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「猛獣の私を扱えるくらいの肉食」誰もが笑った“夫の紹介”。15年前、13年来のビジネスパートナーと結ばれた【妖艶女優】

  • 2026.10.31
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2011年10月、映画『ランゴ』のスペシャルサポーター就任イベントに出席した杉本彩(C)SANKEI

15年前の2011年10月、都内でアニメーション映画『ランゴ』のスペシャルサポーター就任イベントが開かれた。主人公のカメレオンを意識したという、鮮やかなグリーンのドレス姿で登場したのは杉本彩だった。

この年の4月に結婚したばかりの杉本は、新婚生活について問われると、もう8年一緒に暮らしているからと控えめに答えた。それでも夫とは「人前で手を繋げるようになったり、堂々とできるようになった」と、結婚してからの変化を笑顔で語っている。

自分を「猛獣」と呼ぶ、セクシーな魅力で知られる大人の女性。そんな彼女が結婚による変化として口にしたのは、人前で手をつなぐという、あまりに無邪気でささやかなことだった。

「猛獣の私を扱えるくらいの肉食」

この日、杉本がスペシャルサポーターに就任したのは、ジョニー・デップが主人公のカメレオンの声と動きを担当したアニメーション映画『ランゴ』だ。イベントにデップのそっくりさんとして活動するタレントのハイメが登場すると、杉本は爆笑した。プレゼントされたランゴのかぶりものはその場ではかぶらず、後で自分のブログでセクシーにかぶった姿を披露すると約束して、ハイメを喜ばせている。

話題が夫に及んだときの受け答えも、実に身軽だった。結婚の報道で夫がジョニー・デップ似と紹介されてきたことには、髪がぼさぼさでヒゲが生えていて、帽子をかぶっているからだと思うと苦笑いした。

杉本は夫を「猛獣の私を扱えるくらいの肉食」と言い表し、子どもの話題を振られても、天におまかせ、年齢も年齢ですしね、とさらりとかわす。酸いも甘いも噛み分けてきた43歳ならではの、肩肘を張らないユーモアがそこにはあった。

「アンチ結婚」の彼女が選んだ「感謝婚」

だが、杉本がこの結婚を公表したのは、イベントの1か月半ほど前の2011年8月31日だった。入籍は4月17日に済ませていたが、東日本大震災を受けて、自分の祝い事の知らせをすべて控えていたのだ。

発表当夜の会見で、杉本は自分はめちゃくちゃアンチ結婚だったと切り出している。

相手は13年にわたりビジネスパートナーとして付き合ってきた男性だ。アンチ結婚だった彼女が、なぜ40代を迎えて籍を入れる気になったのか。それは、40代に入って一人で立っているのが辛くなったとき、支えてくれたこの人の存在の大きさを感じたからだった。

会見では夫を「身をていして私を守ってくれる番犬のような人」と紹介した。杉本はこの結婚を、甘い誓いというよりも、感謝と、これからもよろしくねという気持ちを込めた「感謝婚」だと名付けた。

10月のイベントで結婚の決め手を聞かれたときも、杉本は「40過ぎると考え方が変わるんですよ」と照れながら答えた。今までやんちゃをしてきた自分と付き合うのも大変だったと思うので、ありがとうという感謝の意味も込めて、と改めて報告している。

恒例のタンゴ公演を封印し被災した小さな命に走った秋

結婚発表を遅らせた震災は、この年の杉本の秋の予定も変えていた。

2011年の秋、杉本は毎年恒例のタンゴのステージ『タンゴ・ノスタルジア』を一時封印した。代わりに企画したのが、被災ペットを支援するためのチャリティーイベント「東北復興支援・動物愛護 チャリティーライブ&ラテンナイト」だった。

11月の記者会見で、杉本は「ペットは人間と同じ『心』を持っていることを知ってほしい」と訴えた。このころの杉本は、自宅や事務所で被災した猫を何匹も保護し、里親を探していた。売上金から必要経費を除いた全額と寄付金は、被災ペットの救済にあてられることになっていた。

夫と人前で手をつなげるようになったと笑顔で語っていたあの秋、杉本の日々は、被災した命と向き合う時間の只中にあった。

2013年3月には、関西テレビの番組に夫婦そろって出演している。どんなことがあっても絶対に謝らない妻だと夫に私生活を明かされても、杉本は夫について、仕事よりも夫自身のことよりも、この世のすべての中で杉本を最優先に考えてくれると感謝を口にした。

愛にあふれた“猛獣”の今も変わらない情熱

被災した命に手を差し伸べた杉本の活動は、一過性では終わらなかった。2014年、杉本は動物環境・福祉協会Evaを立ち上げ、今は公益財団法人となったEvaの代表理事を務めている。2026年11月1日には東京・渋谷で特別講演会を開き、動物虐待や多頭飼育崩壊など、活動を通して見つめてきた問題について話す予定だ。

あの秋に一時封印した恒例のタンゴの舞台も、手放したわけではない。2025年9月には、6年ぶりとなる本格的なダンスショー『Tango Confession ~愛と魂の告白~』の公演が、東京・青山グランドホールで開催された。

夫婦のユーモラスなやりとりは、その後も続いた。2023年11月、ミュージカル『クリスマス・キャロル』の囲み取材会では、私ほど愛にあふれた妻はいないんじゃないかと夫に話したら、その通りですと言われたと明かした。

自らを「猛獣」と呼んだ杉本彩。だが、その真ん中にあったのは、被災した小さな命を放っておけない優しさと、夫と人前で手をつなげるようになったと笑顔で話す素朴さだったように思う。


※記事は執筆時点の情報です

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