる。

ルイーズはこう振り返る。「10年近くもこの関係を続けてきたのに、自分の感情があまりに混乱してしまい、プレ更年期に入ったのかどうか確かめようとクリニックへ駆け込みました。ドラマが原因で10年続いた関係に終止符を打つなんて、そんなクレイジーな人はいないはず。だから、絶対にホルモンバランスの乱れが原因だと確信していました」

彼女はホルモン補充療法(HRT)を開始し、薬が効けばこの気持ちも落ち着くだろうと考えていた。だが数週間後、ホルモン値は正常に戻ったものの、パートナーへの気持ちが変わることはなかった。

そしてルイーズは、次の刺激を求める依存症のようにドラマの視聴を繰り返した。「誰か別の人の経験を通してでも、あの欲望と情熱をもう一度感じたいという必死の思いで、もっと、もっとと求めてしまった」のだという。

画面の中で輝く登場人物たちの理想の関係に、自分の現実の関係が追いつくことは永遠にないと悟った彼女は、ついに夫との関係を終わらせた。

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本作に対して生理学的な反応を示すのは、ファンにとって決して珍しいことではない。カンザス州に住む元アメリカ空軍予備役のスージーも、視聴後に似たような体験をしている。

「60日間連続で視聴し続けました。全6話を、何度も」と彼女は明かす。「はっきり言って、これは麻薬です――私の頭をすっかりおかしくしてしまいました」

スージーがこのドラマに心を奪われたとき、彼女はすでに夫と25年近く連れ添っていた。また、夫との別居についてセラピストに相談を始めていたものの、その時点では結婚生活を続ける方向に落ち着いていたという。しかし、60日間にわたるビンジウォッチで、ドラマは彼女の背中をまったく逆の方向へと押し出した。

彼女はこう述べる。「このドラマには、純粋に一緒にいることを楽しみ、必要とされるかたちで大切な相手とサポートし合う、ロマンチックかつプラトニックな関係性があふれています。もちろんそれは関係を築きながら少しずつ学んでゆくものですが、私が切望していた変化は得られないと知るには、25年という歳月は十分すぎる長さでした」

スージーは夫を「良い人間であり、良い父親」だと表現するが、ドラマのキャラクターたちに比べると、感情的な寄り添いが圧倒的に欠如していたという。「彼は自分の感情に向き合えないんです。本当にただ、できないんです」

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彼女にとって、強迫観念に近いほどの執着が自身の恋愛に影響を与えたのは、これが初めてではなかった。結婚から数年が経った頃、「いわゆる“5年目の浮気心”のようなことがありました。その引き金になったのが、『ブロークバック・マウンテン』(※ゲイのカウボーイの恋愛を描いた、アン・リー監督の2005年の映画)でした」と彼女は打ち明ける。スージーは映画館でこの映画を12回も鑑賞し、キャストとのQ&Aセッションに参加するため、全米を横断したことさえあったという。

「こういった行動のいくつかは、私の本来の性格と合致しています。でも、テレビドラマにこんなふうにのめり込んだことはありませんでした。自分でも本当に戸惑いました」と彼女は冷静に振り返る。

“それは関係において何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを再評価するための、素晴らしい触媒になるのです”

おそらく最も新しい事例ではあるものの、女性たちにパートナーとの関係を見直させたメディア作品は、ドラマ『ヒーテッド・ライバルリー』が初めてではない。

「『ある本を読み終えて、もう夫とは暮らせないことに気付いた』と相談に来る方はよくいらっしゃいます」と語るのは、公認臨床心理士であり、エモリー大学医学部精神医学・行動科学科の非常勤教員を務めるノエル・サントレッリ氏だ。

「では、彼女たちが実際に別れるのかといえば、大抵は別れません。しかし、それは関係において何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを再評価するための、素晴らしい触媒になるのです」

アニーは会話のきっかけになればと、夫と一緒にこのドラマを観ようと試みたが、彼はまったく興味を示さなかった。それが、夫婦のダイナミクスに潜むさらに大きなパターンを彼女に気付かせることになった。

「最初の2話が配信されたとき、彼にこのドラマのことを話したのですが、彼は私を幸せにしてくれるものを鼻で笑い、軽んじました」とアニー。「その瞬間にピンときたんです。私が幸せな気分になるたびに、彼は必ず私を引きずり下ろそうとしてくることに」

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夫が興味を示そうが示すまいが、『ヒーテッド・ライバルリー』は多くの女性たちに、パートナーからのより深い感情的な寄り添いを求めるきっかけを与えている。

アメリカ中西部で暮らす35歳の妻であり母親であるダニエルは、ドラマを通じて自分の結婚生活に精神的なサポートが完全に欠落していることに気付き、13年連れ添った夫のもとを去る決意をした。

「私は不安障害に悩まされているのですが、パートナーは『乗り越えろ』『大丈夫だ』『大げさすぎる』と一蹴したり、ただその場から立ち去ったりするだけでした」とダニエルは言う。

「パニック発作は本当に恐ろしいものです。でも、『ヒーテッド・ライバルリー』を観ていると、各エピソードごとにこれまで味わったことのない感情が込み上げてきました。それは私に希望を与えてくれました。愛を見つけたい、私の感情を否定して嫌な思いをさせない誰かを見つけたい、と思わせてくれました」

「私はこのドラマを観ることで、自分がどれほど孤独で、誰の目にも留まっていないと感じていたかを痛感したのです」

今回話を聞いた多くの女性たちは、誰かと一緒にいるのに孤独を感じるくらいなら、シングルになって孤独を感じるほうがずっといいと語った。しかしそのいっぽうで、ドラマをきっかけに同じように人生の舵を切った他の女性たちから、オンラインで予期せぬサポートを得た人もいる。

ダニエルはこう話す。「スレッズで素晴らしいコミュニティを見つけ、私と同じようにハッと目を覚ました人たちがいることを知りました。それがとても嬉しかったのと同時に、自分は決して一人ではないこと、そしてこのドラマがどれほど多くの人々の人生を変えるきっかけになったかを知って、思わず涙があふれました」

離婚により人生が大きく揺れ動くことになったものの、ダニエルは『ヒーテッド・ライバルリー』に心から感謝しているという。

「このドラマは、私にとってこれからもずっと永遠に特別な作品です。明るい未来がすぐそこにあり、それを心から受け止める準備ができていると思うと、毎朝、前向きな気持ちで一日を始められます」

※本記事に登場する名前はすべて仮名です

From ELLE US

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