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「留守番くらい任せろ」と胸を張った夫から半日後に届いた、たった一言

  • 2026.10.2
ハウコレ

玄関で靴を履きながら、冷蔵庫に貼ってきたメモのことばかり考えていました。振り返ると、夫が娘を抱き上げて、小さな手を一緒に振っています。娘を夫にだけ預けて半日出かけるのは、この日が初めてでした。

「メモは見なくても大丈夫」と笑った夫

出かける前の日、私は娘の1日の流れを紙に書き出しました。ごはんの温め方、ふりかけは星の形にすること、眠る前は絵本を1冊読んでカーテンを半分だけ閉めること。

出かける直前、夫にそのメモを冷蔵庫に貼ったと伝えると、夫は娘を抱いたまま胸を張りました。

「留守番くらい任せろ」

「メモは見なくても大丈夫だよ」

私は鞄の持ち手を握り直してから、短く返しました。

「じゃあ、お願いね」

「ママ、いってらっしゃい」

鳴らないスマホと、テーブルの上の2人分の皿

大学時代の友人と待ち合わせたのは、駅前のカフェでした。パスタが運ばれてきても、私はスマホの画面が見える位置に置いたままにしていました。

「大丈夫、寝てるうちに帰れるって」

友人はそう言って笑いましたが、私は通知の来ない画面のほうが落ち着きませんでした。娘が泣いていたら、あの人は先に自分が焦るタイプです。想像は勝手に先へ進みます。

絵本の棚の前で光った画面

友人と別れたあと、私は帰り道の書店に寄りました。絵本の棚の前で背表紙を指でなぞっていると、鞄の中でスマホが短く震えました。

半日ぶりの通知でした。画面に出ていた名前は夫で、文面はひとことだけ。

「降参です」

私は手に取りかけていた絵本を棚に戻しました。

そして...

降参、という言葉を私は何度か読み返しました。ふりかけが見つからなかったのか、昼寝の時間に間に合わなかったのか。

あれだけ胸を張っておいて、と少しだけ笑ってしまったのも本当です。

けれど鞄の口を閉めたときには、返事を打つより先に、書店の出口へ向かっていました。あの短い言葉の本当の意味を、私はまだ知りませんでした。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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